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中絶の99%が望まない妊娠による結果であり、その原因が男性の無責任な射精であるという衝撃の事実

集英社オンライン / 2023年7月20日 17時1分

男性は、ほんのわずかの気持ちよさの差のために、女性の人生を危険に晒す可能性がある!? ニューヨークタイムズ・ベストセラー選出の世界9か国で翻訳された話題本『射精責任』(太田出版)より一部抜粋してお届けする。

オーガズムと妊娠における男女差

男性にとって、オーガズムと射精は快感を伴う経験だと知られています。

実際には、この二つは別の機能がありますが(オーガズムを伴わない射精と、射精を伴わないオーガズムが存在します)、この二つは同時に起きることがほとんどですから、同じこととして扱ってしまいます。二つを意味の区別なく使います。男性がオーガズムを感じたと言っても、射精をしたと言っても、同じ意味として捉えます。



男性のオーガズム/射精は、体の中から精子を動かし、自分の体以外の場所に移動させることであり、オーガズム/射精が快感を伴う経験であることもあって、女性を妊娠させるのは楽しい経験だという議論に結びつけるのは簡単です。男性にとっては。

対照的に、女性は快楽なしで妊娠する可能性が大いにあるというのは、周知の事実です。セックスをしている男性と女性のケースで、女性が一切喜びを感じていないことがあります。オーガズムに達していないのに、それでも男性によって妊娠させられることがあります。合意に基づくセックスであっても、完全に受け身のときさえあります。

そこにただ横たわり、積極的でもなく、喜びも感じず、参加していない状態です。それでも、男性は女性を妊娠させることができます。女性が非常に強い痛みを感じているときでさえ、男性が女性を妊娠させることは可能なのです。女性のオーガズムやセックス中に快感を得ることは妊娠とは一切関係がありません。研究者が知る限り、女性のオーガズムは快楽のためだけに存在します。

世界でトップクラスにふしだらなビッチでも…

女性のオーガズムが精子を卵子に送り届けると言う人もいます。確かにそういう説もあるでしょうが、不確かですし、その説は覆されています。受精するには、男性がオーガズムを感じるのと同時に、あるいはその直後に、女性がオーガズムを感じなければならないという意味になりますが、数々の研究と事例証拠の両面から、それは一般的ではないことがわかっています。

卵子は女性のオーガズムなしで簡単に受精することが、科学的にも確実に立証されています。ですから、女性のオーガズムが生殖にとって重要だとする説は成り立ちません。

女性が快感を得ることとオーガズムを感じることは、決して妊娠の理由にはなりません。

もちろん、「女性を性的に奔放だと決めつける行為(スラット・シェイミング)」に夢中になっている人や、女性の性欲や「ふしだらな」行動が望まない妊娠を引き起こすと考えている人々には決して従いません。この意見には真っ向から立ち向かいましょう。

女性が快感を得ることと、オーガズムを感じることは、決して妊娠の理由にはならないと明記した意味は、女性が世界でトップクラスにふしだらなビッチであっても、問題はないということです。複数のパートナーと挿入を含むセックスをして、一日中、夜通しオーガズムを感じていたとしても、男性が女性の体内に無責任な射精をしない限り、決して望まない妊娠は起きません。

妊娠中絶の99%が望まない妊娠による結果

なぜ望まない妊娠の話をするのでしょうか?

なぜなら、妊娠中絶の99%が望まない妊娠による結果だからです。女性がセックスを楽しむことが、望まない妊娠の理由と妊娠中絶の理由にはならないと明確に理解する必要があります。なにが望まない妊娠と妊娠中絶の原因になるのでしょうか?

男性がセックスを楽しんで、無責任な射精をすることがその原因です。

※尿道球腺液、別名カウパー腺液にも精子が存在するため、快感やオーガズムなしでも男性は女性を妊娠させることができると言う人もいるでしょう。カウパー腺液はセックス中、射精/オーガズム前にペニスから排出される体液のことで、精子が混ざっていることがあるのです。
尿道球腺液、別名カウパー腺液にはどれぐらいの頻度で精子が存在するのでしょうか?
それは研究者にもわかっていないのです。2016年の調査によると、研究対象となった男性の17%のカウパー腺液に精子が確認されたそうです。しかし2021年の調査では結論に至りませんでした。非営利組織プランド・ペアレントフッドによると、完璧に行ったプルアウトメソッドは、96%の確立で避妊できるということです。
完璧にプルアウトするか、完璧ではない状態でプルアウトするかによって、カウパー腺液内の精子の量に差は出ないことから、その96%という数字は、カウパー腺液に精子が存在することは一般的ではなく、一般的だったとしても、カウパー腺液内の精子は受精に関して特に効力を発揮しないことを示唆するのです。
それでは、そもそもカウパー腺液に精子が存在する理由は何でしょう? 繰り返しになりますが、調査の結果は出ていません。しかし、射精の初期段階で精管に精子が漏れるという説が最も一般的です。カウパー腺液の精子のことが心配であれば、絶対にコンドームを使用しましょう(それに、コンドームは双方の性感染症の予防にもなりますから。セックスをする度に使うのは良いアイデアです)。カウパー腺液内が望まない妊娠の主な要因に決まってるって? それを裏付けるデータを見つけることができません。
射精直後の精子、あるいは射精前のカウパー腺液内に存在する精子であれ、精子は活発に動きまわります。それは男性が性的興奮を経験し、オーガズムを感じた、あるいは射精をしたからです。男性が快感を得ずに女性を妊娠させることはできないと結論づけることができます。


文/ガブリエル・スタンリー・ブレア 訳/村井 理子

射精責任

ガブリエル・ブレア (原著), 村井 理子 (翻訳), 齋藤 圭介 (解説)

2023/7/21

2,200円

216ページ

ISBN:

全米騒然
ニューヨークタイムズ・ベストセラー
世界9カ国で翻訳
刊行前からSNSで話題沸騰!

望まない妊娠は、セックスをするから起きるのではない。
女性が世界一ふしだらなビッチだったとしても、何の問題もない。

女性の50倍の生殖能力を持ち、
コンドームを着用したセックスは気持ち良くないという偏見に囚われ、
あらゆる避妊の責任を女性に押し付ける男性が、
無責任な射精をしたときのみ起きる。

望まない妊娠による中絶と避妊を根本から問い直す28個の提言。

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