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戸田奈津子が「吹き替えなんて許せない!」と言い切る真のスーパースター、ゲイリー・クーパー。西部劇というジャンルを確立させた立役者

集英社オンライン / 2023年6月3日 10時0分

六本木のクラブに出かけて朝帰り、インタビュー中はソファで居眠り…でも憎めない。戸田奈津子が見たブルース・ウィリスの愛すべき素顔〉から続く

字幕翻訳の第一人者・戸田奈津子さんは、学生時代から熱心に劇場通いをしてきた生粋の映画好き。彼女が愛してきたスターや監督の見るべき1本を、長場雄さんの作品付きで紹介する。

吹き替えなんて許せない

彼の映画を見て育ったと言ってもいいくらい、私の学生時代を代表する本物のスーパースター! “アメリカの良心”を具象化していた男優です。

私は特に彼の声が好きでした(吹き替えなんて許せない!)。終始善人役で、悪役を演じたことはまずないと思います。

マレーネ・ディートリッヒと共演した『モロッコ』(1930)で世界的スターになった人だけど、さすがに私はまだ生まれていないので、そのデビューの衝撃は知りません(笑)。



夢中になって見始めたのは『誰が為に鐘は鳴る』(1943)『摩天楼』(1949)それから『真昼の決闘』(1952)。続いてオードリー・ヘプバーンと共演した『昼下がりの情事』(1957)。私のご贔屓となったアンソニー・パーキンスと共演の『友情ある説得』(1956)も大好きな作品でした。

戦争映画からロマコメ、ホームドラマまで幅広い役を演じたスターですが、ゲイリー・クーパーといえばやっぱり西部劇。中でもグレース・ケリーと共演した『真昼の決闘』は名作です。

町を代表してたったひとりで悪と戦う一匹狼を演じていて、主題歌も大ヒットしました。西部劇といえばジョン・ウェインも一方の雄ですが、クーパーの方が知的でエレガント。西部劇というジャンルを確立した立役者です。

『真昼の決闘』(1952) High Noon 上映時間:1時間25分/アメリカ

西部の小さな町ハドリーヴィルの連邦保安官ウィル・ケイン(ゲイリー・クーパー)はエミイ(グレース・ケリー)と結婚式を挙げ、退官して街を出ていくことが決まっていた。ところがその日、ケインが以前逮捕したフランク・ミラーが釈放され、正午の列車でハドリーヴィルに到着する知らせが舞い込む。ミラーは仲間3人とともに、ケインに復讐するつもりだった。ケインは仲間集めに奔走するものの、怖気づいて誰も協力者が集まらず、たったひとりでフランク・ミラーに立ち向かうことになる。

ゲイリー・クーパー

1901年5月7日生まれ、アメリカ・モンタナ州ヘレナ出身。1924年頃から西部劇のエキストラ出演を始め、1926年に『夢想の楽園』で本格的に映画デビュー。1929年に『バージニアン』で西部劇スターとしての地位を確立し、『モロッコ』(1930)で世界的スターに。1941年に『ヨーク軍曹』でアカデミー主演男優賞を受賞。1952年に『真昼の決闘』で2度目の受賞をした。主な出演作は『オペラハット』(1936)『打撃王』(1942)『誰が為に鐘は鳴る』(1943)『摩天楼』(1949)『友情ある説得』(1956)『昼下がりの情事』(1957)など。1961年逝去。

語り/戸田奈津子 アートワーク/長場雄 文/松山梢

ブラッド・ピットやベン・アフレックと浮き名を流した恋多き女、グウィネス・パルトロウ。戸田奈津子「恋に落ちたシェイクスピアは日本の時代劇も真似して欲しいオシャレで素敵な一作です」〉へ続く

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