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60歳になる前に総点検。人気スタイリストが教える、新しい自分になるためにサヨナラすべき服たちはこれ!

集英社オンライン / 2023年6月7日 11時1分

コロナ禍で出歩く機会が減り、その間に持っている洋服が似合わなくなったと感じている人は多いはず。全ての中高年女性たちへのメッセージを綴った『50歳、おしゃれ元年。』から10年。自身も還暦を越えた、人気スタイリスト・地曳いく子氏が綴ったOver60のおしゃれ論『60歳は人生の衣替え』より一部を抜粋、編集してお届けする。

さよならすべき服はこれ !

私は以前、『50歳、おしゃれ元年。』(集英社刊)、『服を買うなら、捨てなさい』(宝島社刊)という本の中で、「自分を素敵に見せる服だけを残して、あとは捨ててください」とお伝えしてきました。

ですが還暦を越えて、その基準を更新するときが来た! と思っています。

いろいろなところにガタが来始めた私たち、年齢にあらがってもしょうがないし、頑張っても疲れるだけです。ですからそこは潔く受け入れ、「今の自分」がいちばんアガる服だけを着る。それが何より大事だと思うのです。



ただでさえ落ちがちな気持ちを、服の力で上げていく。還暦をすぎたら、今まで以上にその観点が必要だと思います。

そこでまずやるべきことはクロゼットの総点検です。私たちのクロゼットには、長い年月のうちに地層のように積み重なった服がたっぷり詰め込まれています。

それを一度すべて引っ張り出して、白日の下に晒す! そして、見るだけではなく、一度全部着てみるのです。

一気にやるのはしんどいですから、少しずつでもかまいません。そのシーズンの服を、とにかく一度着てみてください。

袖を通して初めてわかることが必ずあります。数が多くて大変だと思いますが、これからの人生を快適に、楽しく過ごすためにぜひ一度この作業をやってみましょう。

そうすると、もう必要なくなった服が、はっきりとわかってきます。


処分すべきアイテム①

サイズが合わない、痛い、きつくて着られないアイテム

これは言うまでもありませんね。若いうちは「おしゃれは我慢」でいけたかもしれませんが、還暦すぎたらもう、我慢してまでおしゃれする必要なんかありません。

体がつらい服や靴やアクセサリーは、即さよならすべきです。捨てるか、リサイクルショップに出すか、もらってくれる方がいたら差し上げましょう。


処分すべきアイテム②

劣化している靴や服

「この靴は履きやすいから」と長い間とってあった靴が、久しぶりに履いてみたらなんだか 硬くて履きづらくなっていたり、ソールが剝がれてきてしまった……といった経験のある 方もいると思います。

私たちくらいの年になると、5年前のことを去年くらいに感じることありませんか?時間は確実に流れている。カバーをかけたままの服、靴箱で眠っていた靴も、物言わぬまま年を重ね、静かに劣化しているのです。

ストレッチ素材やゴムが入っているものはとくに要注意です。見た目ではわからなくても、実際着てみると、劣化していて機能が果たせなくなっていることもあります。

「いつか着よう」「いつか履こう」と思っていたそのアイテム、本当に今も着られるでしょうか? 知らないうちに穴が開いていたり、黄ばんでいたり、カビが生えていたり……。

思いあたるものがあったら、さっそく身につけてチェックしてみましょう。

処分すべきアイテム③

着られるけれど、ピンとこない服

物理的に無理な服はわかりやすいのですが、何よりやっかいなのは、どこか変、なんだかおかしいな、と感じる服です。「昔すごく似合った服」「褒められた服」などの得意アイテム、まだクロゼットに大事にとってありませんか?

そういった服に袖をぜひ通してみてください。するとあら不思議。あんなに似合っていてイケていたはずの服が、「なんだかへんてこ」になっていることが多いはずです。

理由は二つあります。一つは、そのアイテムが、 「当時かっこよかった」アイテムだから。私たちは、自分でも意識せずに「時代」というメガネをかけて物事を見ています。生地の分量、質感、全体のシルエットなど、時代はディテールに宿っています。

ですから、当時の空気感の中ではかっこよく見えても、今の時代のメガネをかけて見ると、「なんでこれをいいと感じたのかしら?」と思うくらい、へんてこに見えるのです。

もう一つの理由は、私たちの体型が変わったから。体の肉づきが変わり、服の生地がのる場所や分量が違ってきたので、「あの頃」と同じシルエットでは着られなくなっているからです。「なんだか今日は気分が晴れないわ」と感じたときは、もしかしたら着ている服が原因かもしれません。

気分は正直です。こういった服も処分しましょう。


処分すべきアイテム④

30代、40代の頃に買った服

金銭的にゆとりが生まれ、贅沢ができるようになった30代、40代の頃、ファッションで私たちが目指していたのは、「大人に見える」ということでした。その頃の私たちがこぞって買ったのが、上質でコンサバな、ベーシックな服。

一生ものだと思ってハイブランドのシンプルなカシミアコートやニットを、「清水買い」した方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ところが、実際に立派な大人(笑)になった私たちが今、そういった服を着るとどうなるかというと、「大人に見える」のではなく「BBAに見える」。若い子が昔のコンサバで上質な服を着るとかっこよく見えるのに、本当の大人が着ると、ただのババくさいおばさんになってしまうのです。

そして困ったことに、そういった服は、ものがいいだけにほとんど劣化もしていないし、大枚をはたいた記憶があるのでなかなか捨てられない。

でも今、その服を着たいと思いますか?気分が上がりますか?

おそらく、その服が再びあなたを輝かせてくれることはありません。はい、これもリサイクルショップへ。若い子がきっとかっこよく着てくれるはずです。

迷ったときには「10年後着るかどうか?」で判断する

クロゼットの中のあの服この服。ここまできたらかなり整理されてきたのではないかと思いますが、捨てるべきかとっておくべきか迷ってしまう服もあると思います。

そんなときは、「10年後、この服を着るだろうか?」と考えてみましょう。

あなたがもし48歳なら、10年後は58歳ですから、まだ体力もあり、着るシーンがあるかもしれません。でもたとえば私の場合、今63歳ですから、10年後は73歳 。

「73歳でこの服を着るだろうか?」と考えると、今捨てるか迷っている大半の服は「着ない」と判断できます。10年後を正確に想像するのは難しいですが、10年もたったら、そのときにはもっと違うものを着たくなっているんじゃないでしょうか?

40代の10年後と、60代の10年後は、同じ10年でもまったく違うのです。これからの10年、似合わないものを無理やり着るよりは、そのときそのときで似合う、気分を上げてくれる服を着たほうがずっといい。

年を重ねると、確かに似合うものは減ってくるかもしれません。でもそのぶん、自分がアガることだけを追求していけばいいので、服は選びやすくなってくるはずです。


文/地曳いく子 写真/shutterstock

60歳は人生の衣替え

地曳 いく子

5月10日発売

1540円(税込)

176ページ

ISBN:

978-4-08-781739-3

全ての中高年女性たちへのメッセージ『50歳、おしゃれ元年。』から10年。自身も還暦を越えた、人気スタイリストが語りつくす、Over60のおしゃれ論!

「季節が移り変わるように、人生も夏から秋、秋から冬と移り変わっていくのではないでしょうか。季節の移り変わりに逆らうことはできないように、いくら嘆いてみても人生の季節に逆らうことはできません。──中略──
季節が変わったら何をすればよいのでしょう? それは、衣替えです」(はじめにより)

【目次より】
第1章
「今」を生きるおしゃれをしよう
人生の衣替え4カ条
今こそクロゼット総点検。さよならすべき服はこれ!

第2章
昭和のおしゃれルールが抜けきらない人への処方箋
「盛る」よりも「抜く」のが令和流
かつての鉄板アイテム、白いTシャツとシャツにさよならを
バッグの詰め込みすぎには注意しましょう

第3章
おしゃれ心がダダ下がってしまった人への処方箋
ベーシックアイテムこそアップデートする
ワンシーズンに一つだけ、トレンド・リハビリアイテムを投入
Over60の出直しアイテム「進化系ジャケット」

第4章
Over60のおしゃれとお金を考える
おしゃれに使っていた財力は別のところに
「あったら便利」はなくていい
まとめ買い・2色買いも卒業しました

第5章
Over60の、持続可能な簡単おしゃれテクニック
パッと着っぱなしはご法度! ひと手間で見違えます
店員さんの「大丈夫!」は大丈夫ではありません
試着の鉄則「デニムに合いますよ」には要注意

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