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大谷翔平選手の脅威のパフォーマンスの要因の一つは両利き使いによる脳の切り替え!? 両利き人間がこれからの時代を背負っていくって本当?

集英社オンライン / 2023年5月14日 19時1分

スポーツ選手に多い両利き。両利きを意識することで、はたしてメリットはあるのだろうか。追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問の児玉光雄氏の『頭が良くなる!「両利き」のすすめ』(アスコム)より一部抜粋・再構成してお届けする。

大谷翔平選手の生い立ちから利き脳について考えてみた

私は、両利き人間がこれからの時代を背負っていく、と考えています。
身体の各器官の非利き側を活性化させることがなぜ必要なのか。それは、各器官は人間にとって最も重要な「脳」と繋がっているからです。そこで、まず脳の利き側の話から始めたいと思います。

いくら科学が加速度的に発達したからといって、人間の脳がコンピュータに置き換わることはほとんど不可能に近いのです。これは私の独断的な予測に過ぎないのですが、少なくともこれから数十年以内に私たちの脳の機能とまったく同等のコンピュータが開発されることはないはずです。



しかし、脳の機能の領域に関する研究は、飛躍的に進歩しています。いまや確実に新しいトレンドが動き出しているのです。例えば、いままで右脳あるいは左脳のどちらか単独で行われていると思われていた高度な作業も、実は右脳と左脳の協同作業によって行われていることが判明し始めています。

右脳と左脳の交信を頻繁にさせながら両者を連動させることで、脳の持っている潜在能力を引き出すことができるのです。残念ながら、ほとんどの人が片方の大脳半球ばかりに作業をさせているので、もっと両者のバランスをとる必要があるわけです。
つまり、あなたがその気になれば、両方の大脳半球をバランス良く使うことができ、両利き人間の仲間入りができるのです。

いまスポーツ界でもっとも注目されているアスリートは、大谷翔平選手で間違いないでしょう。大谷選手は左打ち、右投げです。これはメジャーリーグで3000本安打という金字塔を打ち立てたイチローさんとも、見事に一致します。
私は、彼らのパフォーマンスの大きな要因が両利きだったことにある、と考えています。実は、大谷選手が左打ちを採用したのは、父親徹さんの影響が大きいのです。
このことについて、大谷選手はこう語っています。

「(左打ちか右打ちか)どちらにしようか迷っていて、お父さんとお風呂に入っているときに、『俺、どっちで打ったらいい?』と尋ねると、『打ちやすいほうで打てば?』と言われて、『じゃあ、左打ちにしよう!』と」

徹さんは、少年時代の大谷選手が所属していた野球チームの監督を務めていました。
徹さんは打者としての大谷選手を左打ちにした理由を次のように語っています。

「私自身が左打ちだったので、はじめから翔平の打ち方は指導しやすい左打ちにしました。その中で、インコースならライト方向へ、アウトコースならレフト方向へ、変化球にもしっかりと対応できるようになってもらいたかったので、コースによって打ち分けられるようにしなさいと言い続けたのです」

野球において左打者というのはいくつかの点で右打者に比べて有利です。「ピッチャーにとって、右打者に比べて左打者と対戦する確率が低い」、「一塁までの距離が右打者に比べて短い」といったことが理由です。

大谷選手は左打ちですが、投げるのは右手なので、右利きや左利きの選手よりも明らかに左右脳の交信が頻繁に行われているはずです。それが彼のスポーツ脳を異常なまでに進化させ、2022年シーズンに打者としてホームラン34本、投手として15勝9敗というとてつもないパフォーマンスを発揮する大きな要因になった、と私は考えています。

右脳と左脳を頻繁に切り替えれば、潜在能力を目一杯発揮できる

両利き人間に天才が多いのは、彼らが右と左の脳を効果的に使い分けているからです。天才といえども持っている脳の容量は、私たちとほとんど変わりません。両者の違いは、その使い方にあるのです。
私たちはどうしても片方の大脳半球だけを使ってしまう傾向があります。日頃使い慣れている領域だけにスイッチが入りがちなのです。しかし、それではアイデアも思考パターンも硬直化してしまいます。

一方、天才と言われる人たちは、左右の大脳新皮質を絶えず交信させながらネットワークを進化させています。
慣れている領域だけにスイッチが入りがちなのです。しかし、それではアイデアも思考パターンも硬直化してしまいます。

一方、天才と言われる人たちは、左右の大脳新皮質を絶えず交信させながらネットワークを進化させています。

左右脳を切り替えるトレーニング例

図表1ー1をしばらくジッと見つめてください。すると、5つの別々のブロックとして見えていたものの中に、LEFTというアルファベットが浮かび上がってきたはずです。この実例で、脳は図形(右脳)と文字(左脳)を、交互にスイッチして機能させていることが確認できるのです。

文字と図形の組合せではなく、図形のみの場合でも、右脳はその解釈を無意識に切り替えています。図表1ー2を注視してください。これは「ルビンの壺」と呼ばれる有名な反転図形です。壺のシルエットと、人の顔が向かい合わせになっている図が交互に浮かび上がってくることにあなたは気づくはずです。

さらに、図表1ー3を見てください。この立方体が2種類の見え方をすることがわかりましたか? これは「ネッカーの立方体」と呼ばれるもので、一般的には、奥行き反転図形と呼ばれています。

まず、立方体を斜め上から見た図が浮かび上がってくるでしょう。そのとき、A面が手前に、そしてB面は奥に見えます。次に斜め下から見た図に切り替えると、今度はA面が奥に、そしてB面は手前になって見える斜め下から見た図が浮かび上がってくるはずです。
このような図形を使用することで、右と左の脳だけでなく、片方の脳単体でも、視点を頻繁に切り替えていることを確認できるのです。これは、あなたの意志というよりは、自動的、かつ無意識に切り替わると言ったほうがよいかもしれません。

まずは、これらのイラストを使って、二つの画像が交互に切り替わる感覚を楽しんでください。
ただし、これはあくまでも脳の内部でどのようなことが起きているかを確認するための練習です。実際に左右脳を切り替えるトレーニングは本書で色々と紹介していきます。

『頭が良くなる!「両利き」のすすめ』(アスコム)

児玉光雄

2022年12月16日

1540円(税込)

単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 224ページ

ISBN:

978-4-7762-1235-5

「両利き」を意識して日常生活を送ることができれば、
年齢に関係なくあなたが本来、持っている「潜在能力」を引き出すことができるのです!

そもそも両利きになるメリットとは?
それはビジネス面において、以下のような大きな効果が期待できます。
1.左右脳の交信が活発になり、ビジネスの現場において「意志決定」や「決断」が早くなる。
2.特に右利きの人は右脳の活性化が期待でき、「ひらめき」や「アイデア」が出やすくなる。
3.片利き人間に比べて大脳新皮質の広範囲の領域が活性化するため、
「メタ認知能力(客観的に物事を捉える能力)」が高まり、 広い視野で物事を考えることができるようになり、コミュニケーション能力も高くなる。
本書には、利き手はもちろん、利き目、利き耳、利き足についても、利き側がどちらかをチェックするテストを掲載しています。あなた自身のそれぞれの感覚器官の利き側を知った上で、非利き側を積極的に使う習慣を身につけてください。
「いつもとは違う手で歯を磨く」
「階段の最初に踏み出す足を変える」...etc
すぐに始められる両利きトレーニングも収録!

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