国際協力NGOジョイセフ(以下、ジョイセフ)は、2004年からランドセルの寄付活動「思い出のランドセルギフト」をスタートさせた。年間1万個以上のランドセルを、アフガニスタンのナンガハール州の学校に通う子どもたちに届けている。
ジョイセフのパートナーシップグループで支援者サポートを担当する佐藤幸子さんは、ランドセル寄付の目的についてこう語る。
「現地の子どもたち、特に女の子たちの就学機会を増やすという目的をもって活動しています。アフガニスタンでは、成人女性の識字率が低いことが問題になっていますが、文字を読めなければ必要な情報を得られず、自分の身体や健康を守ることもできません」
寄付で集まったランドセルは男女平等に子どもたちに配付される。男の子も女の子も同じようにランドセルを背負って学校へ行く姿を地域の人々に見せることで、「女の子も学校に行っていいんだ」という意識を醸成することも狙いの一つだという。
「ランドセルと一緒に感染症予防のための手洗いの仕方を記したリーフレットを配るなど、ランドセルを配付すると同時に、お母さんたちへの情報提供も行なっています。文字が読めないお母さんでもわかるよう、絵を使うなど工夫しているんですよ」
役目を終えたランドセルが、結果として、アフガニスタンで暮らす女性全体を守ることにもつながっているのだ。