1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. グルメ

“北海道VS北陸”ご当地回転寿司チェーンの東京バトル勃発中! 4時間待ちも続出の安くてウマい地方チェーン最強寿司はどっち!?

集英社オンライン / 2023年6月16日 10時1分

北海道のローカル回転寿司チェーンが都内にも進出し、行列ができるなど賑わいを見せている。対して、北陸発の回転寿司チェーンもすでに都内に姿を見せているが、一体どちらが勢いづいているのか? 回転寿司評論家の米川伸生氏に話を聞いた。

東京で北海道の海の幸が味わえる強み

東京では数多くの回転寿司チェーン店がしのぎを削っている。「スシロー」「くら寿司」「はま寿司」「かっぱ寿司」などの大手チェーンの存在感は大きいが、一方で地方発の回転寿司チェーンの台頭も見逃せない。

その代表格が北海道発の回転寿司チェーンだ。

現在、都内には「回転寿し トリトン」、「回転寿司 根室花まる」、「グルメ回転寿司 函太郎」の3チェーンが進出しており、都民や外国人観光客などから“本格的な北の味”が堪能できるとして絶大な人気だ。うに、いくら、甘えび、ホッキなど、北海道ならではの新鮮なネタが楽しめるのがウリとなっている。



トリトンは押上、池袋に出店。花まるはテーブル席のある店舗が銀座、丸の内にあり、ほかにも立ち食い店が都内に数店舗ある。函太郎は丸の内に店舗を構えている。コロナ禍で遠方への旅行があまりできなかったこともあり、観光気分で足を運ぶ人も少なくなかったようだ。

「旅行に行きづらかったコロナ禍では、特に都内の店舗にはお客が多く訪れていて、繫盛していましたね。北海道はやはり海の幸の宝庫として名高い地域ですので、北海道ブランドというだけで相当な集客力があるんです。特にトリトンは、都内で最も成功しているローカル回転寿司チェーンだと思います。

普通、北海道の回転寿司チェーン店は1皿当たりの値が張るものですが、東京のトリトンでは税込143円のお皿からあり、税込176円でかれいやトビッ子のお皿もあるなど、とてもリーズナブルな値段で提供しているんです。100円皿で人気を獲得していった大手回転寿司チェーンにも対抗できる価格設定と言えるでしょう。しかも、北海道チェーンの中でも先駆けて進出したので、後続のローカルチェーンもトリトンの価格設定を無視できなくなりました。

花まるも北海道民から愛されている人気のお店ですし、函太郎も函館を代表するお店であることから注目度は高めです。いずれのお店も美味しいのですが、それゆえに週末となるとどこも混雑するため、席に案内されるまでかなりの時間を待つ覚悟が必要かもしれませんね」

ためしに土曜日の午後16時ころに「回転寿し トリトン 池袋東武店」へと訪れたところ、4時間待ちというアナウンスがされた……。それだけ北海道の海の幸を味わいたい人が多いということだろう。

北陸発の回転寿司チェーンは高級志向

北海道発のローカルチェーンが隆盛を極めているなか、北陸の回転寿司チェーンの存在も見逃せない。

たとえば石川県金沢市を中心に展開している「金沢まいもん寿司」、「北陸金沢まわる寿し もりもり寿し」の2チェーンは代表的だ。まいもん寿司は渋谷、上野、三軒茶屋に出店。もりもり寿司は東久留米、調布に店舗を構えている。いずれもカニ、白えび、のどぐろなどのネタが人気だという。

「北陸発祥のローカルチェーンは、高くてもよいネタを出すというスタンスでして、一般的な回転寿司チェーンに比べると値段はお高め。1皿1000円を超えるネタもあり、ほかのチェーン店に比べると、同じぐらいの量を食べて会計が倍ぐらい違うなんてこともありえます。しかしその分、北陸ならではの旬なネタが味わえるので、普通の回転寿司や北海道発のチェーン店にもない魅力がたっぷりとあります。

都内では、まいもん寿司が最も勢いづいていると言えますね。東京都ではなくお隣の神奈川県になりますが、横浜にある『金沢まいもん寿司 たまプラーザ店』は、郊外にあるという利点から車で来るお客も多く、人気の店舗となっています。総じて北陸チェーンは北海道チェーンと差別化させる形で、リッチさ、華やかさで勝負している傾向にあると言えるでしょう」

北海道発と北陸発のローカルチェーン、どちらのシェアが高いのか気になるところだが、米川氏いわく「現状は北海道の優勢」だという。

「やはりトリトンの影響は絶大でして、北海道のネタを安く楽しめるという特徴は、多くのお客の舌を唸らせました。現状、“安くて旨い”を都内で一番体現しているローカルチェーンがトリトンでして、ハードルが段違いに低く、来店動機になりやすい。

“北海道”という文字だけで国内の客はもちろん、外国人観光客のインバウンド需要が圧倒的に高いので、そもそものターゲット規模自体がまるで異なってきます。

対して、北陸のほうは傾向として高級志向となっていますので、ファミリー層が行くとなると予算がどうしても潤沢に必要。たとえばですが、家族4人で行くならば、トリトンが4人でだいたい1万円~1万5000円ぐらいなのに対し、まいもん寿司だと2万円以上になることも珍しくはありません。

そもそもお店側としても、客単価を高く設定しており、完全に客層を限定して営業しているので、真正面から北海道チェーンとシェアを奪い合う方針ではないのでしょう。もちろん北陸のファンも多いのですが、都内だと知名度的にもシェア的にも北海道優勢の状況ですね」

現状の北海道チェーン勢が強すぎる?

都内における回転寿司のローカルチェーンは、トリトンをはじめとする北海道チェーンが優勢と言われている現状。そのため北陸のチェーンはおろか、まだ都内に出店していない北海道のチェーンも、東京進出が難しい状況になっているそうだ。

「『なごやか亭』、『回転寿司 まつりや』、『回転寿し 和楽』など北海道内で人気のあるチェーン店はたくさんありますが、トリトンや花まるのシェアを考慮すると東京進出はしないかと思われます。この2チェーンがすでに都内で牙城を築き上げていますので、仮に進出したとしてもシェアを奪えるかどうかは微妙なところだからです。

北陸も、もりもり寿司は、都内だとFC(フランチャイズ)展開ですから、大規模な展開をする気はないでしょう。まいもん寿司も今の勢力を保ち続けるでしょうから、今後もしばらくは東京進出済の北海道チェーンが優勢という状況は変わらないでしょうね」

北海道発、北陸発以外のローカル回転寿司チェーンの東京進出具合も気になるところである。

「たとえば丸の内には静岡発の『沼津魚がし鮨 流れ鮨』、二子玉川には九州発の『九州寿司 寿司虎』など多くの実力店が名を連ねています。地域性をウリにするチェーンはもちろん強いのですが、やはり寿司自体が抜群に美味しいお店が支持を集めていますね。

ただし地方では人気でも、都内ではからっきし……というケースもありえます。その地域でしか食べられないネタで地域性を出しつつ、全体の味のクオリティを高くしていけば、都内にも根付いていくはず。そうすれば東京の回転寿司業界はもっと盛り上がるでしょう。

いずれにしても北海道発や北陸発のチェーンが東京進出に成功しているとは言え、スシローやくら寿司といった大手チェーンに比べればまだまだ認知度が低いため、そもそもお店の名前を聞いてもピンと来ない人のほうが多いのではないでしょうか。
どれだけ美味しくてもまだ周知不足は否めませんので、これからどうやってPRして、どれだけ集客力を高められるかがカギとなることでしょう」

取材・文/文月/A4studio

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください