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「大谷はプレーヤーとして、尊敬してやまない」というエ軍”第二のショーヘイ” ブレット・フィリップス。実は元日ハムのヒルマン娘婿だった

集英社オンライン / 2023年6月16日 12時1分

試合での活躍はもちろんだが、ベンチでのチームメイトとのやり取りもしばしば取り上げられる大谷翔平。大谷と仲よしなメンバーとのエピソードを『もっと知りたい! 大谷翔平: SHO-TIME観戦ガイド』 (小学館新書)から一部抜粋・再構成してお届けする。

ロン毛・ロン髭のマーシュ

さて、大谷さんの仲良しメンバーとして、2022年シーズンに大きなインパクトを残した選手がいます。なが~いお髭とロングヘアーが否が応でも目に留まるブランドン・マーシュです。

MLBデビューは2021年で、2年目のシーズンで外野手のレギュラーに定着しました。その風貌とは裏腹に気のいい好青年で、日本のメディアの取材にもよく応じてくれました。日本のファンの間でもマーシュがヒットを打つと「打ちマーシュ!」、外野でファインプレーをすると「捕りマーシュ!」という言葉が生まれるほど愛された人気者でした。



エンゼルスでは2022年シーズン、ホームランを放った後にカウボーイハットをかぶる儀式が定着しましたが、ある日、ホームランを打った大谷さんにマーシュがカウボーイハットをかぶらせようとした時のこと、「僕がかぶらせようとしたら、彼がジャンプして入ってきた。まるで〝ポン〟って音がするような感じでね。理由は分からないけど、面白かったよ」と、うれしそうに語っていました。ちなみに、2023年シーズンはカウボーイハットが日本の兜に変わり、話題になりましたね。

クラブハウスでも冗談を言い合う仲良しだったマーシュは、他の同僚たちと同様、大谷さんにからかわれたことがあるようです。

「僕が確か、試合で2三振してね。彼は3三振で、そしたら、ちょっといじってくるような感じで『僕に(打撃を)教えてよ』って。僕はこう言ったよ。『ショー、君はクレイジーだ』ってね」

大谷翔平は「スーパープロフェッショナルだ」

2022年8月初旬のトレード期限直前にフィリーズ移籍が決まり、エンゼルスを去りましたが、マーシュは、同じ左打者として大谷さんをずっとお手本にしていました。

「ある状況で何を考えているか。そういうことも学んで、情報を得て、自分に生かしたかったんだ」

試合に臨むまでの準備、打席でのアプローチ、考え方を吸収しようと、プレーをよく観察していたそうです。トレードが成立してエンゼルスを去る時も、「彼はスーパープロフェッショナル。失敗や成功との向き合い方とか、全てに注目していた。見ていて、楽しかった」と名残惜しそうにコメントしました。

フィリーズ移籍でマーシュがチームを去る際、大谷さんは大切な元同僚に「心の底から応援しているので、結果を出してポストシーズン頑張って欲しい」とエールを送りました。その願いが届いたかのように、マーシュはフィリーズで活躍し、なんとワールドシリーズに進出しました。惜しくも世界一はなりませんでしたが、エンゼルスで大谷さんから学んだことは、きっと生きたはずです。

大谷さんの愉快な仲間「イカちゃん」ベラスケス

もう1人、大谷さんの愉快な仲間として挙げたい選手が、アンドリュー・ベラスケス内野手です。フレッチャーと同様、同じ1994年生まれで、デビューも同じ2018年。エンゼルスには、2022年から加入しました。

チーム内では、守備範囲の広さから「Squid(スクイッド)=イカ」とニックネームをつけられていて、大谷さんからは「イカちゃん」と呼ばれています。投手大谷さんを好プレーで何度も助けてきたベラスケスは、投打のスター選手を引き合いに出して、大谷さんの二刀流のパフォーマンスを称賛しています。

「これが当然のことと思わないようにしている」

「彼がやっていることを毎日見られて、いち野球ファンとして信じられない。試合に向けて、投打の両方でしっかり準備をしていることは本当に素晴らしい。これが当然なことと思わないようにしている。誰もできないこと。これからも、誰もできないかもしれない。偉大さで言えば、ジャッジとコールを融合したような感じだね」

ヤンキースを投打で引っ張る両選手。ジャッジは2022年にア・リーグMVPに輝き、コールは257奪三振でタイトルを獲得しました。ベラスケスはその前年の2021年シーズンにヤンキースでプレーしており、両選手を知っているだけに、名門球団を代表する投打のスター選手と大谷さんを重ね合わせたのかもしれません。

ちなみにベラスケスは、ヤンキースが本拠地とするニューヨーク生まれで、お父様はニューヨーク警察で働いていたそうです。人が良さそうな、優しい雰囲気を醸し出すベラスケス。父は犯罪から人を守り、息子は守備職人としてチームを守る。2022年はシーズン終盤に膝をケガして離脱、2023年は開幕からマイナー落ちしていますが、二遊間のセンターラインは守備面で非常に重要なポジションですから、今後も大谷さんの助けになってくれるように復活を期待したいところです。

「アメリカン・オオタニ」フィリップス

最後に、2023年から新たにチームメイトになった選手として、「アメリカン・オオタニ」を自称するブレット・フィリップスを紹介せずにはいられません。

レギュラーではなく、故障者や主力の休養日に出場するサブメンバーとして期待されるいわば第4の外野手です。ノリがよく、明るいムードメーカーでもあるフィリップスですが、なぜ「僕がアメリカバージョンのオオタニ」と自称しているのでしょうか。

2021年7月2日のロイヤルズ戦、当時フィリップスが在籍していたタンパベイ・レイズが大差の展開で負けていたため、リリーフ投手を休ませる意味でフィリップスが8回に1イニングだけ登板し、“投手デビュー”を果たしました。1球だけ94.3マイル(約152キロ)をマークしましたが、ほとんどが70~80キロ前後のゆるい山なりのボール。わざとなのか、ちょっぴり変な投球フォームでファンを笑わせるパフォーマンスを披露し、SNS上で話題になりました。

2022年シーズンはエンゼルス戦でも”登板”。右打者のアンソニー・レンドンが、あえて左打席に立ち、フィリップスから左打席でホームランを打つ〝神プレー〟が誕生しました。

びっくり仰天の自称・二刀流は本家の二刀流・大谷さんとも対戦。ホームランは打たれませんでしたが、あっさり右翼フェンス直撃の二塁打を浴びました。“投手成績”は過去4試合で5イニング、11安打、ホームラン3本、9失点で防御率は16.20と散々な結果でした。

ちなみに、フィリップスは2015年の国際大会「プレミア12」にアメリカ代表としてプレーし、来日経験があります。また、かつて日本ハムの監督を務め、現在はコンサルタント契約を交わしているトレイ・ヒルマン氏は、義父の関係です。「僕の妻(ヒルマン氏の娘)が5年間日本に住んでいてね。どれだけ彼女が日本を好きでいるか、いつもそういう話題があがるんだ」と笑顔で明かしてくれました。

もちろん元祖二刀流・大谷さんのことはリスペクトしていて「彼がやっていることは信じられない。メジャーリーグに来て、投げて、打って。それが実際にどれだけ難しいことなのか。考えられない。プレーヤーとして、尊敬してやまない」と言っています。

チームメイトがホームランを打つと、2023年のホームランセレブレーションの兜をいち早く持ち出してベンチ前で待ちかまえるお祭り男のフィリップス。球場を活気づけるエンターテイナーはエンゼルスをきっと盛り上げてくれるでしょう。

『もっと知りたい! 大谷翔平: SHO-TIME観戦ガイド』 (小学館新書)

福島 良一

2023年6月1日

990円

192ページ

ISBN:

978-4098254507

お茶の間TV観戦が10倍おもしろくなる!

2023年3月のWBCで日本を世界一に導き
大会MVPを獲得する大車輪の活躍をした大谷翔平。

2023年シーズンのMLBも開幕から投打に好調な滑り出しを見せて、
2021年シーズン以来2度目のア・リーグMVP獲得にも期待がかかる。

規格外の活躍をもっと楽しむために知っておきたい
更新の可能性のある歴史的な記録とMLBの強力なライバルたち。

エンゼルスのベンチ裏秘話や現地発の愛されエピソードなど、
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大リーグ評論家の著者が詳しく解説。

大谷翔平ファン必読の一冊!

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