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5本指ソックスも原因に! 痛くてクセになりやすい巻き爪、予防方法や対策はなにができる?

集英社オンライン / 2023年7月6日 16時1分

コロナ禍前のように、外出が増えてきた今日この頃。履き慣れない靴で歩き回っていたら、足指に痛みが生じていて、よく見ると爪が巻き爪になっていたということも。足の爪のトラブルで代表的な巻き爪について原因と対策を神楽坂 肌と爪のクリニック 院長の野田 弘二郎先生に解説いただいた。

足の爪のトラブル、ナンバーワンの巻き爪とは?

足の爪は身体の中ではごく小さな部分で、普段の生活ではあまり意識されないものです。
しかし足の先端にあって外力を受けやすく、またバランスを取る機能を持つことから、いったん痛みが出始めると、日々の一歩一歩が辛くなり、その大切さが実感されます。

足の爪のトラブルでご相談が多いのはなんといっても巻き爪です。



巻き爪とは、爪の端が内側に巻き込んでいている状態をいいます。足の親指に起こることが多いです。

巻き爪は痛みがないこともありますが、爪が皮膚を傷つけて炎症が起きると、歩行の度に爪で傷が刺激されることにより慢性化し、治りにくくなります。

また痛い指をかばって歩くうち、歩行のバランスが崩れ、膝痛や腰痛など広い範囲に問題を引き起こす可能性もあります。

巻き爪の原因は、さまざまですが、ご相談にみえる患者さんの中で一番多いのは、履物の爪への直接的な圧迫によるものです。

先の細い靴で圧迫されるのは理解しやすいと思うのですが、実はそれ以上によくないのがぴったりしたストッキング。穿くときに引き延ばしてフィットさせるので、穿いている間中じわじわと持続的に圧迫します。
爪はこうした持続的な圧迫に大変弱いのです。健康によいイメージのある5本指ソックスも意外にも巻き爪を作ってしまいます。

また、外反母趾があると親指の荷重バランスが崩れるため、巻き爪で痛みが出る方も多いです。

いずれも、狭いスペースに足が押し込められていることにより、爪が圧迫され続けてしまうことが原因で爪がくいこんでしまうのです。

こうした理由から巻き爪は女性からのご相談が多いのですが、全体としては、性別問わず10歳前後から高齢者まで広い年齢に見られます。

巻き爪の発症には履物の圧迫や社会的活動性が背景にあることが多いことから、コロナ渦が終息に向かい、以前の日常を取り戻しつつある状況で、患者さんが増えている傾向にあります。

ペディキュアは爪周辺の角質を取りすぎない

巻き爪と陥入爪(かんにゅうそう)の違いについて聞かれることがよくあります。陥入爪とは爪が皮膚を傷つけて炎症を起こした状態をいい、その原因は巻き爪とは限りません。

ただ、当院を受診される巻き爪の患者さんの多くが陥入爪の状態になってらっしゃいますし、逆に陥入爪の患者さんの多くは巻き爪が原因です。

つまり臨床現場では巻き爪≒陥入爪なのでこれらを厳密に区別する意義が薄いのです。
陥入爪は痛みが強く、歩行や靴選びに差し支えが出やすいものです。
そういうことにならないためにも、予防をしっかりしましょう。

巻き爪の予防は靴やストッキングによる圧迫を避けることが大切です。
靴はデザインと機能性のバランスを考え慎重に選びましょう。
治療により痛かった靴が履けるようになるのは嬉しいものですが、また靴で圧迫すれば容易に再発してしまいます。

足を履物に合わせるのではなく、履物のほうを足に合わせるという考えが大切なのは言うまでもありません。
お仕事によっては、ハイヒールやストッキングを履かなければならない方もいらっしゃいます。
そうした方は、休日や出勤の時には負担の少ない靴を履き、必要なときだけ履き替えるといった足へのいたわりも大切。夏場はサンダルやオープントゥの靴を選ぶといった工夫も有効です。

爪の切り方も注意が必要です。
巻き爪の人は痛さを軽減しようと、深爪にしてしまう傾向があります。
深爪だから巻き爪になるというより、巻き爪のため深爪してしまい、さらに悪化してしまうのです。

爪の切り方は、足の親指の場合、爪は長めにして、角は切らずに先端をまっすぐ切るスクエアカットをするようにしましょう。こうすることで深爪から陥入爪に発展するのを防ぐことができます。

また、よく聞かれるのはペディキュアやジェルネイルをしてもいいか?ということです。
ネイル自体は巻き爪であっても問題ないのですが、ネイリストが爪周辺の角質を取りすぎてしまうと痛みの原因にもなるので、気をつけましょう。

また、3Dネイルなど厚みが出るものは爪を圧迫するので避けてください。

巻き爪で痛みを伴う場合は早めに病院を受診しましょう。
できれば、爪の専門クリニックを受診いただくのがおすすめですが、近くにないようであれば、まず皮膚科を受診してください。

治療は受診先や症状によってさまざまですが、お薬やテーピング、手術や器具をつかった矯正法などがあります。
巻き爪を発症する背景にファッションや仕事、生活様式など、その方のライフスタイルがあり、これらは簡単には変えることができないため、どうしても再発傾向が高くなりがちです。

治療が終わっても、爪の切り方や履物の選び方を指導してもらって、しっかり再発対策をしましょう。

爪の痛みは放っておくと、高齢者では転倒の原因になり、骨折から寝たきりになってしまう場合がありますし、若い人でも、悪化して手術が必要になったり、腰痛の原因にもなったりします。
早めにクリニックを受診して、対策を医師に相談しましょう。

取材・文/百田なつき

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