5月12日、バラエティ番組『それSnow Manにやらせてください』(TBS)でSnow Man岩本照(30)がプロレスに挑戦する様子が放送された。
岩本といえばジャニーズきってのマッチョとして知られており、同番組でも過去に遠洋漁業に挑戦して110キロのマグロを運ぶなど、体を張った企画にチャレンジしてきた。今回の撮影に全面協力したのはDDTプロレスリングだ。
和泉元彌、泰葉からSnow Man岩本、フワちゃんにクロちゃんまで。“やらかし”の禊だったプロレス参戦が、旬タレントの爽やかな挑戦に変わった理由
集英社オンライン / 2023年6月2日 11時1分
芸能界の第一線で活躍するスターたちがプロレスに挑戦する企画が相次いでいる。フワちゃんの女子プロレスデビューに続き、今度はSnow Man岩本照が冠番組でリングに立った。芸能人のプロレス挑戦は以前から存在していたが、近年はますます勢いを増している。その背景には何があるのか――。
Snowman岩本のスター性
番組でプロレスに挑戦した岩本
キャンプ場や商店街などで戦う「路上プロレス」シリーズや身長120cm体重400gの“バトルドール”ヨシヒコとの試合など、型破りな興行でプロレス業界内外を沸かせてきた団体だ。同団体を傘下に持つ株式会社CyberFightの代表取締役兼レスラーである高木三四郎氏(53)と、番組内で岩本とタッグを組んで試合に臨んだ取締役副社長・彰人選手(36)に話を聞いた。
「撮影にあたって、面接から試合までは時間がない中、岩本さんは試合としてしっかり成立させてしまった。それはすごかったですね」(彰人)
番組では、岩本がリングイン後にバク宙を披露する様子に、解説の武藤敬司も「さすがに肝が座っている」「スター性を感じる」と太鼓判。試合が始まると、DDTのスター選手HARASHIMAと逆水平チョップのやり合いやバク転からのドロップキックも放った。
最後はボディスラムからの3カウントで敗北してしまったが、倒されるたびに立ち上がろうとする姿は会場に集っていたプロレスファンから大きな歓声を集めていた。
「『アクロバットやダンススキルを活かした技を入れるのはどうですか?』って、すごくふわっとしたことを伝えたんですよ。それを試しにやってみてもらったら、見事にアドリブでひとつの技として仕上げてしまった。打撃技もしっかりハマっていましたね。全方向から見られることに慣れている方だけに、見せることに長けているんだと感じました。所作も非常に綺麗で、プロレス適性が高かったです」(高木)
女子プロレス大賞まで受賞した愛川ゆず季
実は近年、芸能界の第一線で活躍するタレント・俳優がプロレスに挑戦する企画は増えつつある。ことに大きな話題になったのはフワちゃんだ。「プロレスがしたい」という本人の要望を発端に、5カ月あまりにわたって練習を重ね、女子プロレス団体・スターダムのリングで見事デビューを果たした。
そのデビュー戦までを追った『行列のできる相談所』(日テレ/2022年10月30日)は、バラエティ的なおふざけは一切なしで真剣にプロレスに向き合う姿が日頃、プロレスを見ない層にも響き、大きな反響を呼んだ。好評を受けて、4月にはデビュー2戦目の様子も放送されている。
「かつては芸能人のプロレスデビューといえば、スキャンダルなどで“お騒がせ”した人が挑戦するものというイメージが色濃かったと思います。おそらくその源流は、2000年代前半のファイティングオペラ・ハッスルでしょう。
お家騒動があった和泉元彌さんや離婚騒動後の泰葉さんなどがリングに上がり、話題をもたらしてきました。どちらかというと、しくじってしまった人がリングに上がることで起死回生を図るストーリーとして見せる意味合いが強かった」(プロレスライター)
だが、その流れは2010年代以降、徐々に変化していく。
「女性芸能人がプロレスに挑戦する流れが盛り上がってきたんです。2010年には当時グラビアアイドルとして人気を博していた愛川ゆず季がスターダムでリングデビューし、2度にわたって女子プロレス大賞を受賞する活躍を見せています。
2011年には元プロボクサー・赤井英和の娘でタレント・モデルの赤井沙希がドラマでレスラー役を演じたのをきっかけにリングデビュー。現在もDDTで活躍しています。そして2017年にはAKB48がドラマ『豆腐プロレス』と合わせて実際の大会を開催するまでに至りました。
この背景には、プロレス人気が復活し、“プ女子”という言葉が広がってプロレスのイメージ自体が変わっていったことも大いに影響していると考えられます」(同)
売れっ子タレントと名レスラーの共通点
『それスノ』のみならず、これまで数多くの番組企画に協力してきた高木社長は「芸能界で活躍している方は、基本的にプロレス適性が高い」と分析する。
「僕らプロレスラーは試合で相手に殴られたとき、一瞬で『どうやって倒れようか』と考えるんですね。もちろんそんな余裕がないまま倒れることもありますけど、お客さんと対戦相手の両方をどう“騙す”かを常に考えていないといけない。
バラエティの世界も、何か振られたときにすぐ反応する瞬発力や、自分の見られ方を考えることが非常に大切ですよね。そこで日々戦って生き残っている人たちは当然、ものすごく勘がいい。それこそフワちゃんが司会者からの無茶振りに応える姿をテレビで見ていて『絶対プロレスに向いている、やってみてほしい』と思っていたんですよ。スターダムさんに見事な形で先を越されて、『やられた!』と(笑)」(高木)
実際、過去にDDTの練習を見学に来たある人気女性タレントに、試しに受け身やロープワークをやってみてもらったところ、少し教えただけですぐにできてしまう飲み込みの速さに驚いたという。
「バラエティもお芝居もそうだと思いますが、見られることに長けている人は自分の中に哲学があるんだと思います。それは僕らも同じで、名レスラーほど自分の哲学をしっかり持っている。そういう部分は共通している気がします」(高木)
なお、DDTとその系列団体のリングにはこれまで多くの芸能人が上がっている。SKE48・荒井優希や元LinQ・伊藤麻希が現在も継続的に参戦しているほか、過去にはLiLiCoや安田大サーカス・クロちゃん、坂口憲二、BiSなどが登場してきた。
「仕事や人付き合いを通じて接点ができた方を積極的にスカウトしています。ほとんどの場合『いや、無理ですよ』と言われるんですが、そういうときは『大丈夫です、誰でもできます』って口説くんですね。
プロレス界には申し訳ないな、と思いつつ……。もちろんプロレスラーというのは選ばれし人しかできない職業だと考えています。でもそれでいうなら、芸能人として活躍している時点で“選ばれた”存在だと思うんです。『DDTはタレントばっかりリングに上げやがって』と批判されることも多いんですが、いやいや違うぞと。スポーツ経験者がゼロからプロレスを始めるより最初からはるかに上手なんですよ」(高木)
レスラーたちを唸らせた岩本のマイクパフォーマンス
「僕らは以前からいろんな業種の方とコラボしてきたので、他団体に比べてタレントさんにプロレスを教えるノウハウが確立されているというのはあると思います。だからこそ『誰でもできる』といえる。
他の団体さんだと、数時間で試合までさせるのはなかなか難しいんじゃないかと思います。それに、素人の方が相手でもちゃんとひとつの見世物として試合を成立させられるのが僕たちプロレスラーですから」(彰人)
そう自負する彰人選手だが、実は今回、岩本とともにリングに立って最も驚いたのは、ある場面での反応だったという。
「最後にマイクパフォーマンスを振った際も、すぐさま的を射た言葉をちょうどいい尺で返してくれて、本当に驚きました。一流のエンターテイナーが持つセンスと力をあらためて感じさせられましたね」(彰人)
放送後は「感動した!」「本気の姿がかっこいい」「プロレス初めて見たけど、素敵だった」といった反応がネット上にあふれた。
そして番組内で、DDTが“岩本選手”に下したファイトマネーの査定額は「3000万円」。
「あれは本当にリアルな金額を出しました。僕らが持っていないレベルの人気があって、それこそデビュー戦でもある程度の会場は埋まるはずです。そういう方にチャレンジしてもらえるのはプロレス界にとってめちゃくちゃいいことなので、できるものなら本当にこれからもやってほしいなと思ってます」(彰人)
「こういう企画はプロレスの可能性を広げるチャンスですから、今後もぜひ続いていってほしいですね」(高木)
再び熱い戦いを繰り広げる姿に期待すると共に、さらなる意外な芸能人がリングに立って見るものを驚かせてほしいものだ。
取材・構成・写真=斎藤岬
■番組
『それSnow Manにやらせてください』
https://tver.jp/episodes/ep1x2p3zc4
■大会情報
『What are you doing 2023』
東京・後楽園ホールにて 6月25日(日)開催
https://www.ddtpro.com/schedules/19386
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