戦後の日本で戦争未亡人の売春が大流行したように、売春的な行為には貧しさが前提にある。社会が安定しているときに行われる売春は、過剰な消費や男に騙されたというような自己責任的な理由が増える。
逆に社会が不安定なときは、就業する女性や学生が生活のために従事する傾向がある。今の状況は圧倒的に後者である。今、風俗嬢に女子学生があまりに多い。仮にリアルなデータがとれれば衝撃的な結果となるはずだ。
男女関係なく、学生は親の協力や給付がなければ一勢に困窮状態となる。困窮する学生は空腹で飢えるわけでも、汚い服を着ているわけでも、スマホを持っていないわけでもない。その苦しさは可視化されない。
見えないので親の協力がある恵まれた学生や、大学関係者は身近な隣人の過酷な現実を理解できない。もうひとつ、風俗嬢は社会からの差別や偏見が強い職業なので閉鎖性が強いことも理由だ。誰もが人に隠しながら働いている。隠れて姿を見せない。
緊急事態宣言中の2021年2月、風俗関係者や現役学生、エンタメに強い担当編者などさまざまな協力の下で女子大生風俗嬢たちに会ってきた。今、日本でなにが起こっているのか?彼女たちの語りから見えてくるはずだ。