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〈再逮捕〉植物状態の叔母からもタリウムが…宮本容疑者・叔母の元夫が告白「一希の散財を目の前で見ていたら『あかんぞーバカズキ』と叱っていたと思う」〈京都女子大生タリウム殺人〉

集英社オンライン / 2023年5月24日 12時46分

京都市の女子大学生が劇薬のタリウム摂取により殺害された事件で、殺人容疑で逮捕、起訴された知人の不動産賃貸業、宮本一希被告(37)=京都市左京区=が約3年前に自身の叔母(61)にタリウムを投与して殺害しようとした疑いがあるとして大阪府警は5月24日午後にも殺人未遂の疑いで再逮捕する方針だ。この一家に何が起きているのかを報じた集英社オンラインの記事を再公開する(初出:2023年3月28日)。

現在も人工呼吸器を装着した植物状態の叔母

宮本容疑者の父は2020年6月末、当時一人で住んでいた京都市内のマンションの一室で冷たくなって見つかった。死因は虚血性心疾患。それからひと月も経たないうちに、その妹である叔母が突然倒れ、病院に緊急搬送されたが、意識不明の重体に陥った。叔母は大脳の一部を損傷しており高血圧脳症と診断され、現在も人工呼吸器を装着した植物状態が続いている。大阪府警は病院から任意提出を受けた吐瀉物などの検体を鑑定し、タリウムの成分を検出したとみられる。


宮本一希容疑者(フェイスブックより)

「宮本家は京都市左京区の比叡山麓の約250坪の敷地に3棟の邸宅を擁し、そこに一族が住んでいました。しかし還暦を過ぎた父が『もっと街中で暮らしたい』と漏らすようになり、兄思いの叔母が2018年に鴨川沿いに中古のワンルームマンションを購入、悠々自適の老後を送っていた。叔母の方は不動産業だけでなく、茶道裏千家の指導者としても知られ、水泳やトライアスロンの大会に参加するほどのスポーツウーマンでもあった。叔母はさしたる持病があるわけでもなく、突然、植物人間になるいわれがない」(社会部デスク)

宮本容疑者の実家(撮影・集英社オンライン)

叔母の元夫が話す宮本一希容疑者

そして、倒れた叔母に成り代わって家業の不動産会社代表取締役に就任した宮本容疑者が資産を食い潰しながら贅沢三昧の遊びに呆けていたのは既報の通りだ。
叔母の元夫は「集英社オンライン」の取材に悔しそうにこう答えた。

「20年以上前に事情があって離婚しましたが、不仲になったとかではなく、今でも本当に尊敬できる女性です。最後に会ったのは7年ぐらい前のことです。たまたま街でばったり顔を合わせて『この間、トライアスロンをやってきたの』と真っ黒に日焼けした表情はとても元気そうでした。だから、余計に信じられない。頭が痛くなって病院に行き、そこから昏睡状態になったと聞いています」

宮本容疑者とは中学生以来会っていないが、子供の頃からおっとりした性格だったという。

「一希君は普通の子なんだけどおっとりしていて、ちょっと抜けたところもあった。僕ら夫婦も『バカズキ』なんて茶化して呼んでいたこともありました。元妻は父親が大きくしてきた不動産の家業をとにかく守りたい一心で仕事に打ち込んできたので、報道されているような散財を一希くんがすることは絶対許さなかったでしょう。僕が彼女と一緒にいて、そういう散財を目にしていたら、二人で『あかんぞーバカズキ』と叱っていたと思います。今は許せないというより、悔しいという気持ちの方が強いです。とにかく彼女が元気になってくれないかと切に願っています」

ピース姿の宮本容疑者(フェイスブックより)

宮本家は資産家だが、暮らしぶりは豪奢ではなく、むしろ質素だったという。祖父の代から宮本家をよく知る不動産関係者が語る。

「お祖父さんは元々は銀行員をされていた、とても堅実な方です。昭和の時代に一代で不動産業で成功し、『事件屋』みたいな言い方をされる人もいますが、いろんな顔をお持ちの方でした。長身で実力者ならではの押し出しの強さはありましたが、強面とか怖いという印象はありません。一方でご家族に対してはとても優しく大事にしていて、よく『美味しいものを食べに行こう』と奥様やお子さんを連れ立っていました。そういう時に出かけるのも、カウンターしかないようなごく普通の居酒屋で、数千円で済むレベルでした。車は確かにベンツに乗っていましたが、それも『安全だから』というのが理由でした」

父が遺体で見つかったマンションを転売

祖父は質素だったが、プライドは高かった。不動産関係者が続ける。

「そもそも奥様のご実家が京都でも有名な大手の不動産屋さんで、お祖父さんは銀行員として出入りしていたところ『お前できるなあ。うちの娘と結婚しろ』と半ば強引に婿入りさせられ、不動産業にも足を突っ込んだ。ただ、もともと資産家でないこともあり、家族の中では悔しい思いをしたこともあったようです。それで会社を辞めて家を飛び出し、奥さんと二人で借家で生活を始めた。お祖父さんは必死で働き、奥さんも内職しながらそれを支えた」

二人の娘たる叔母は、その姿をずっと見て育ったため、必要以上の贅沢を嫌い「受け継いだ資産をきちっと守って代々受け継いでいくことが私の役目なんだ」と普段から親しい人たちに打ち明けていたそうだ。

宮本容疑者が経営していたお茶屋「弘庵」(撮影・集英社オンライン)

一方の息子(一希の父親)は父の資産を目当てに近寄ってくる連中に儲け話を持ちかけられては騙されるようなことを繰り返し、創業者の信を失った。

「お祖父さんは『息子に継がすと全部なくしてしまう。あいつにはある程度の額だけ残しておけばいいから』と娘を信頼し、2007年に亡くなったあとは不動産会社を娘に引き継いだ。すると、インバウンド需要の高まりとホテル不足に目を付け、不動産取引を繰り返して、お嬢さんは大きな利益を出した。子供がおらず、小さいころから可愛がっていた甥の一希くんにお茶屋をやらせたのもお嬢さんの才覚だし、『弘庵』という屋号も、お祖父さんの名前から一文字拝借するなど、創業者に対する敬愛の念が込められています」(前出・不動産関係者)

しかし、しっかり者の女性後継者は突然倒れ、動けなくなり、しゃべることも意志を伝えることもできなくなった。それから半年も経たないうちに宮本容疑者は、父が遺体で見つかった叔母名義のマンションの一室を購入して転売、家業の不動産会社の代表取締役に就任した。
こうした経緯を証言できる者は、もはやいない。
古都で何不自由なく育ったであろう宮本容疑者の闇は深まるばかりだ。


※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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