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母は“ロマンポルノ界の聖子ちゃん”…作品を見て「カッコいい!」 行平あい佳の異色のキャリアと女優の遺伝子

集英社オンライン / 2023年7月21日 12時1分

映画『セフレの品格 初恋/決意』に主演した行平あい佳。「にっかつロマンポルノ」のレジェンド女優を母に持ち、自身は早稲田大学卒業後、助監督や絵コンテライターを経て女優になった。彼女のキャリアをたどっていく。

母の仕事を知らなかった子どものころ

行平あい佳の母は、1980年代初頭に「ロマンポルノ界の聖子ちゃん」と称され、セクシーアイドルのはしりとなった女優・寺島まゆみだ。

『あぶない刑事』や『火曜サスペンス劇場』などのドラマにも出演し、歌手やラジオDJとしても人気を博した。1989年に結婚し、1991年に行平を出産してからは、ほぼ育児に専念してきた。

「母は忙しかったと思いますが食事もちゃんと作ってくれましたし、私をきちんと育ててくれました。母から直接『私の職業は俳優でしたよ』と言われたことなくて、うっすら感じ始めたのは、小学生のとき。



再放送か何かを見たんですかね。『2時間ドラマ出てない? 出てるよね!?』みたいな(笑)。ロマンポルノを見始めたのは、大学生になってからです。『すごい作品に何本も呼んでもらえて、すごい! カッコいい!』って、尊敬の念が先に立ちました。

母と似ているところは……全然ないです。母は私よりだいぶ小柄ですし、顔のタイプも全然違う。キャラクターも違うんですよ。母はいつもあっけらかんとしていて元気。私は高校生のころから『未亡人』って言われてましたからね。17歳なのに『27歳の未亡人』って(笑)」

行平あい佳

幼いころから映画、ドラマ、アニメなどが好きで、「高校生のときには、何かしら映像に関わる仕事をしようと考えていた」という。そして早稲田大学入学後、映画サークルに入る。

「特に好きだったのは、大学2年生のときに見た『ツィゴイネルワイゼン』(1980年)。鈴木清順監督の画のキマり方がカッコよくて『これは映画でしかできない。総合芸術だ』と。

その後、大正浪漫3部作の『陽炎座』や『夢二』を見たり、清順監督のことを好きだと公言している韓国のパク・チャヌク監督(『オールド・ボーイ』『渇き』)の作品を見たり。

『セフレの品格』に入る前も、『お嬢さん』(2016年)を繰り返し見て、その繊細さやしなやかさに刺激を受けました。総合芸術点が高すぎる映画が好きです(笑)」

戻りたくはないけどやってよかった助監督

大学時代は自ら監督、主演で、自主映画も撮った。卒業後は就職せず、2年ほどフリーの助監督として活動。映画だけでなく、CMやミュージックビデオの現場にもついたという。

「低予算のインディペンデント映画が基本だったので、カチンコも打つし、お弁当の手配もする。だから私、ケータイにお弁当屋さんの電話番号がいっぱい入ってたんですよ。

戻りたいかと言われれば戻りたくはないですけど、助監督をやってよかったなとは思ってるんです。例えばオーディションは、会場のドアを開けた瞬間から、受かる人は受かるし、落ちる人は落ちるとわかる。だからオーディションで無駄な緊張をせずに済んでます。

あとは現場ではどこにいたら邪魔にならないかとか、今は何待ちの時間なのかとかもなんとなくわかるので、助かってますね。当時は忙しすぎて見られなかった現場を、今は少し客観的に見ることができる。より映画作りを楽しめている気がします」

もうひとつの職歴が、CMなどの「絵コンテライター」。もともと絵を描くことが好きだったという。

「絵コンテは10年くらい前から、今でも描かせてもらっています。私は誰かに学んだわけではなく、独学の、現場で学んだ系。CMだけでなく、通信教育の動画コンテンツのお仕事も長く続けさせていただいています。

絵コンテライターの経験も、俳優業に生きていて。例えばドラマに出演すると『割本』と呼ばれるコンテをいただくのですが、それを見るだけでどうやって撮るかがだいたいわかります」

「本当は何がしたいの?」母の言葉で原点回帰

「大学時代にはしっかり決めていた」というのが、女優業だ。卒業後、助監督の仕事に忙殺されて忘れかけそうになるも、母親に「本当は何がしたいの?」と言われて原点回帰。豊川悦司、余貴美子、滝藤賢一、伊藤沙莉ら多彩な実力派が所属する現事務所に入った。

「『私は映画が好きなので、とにかく映画に出たいです』とお話をして入りました。最初のころは、人を感動させたり、笑わせたり、いろんなことをやってみたいと夢ばかり持っていましたが、最近は現実と地続きに思ってほしいというか。

演じているキャラクターを見て、『こういう人、いるよね』と思ってもらえて、見終わった後も、その役が生きていると思えるくらい、地に足のついたキャラクターにしたいと思うようになりました。

その一方で、仕事柄、前に出るときは出て、魅せるときは魅せなければいけない。そのさじ加減を勉強していかないといけないなと思っています」

最新作『セフレの品格 初恋/決意』では母・寺島まゆみ(前列左)と共演

今後は女優業に邁進しながら、機会があれば監督にも挑戦したいという。

「大学時代に、自分で監督して出るという傍若無人なことをやっていましたから、撮れる機会があればまた撮りたいです。当時の仲間が、今はいっぱしのプロとして業界に何人もいますから、『各部署集合!』と号令をかけて作れたら楽しいかなと思います。

俳優としては、デビューから5年でいろんな役をいただいてきました。特に多いのは、ちょっと陰がある、おとなしめのキャラクター。この見た目や雰囲気は、もう変えられないと思うんですよ。ずっと『未亡人』ですから(笑)。

だからこの延長線上で私ができることを探しつつ、いろんなキャラクターを演じていけたらいいなと思っています」

終わり

取材・文/泊 貴洋
撮影/柳岡創平
場面写真/©2023日活
編集/一ノ瀬 伸

『セフレの品格 初恋/決意』(2023年)
監督・脚本/城定秀夫
原作/湊よりこ『セフレの品格』(双葉社 JOUR COMICS刊)
出演/行平あい佳、青柳翔、片山萌美、新納慎也
「初恋」:川瀬陽太、こころ、伊藤克信、寺島まゆみ、田中美奈子
「決意」:髙石あかり、石橋侑大、大嶋宏成
企画・製作・配給/日活

『セフレの品格 初恋』
36歳、バツ2のシングルマザー・森村抄子(行平あい佳)は、高校の同窓会で、初恋の相手で産婦人科医の北田一樹(青柳翔)と再会する。ホテルに誘われ、数年ぶりのセックスに快感を覚えたが、一樹から「セフレ」の関係を提案される。<R15+>

『セフレの品格 決意』
一樹は17歳の少女・山田咲(髙石あかり)と出会い、抄子にセフレの関係を終わらせることを提案する。失意の抄子が出会ったのは、23歳のボクサー・市原猛(石橋侑大)。猛と体の関係を持つようになった抄子だったが、一樹のことが忘れられないでいた……。<R15+>

『セフレの品格 初恋』7月21日(金)、『セフレの品格 決意』8月4日(金)、2部作連続公開
公式HPはこちら https://sfriends-pride-movie.com

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