WOWOWが放送・配信する「連続ドラマW フェンス』(松岡茉優、宮本エリアナ主演)は、沖縄の米軍基地をめぐる現状をテーマにした意欲作だ。沖縄が日本に返還されて50年を経た今も、日本にある専用の米軍基地の7割が沖縄に存在する現実と、真正面から向き合っているクライムサスペンスだ。
5月にはモナコ公国主催の世界で権威のあるテレビ番組コンクールとされている「モンテカルロ・テレビ祭」で最優秀賞にあたるゴールデンニンフ賞にノミネートされた。同賞にノミネートされた9作品のうち、アジアでは唯一の作品となる(授賞式は現地時間6月20日)。
WOWOWの番組の大半は、ベストセラーとなった原作の小説をもとにドラマにすることが多い中で、本作は、オリジナルの脚本から生まれた作品であることも異色の作品。製作を担当したプロデューサーの一人、高江洲義貴氏は沖縄県出身。報道記者出身の北野拓(きたの・ひらく)プロデューサー、脚本の野木亜紀子さんらとともに、現代の沖縄が抱える問題を描き出し、見事なエンターテインメントが生まれた。
その企画から誕生までのプロセス、ドラマ化した背景にはどんな思いがあったのか、基地の街で生まれ育ったという高江洲プロデューサーにインタビューした。