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「とりあえずAIを使ってみた」というサービスではない! “AI講師”との対話で英会話が身につく。最新「GPT-4」採用のAI英会話アプリ「スピーク」がすごい!

集英社オンライン / 2023年5月18日 12時1分

AIを搭載した新しい英会話アプリ「スピーク(Speak)」が、SNS等で話題になっている。本アプリには最新のAI技術と音声認識を用いられており、自然と英語のスピーキングを身につけることができるとされている。このアプリがどこまで英会話トレーニングに使えるのか、試してみた。

大規模言語モデル「GPT-4」使用の新しい英会話アプリ

2023年2月に「スピーク」という英会話アプリの日本語正式版がリリースされました。

このアプリの特徴は、AI講師が対話の相手となり、アメリカ英語のスピーキングに特化した練習ができること。米OpenAI社による話題の大規模言語モデル「GPT-4」が活用されていることも、キャッチーなポイントです。


AIを搭載した英会話アプリ「スピーク」

実際にApp Storeでは、3月2日付で「教育」カテゴリの無料Appランキング1位を獲得するなど、好調な出だしを見せています。

ちょうど筆者も英語のスピーキングを練習したいと思っていたので、スピークを実際に使ってみたうえでのインプレッションをお届けします。なお、試用したのはiOS版アプリのバージョン3.7.14~15です。

初心者でも「自分のペース」で学んでいける

スピークを起動すると、5つのタブ(「ホーム」「AI講師」「ミニコース」「復習」「チャレンジ」)が並んで表示されます。今回はそのうち「ホーム」と「AI講師」について、紹介しましょう。

画面下部には「ホーム」「AI講師」「ミニコース」「復習」「チャレンジ」のメニューが並ぶ

まず、「ホーム」タブでは、段階に沿ったレッスンが受けられます。ここでは、人間の講師による英会話のレッスン動画が再生され、動画を見ながらフレーズをトレーニングしていきます。

講師の説明は英語で行われますが、日本語の字幕が表示されるので、リスニングが苦手という人でも内容を理解できます。この動画がとても丁寧に作られており、長く続けることで、実践の現場で使える英語のフレーズの引き出しが、かなり増えそうな予感。

動画で授業を受けて用法を理解しつつ、フレーズのトレーニングを行う

ちなみにフレーズの練習は、ユーザーの発音を認識して、クリアかどうかを判定してくれるというもの。最初はフレーズ全文が読めますが、徐々に穴埋め状態に。これにより正しい発音方法だけでなく、自然とフレーズ自体を暗記できるようになります。

実践トレーニングに最適な「AI講師」

「AI講師」タブでは、チャット画面での会話トレーニングが行えます。想定されるシーンごとに、AIがどんどん質問してくれるので、ユーザーはそれに対する返答を考えていきます。

具体的には、マイクアイコンを押してから発声し、うまく喋れたらアップロードボタンをタップ。すると、自分が話した内容がテキスト化されます。そして、AI講師がまたそれを踏まえて質問してくれる、という流れです。

チャット形式で進んでいく対話(左)は、テキストと音声ベースとはいえ、かなり実践的なトレーニングになる印象。終了後には改善点も教えてくれる(右)

「AI講師」では、表示された「台本」を読むのではなく、自由会話でトレーニングを重ねていきます。「指定されたテキストを読むだけ」ではなく、「何を話せばいいのか」から考えなくてはならないため、実際に対人で英会話のトレーニングをしているような感覚になり、非常に実践的です。

しかも相手がAIなので、英会話に苦手意識のある人でも、気を使わず、緊張せずに自分のペースで進められます。対人で英会話を学ぶにしても、このアプリで基礎をしっかり身につけてから実践に向かえば、無駄がなくなりそう。

また、会話がひと段落すると、内容についての評価をフードバックしてくれます。「このフレーズはもっとこう変えたほうがいい」という指摘がテキストで表示されるので、しっかりと反省して、改善に繋げられるのが非常によかったです。

なお、シーンごとに3つの具体的な「チャレンジ」が設定されています。

たとえば、「ハンバーガー屋で」というシーンならば、「店員に初めての来店だと伝え、メニューに何があるのか聞く」「店員に、おすすめのバーガーを聞く」「ミルクセーキを注文する」という3つ。これらを意識しながら、必要なフレーズを学び、トレーニングを反復することで、より効果的なスピーキングの練習ができます。

競合アプリと比べたときの魅力

Apple Storeでは、スピーク以外にも英語習得アプリが多くリリースされています。「教育」カテゴリのランキングに名を連ねる人気アプリとしては、「Duolingo」「mikan」「ELSA Speak English」など。これらはスピークとは用途が異なるので、うまく棲み分けができそうです。

たとえば、あくまで筆者の主観的な評価ではありますが、「Duolingo」は超基礎の単語学習に向いています。また「英語話者向け」からはスペイン語やドイツ語などの学習もできるため、まったく知らない言語の超基礎の単語を勉強するにはとても有用です。

また「mikan」は、TOEICや英検などの対策を踏まえて、単語学習や、リーディング、リスニングの対策などが行えます。「ELSA Speak English」は、アメリカ英語の発音に特化したアプリです。

少し競合になりそうなのが、「AI英会話スピークバディ」ですが、こちらはアプリ名にAIを冠してはいるものの、GPT-4などを使った対話トレーニングなどはなく、基本的にシーンごとのフレーズを読み上げていきます。その点で、スピークとはややアプローチが異なりそうです。

SpeakのAI講師機能では、表示されたフレーズを読むのではなく、自由に会話を繰り広げていく。何を話せばいいか、自分の引き出しから考えることができ、その後の会話の展開についても自由度高く練習できる

「とりあえずAIを使ってみた」というサービスではない

スピークを提供するのは、米国発の教育系スタートアップ・Speakeasy Labs, Incです。同社は、Connor Zwick氏とAndrew Hsu氏が2016年に創業し、現在はシリコンバレーに拠点を置き、アプリ開発と運営をしています。

2018年に韓国からサービスを開始し、日本でも2023年の2月9日に本格的にサービスの提供を開始。2023年3月時点において、OpenAI Startup Fundを含むシリコンバレーの有名投資会社らから60億円以上の投資を誘致しているなど、今後の伸びにも期待がかかっている企業です。

Speakeasy Labs, Inc.のHead of Japanを務めるキンジュシェンコ氏に、AI技術を駆使した同アプリの工夫やこだわりについてメールで聞いてみました。

「スピークはユーザーエクスペリエンスを頻繁に見直し、プロダクトの改善を行っているのが特徴です。新しい技術があるからそれを使うのではなく、教育学的な観点で評価し、学習効率または利用率などを上げるためにどのような工夫が必要かに、常にリサーチしています」(キンジュシェンコ氏)

スピークは「誰でも、どこでも英会話を学ぶことができる世界をAI技術を通して創ること」をミッションとして掲げています。

実際、今回アプリを使ってみた印象としても、スピークは決して「とりあえず流行りのAIを使ってみた」というサービスではありませんでした。スピーキングを練習するためのサービス基盤が堅実に整っていて、そこにAIをうまく組み合わせているという印象です。

正直、筆者もしばらく英会話から離れていましたが、「これならまた挑戦してみようかな?」と思えるくらい面白かったです。

プレミアムプランは年額1万2800円、または月額1800円で利用可能。一般的な英会話と比べてもかなり安価なので、地道にスピーキングに特化したトレーニングを重ねていきたい人にはおすすめです。


文/井上晃

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