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「とりあえずデスクトップに保存」していない? PC内の探し物を減らすファイル管理・整理のコツ

集英社オンライン / 2023年5月24日 11時1分

PCの中にあるはずのファイルが全然見つからない……そんな経験を何度も繰り返している人は、ファイル管理の方法が間違っているのかも。ここでは、多くの人が陥りがちなファイル管理の失敗例と解決策をまとめてみた。新しく社会人になった人も、ベテランの人も、自分に当てはまる項目がないかチェックしてみよう。(トップ画:Shutterstock.com/UnderhilStudio)

[ケース1]「文書1」や「無題」という名前の
ファイルがデスクトップにいっぱい

「文書1」や「ドキュメント」、あるいは「無題」や「untitled」などといった名前のファイルが、PC内のあちこちに転がっていないだろうか。

新規作成したファイルを保存するときに、何も設定しないまま保存ボタンを押してしまうと、こういうファイル名がついてしまうことがある。しかしこれでは、もし保存場所を忘れてしまったとき、ファイル検索で探し出すのが非常に困難になってしまう。


あとで正式な名前をつけるはずが、気がつくと数ヶ月も放置されたまま。やがて仮の名前がなんだったのかも忘れてしまう

「とりあえず保存しておいて、あとで改めて名前をつけよう」と思っているのかもしれないが、「あとでやろう」は放置されてしまうのが世の常だ。

これを防ぐには、「あとでやろう」を撲滅し、保存時に必ずファイル名を決めるように心がけることが肝心だ。

もちろん、「あああ」とか「てすと」とかいう投げやりな名前はNG。できれば、ほかのどのファイルとも被らないような、オンリーワンの名前をつけておきたい。

ファイル検索で見つけやすくするためには、なるべくオンリーワンの名前をつけるように心がけよう

[ケース2]ファイル名に「new」とあるのに
最新かどうかがわからない

ファイルを手直ししたあと、上書きではなく、別の名前をつけて保存することがある。それのとき、末尾に「new」や「改」「済」「final」などのフレーズを付け足してはいないだろうか。

こうした文字列を付け足していくと、結局どれが最新なのかがわからなくなってしまう。場合によっては「企画書_new_new」と「企画書_new_final」が混在する悪夢のようなパターンも……。

ファイルをいちいち開いてみないと目当てのものかどうかがわからず、時間を浪費してしまったという経験もあるのではないだろうか。

こうなってしまうと、どれが新しいのかわからない

この問題を回避するには、ファイルに修正日を入れるのがもっとも手軽な方法だ。

たとえば、「企画書20230301」「企画書20230425」といった形だ。こうしておけば、ファイルを名前順で並べたときも、修正した順番どおりにスッキリと並ぶ。

同じ日に複数修正があったときは「企画書20230425_2」のように数字を付け足すか、「企画書20230425_1305」のように時刻を書き足すのがいいだろう。

日付を入れておけば、名前順にリスト表示したときもスッキリと並ぶ。どれが最新かも判別しやすい

[ケース3]丸数字のついたファイルが文字化けしてしまった

ファイル名に「①②③」などの丸数字を入れている人がいる。

自分のマシンで使うだけならばそれほど問題はないのだが、ほかの人に送ったときにちょっとしたトラブルになるかもしれない。丸数字はいわゆる「機種依存文字」と呼ばれ、OSが変わると別の文字に置き換わってしまうことがあるのだ。

主な機種依存文字の例。丸数字のほか、単位の多くも機種依存文字だ

機種依存文字は、主にWindowsとMacの間でファイルをやりとりすると問題になる。Windows同士であれば問題ないのだが、環境によって置き換わってしまうような文字は、なるべく使用を控えたほうが無難だ。

ほかにトラブルになりがちなファイル名としては、半角スペースや全角英数字、半角カタカナなどが挙げられる。古いシステムやアプリによっては、これらの文字がファイル名に含まれているとエラーになったり、うまく検索できなかったりしたため、嫌う人が多いのだ。

今のOSでは問題になる状況は稀だが、ほかの人とやりとりする可能性があるなら避けたほうが無難かもしれない。

今のWindowsのファイル検索では、全角でも半角でもヒットする。しかし全角と半角が混在していると見た目が不揃いになる。数字やアルファベットは半角に統一したほうがスッキリするだろう

[ケース4]デスクトップがファイルで埋め尽くされている

世の中にはなんでもデスクトップに置きっぱなしにしてしまう人がいる。

「見えない場所に入れてしまうとファイルの存在自体を忘れてしまう」とか、「階層が深いと取り出すのに時間がかかるから」といった理由を挙げる人もいるだろう。

また「置いてある位置でだいたい覚えているから」という理由もよく聞くが、そういう人に限って、デスクトップをじーっと睨み続けて、やっと目当てのファイルを見つけ出していたりする。探し物の時間が多いと、それだけ作業効率のロスにつながってしまう。

だいたいの位置でファイルのありかを覚えているとしても、ファイルの並び順はPCの設定変更などさまざまな要因で変わってしまう可能性がある

人間が瞬間的に見分けられるものの数は限られている。どんなに能力が高い人でも、膨大なファイルの中から目当てのものを探すのは、それなりの時間がかかってしまうだろう。

また、余計なものがいくつも視界に入ってしまう状況は、精神衛生上もよくない。仕事中に別の仕事のファイルが目に止まり、「あれも進めないと…」と気になってきたりする。

やはり、デスクトップはファイルの一時的な置き場所と考え、なるべく早めに移動させるのがおすすめだ。

問題は、ファイルをどこにどうやって格納するか。ファイルの整理方法はいろいろあるが、たとえば仕事で使うPCなら、「得意先」と「時系列」を組み合わせた管理方法はいかがだろうか。

まず、「ドキュメント」フォルダ内に「得意先A」「得意先B」と得意先ごとにフォルダをつくる。その中に「2022年」「2023年」と年ごとにフォルダを作成し、そこに案件ごとのフォルダを格納していく、といった具合だ。

この整理方法には、「古いデータを退避しやすくなる」というメリットもある。PCの空き容量が少なくなってきたら、古い年のフォルダから外付けストレージに退避させよう。

フォルダ管理の一例。ウインドウ左側の階層表示を見ると、どのような構造になっているかおわかりいただけるだろう。整理方法は人それぞれだとは思うが、とにかくルールを明確に決めて、置き場所をはっきりさせることが大切だ

[ケース5]「フォルダの丸ごと複製」は混乱の元

いくつかの書類が入ったフォルダを「丸ごと複製」した経験はないだろうか。実はこれ、いろいろなトラブルの原因になる可能性がある。

フォルダの複製を行うと、当然ながらその中のファイルも一緒に複製されてしまう。つまり、ファイル名と内容がまったく同じ「重複ファイル」がマシンの中にできてしまうのだ。

文書に少し手を加えて、メールに添付して送ったと思ったら、実は手を加えていないほうだった!というようなミスを引き起こす可能性があるのだ。

このように中身がまったく同じフォルダがあると、どちらのフォルダ・ファイルを開いているのかがわからなくなり、さまざまなミスを引き起こす

トラブルが起きる根本的な問題は、同じ名前・同じ内容のファイルが複数存在することにある。

これを避けるには、単純にフォルダを丸ごと複製するのをやめることだ。元のファイルをとっておきたいときはファイル単位で複製し、必ずわかるように名前を付け替えておこう。

どうしてもフォルダでまとめて保管しておきたいという場合、外付けのストレージなどにコピーしておいたほうが安全だ。

マシンの中に同じ名前の書類があると、どれが最新かわかりにくくなり、ミスを招く。フォルダを丸ごととっておきたいときは、外付けストレージなどに退避しておこう

「整理しすぎ」にも要注意

ファイルやフォルダの管理方法は人それぞれで、必ずしも決まった正解があるわけではない。

しかしこれまで紹介したように、「避けたほうがいい」とされる方法にはそれぞれ理由がある。その理由を知ることで、より効率的で安全なファイル管理が行えるのではないだろうか。

一方、ファイルの整理に一生懸命になって、時間を割きすぎてしまうのも考えもの。本来やるべき仕事をする時間が減ってしまうのは本末転倒だ。

さらに、あまり神経質にやりすぎると、ついいろんなものを捨ててしまいがちになる。整理したときはすっきりした気分になるが、「あのとき捨てなければ……」と後悔するシーンも増えるだろう。

ファイル管理とは、快適・効率的にPCを使うための手段にすぎない。目的と手段を見失わないよう、おおらかな気持ちで整理を行おう。

文/小平淳一

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