1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

今なお美しさが語り継がれるグレース・ケリー。戸田奈津子がレコメンドする本当に見るべき1本とは

集英社オンライン / 2023年8月2日 12時0分

トム・クルーズが戸田奈津子に名シーンを熱弁解説!? 往年の大女優イングリッド・バーグマンの映画史上に残るロングキス〉から続く

字幕翻訳の第一人者・戸田奈津子さんは、学生時代から熱心に劇場通いをしてきた生粋の映画好き。彼女が愛してきたスターや監督の見るべき1本を、長場雄さんの作品付きで紹介する。

ルイ・アームストロングが本人役で出演する
豪華で楽しいミュージカル

グレース・ケリーといえばモナコ公国の公妃になったことが一番のトピックですが、女優としては、アルフレッド・ヒッチコック監督のミューズのひとりとして有名でした。『ダイヤルMを廻せ!』(1954)『裏窓』(1954)『泥棒成金』(1955)、この3本はどれもスリリングで鳥肌の立つ名作です。ヒッチコック作品の中のグレースは常に輝いていたし、彼女なしでは成り立たない作品でした。



しかしアカデミー主演女優賞を受賞した『喝采』(1954)は、ヒッチコック作品とは似ても似つかぬ映画。飲んだくれの夫がいる悪妻を演じているんだけど、実は献身的な妻だとわかる謎解きがあってね。きらびやかなドレスとは無縁の、まったくの汚れ役でした。

そして私が何度も見た大好きな映画が、ビング・クロスビーやフランク・シナトラと共演した『上流社会』(1956)。

1940年の『フィラデルフィア物語』をリメイクした、豪華で楽しいミュージカル。ルイ・アームストロングが本人役で出演していたりしてね。いい楽曲が山盛りで、タイトル通り、アメリカ東部のリッチな「上流社会」に入り込んだ気分になったものです。

『上流社会』(1956) High Society 上映時間:1時間51分/アメリカ

ミュージシャンのデクスター(ビング・クロスビー)が、2度目の結婚式を控える元妻で令嬢のトレイシー(グレース・ケリー)を取り戻そうと奮闘する物語。式を取材しに来たゴシップ記者をフランク・シナトラが演じ、トランペット奏者のルイ・アームストロングが本人役で出演。コール・ポーターの名曲が映画を彩る。

グレース・ケリー

1929年11月12日生まれ、アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア出身。舞台出演を経て、1951年に映画デビュー。翌年、『真昼の決闘』(1952)でゲイリー・クーパーの相手役に抜擢された。アルフレッド・ヒッチコック監督のミューズとして『ダイヤルMを廻せ!』(1954)『裏窓』(1954)『泥棒成金』(1955)に出演。『モガンボ』(1953)でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、『喝采』(1954)でアカデミー主演女優賞を受賞。カンヌ国際映画祭で知り合ったモナコ大公レーニエ3世と1956年に結婚。女優業を引退したため、『上流社会』(1956)が最後の作品となった。1982年、運転中の脳梗塞から事故を起こし、52歳で逝去。

語り/戸田奈津子 アートワーク/長場雄 文/松山梢

生涯で8回結婚した往年の大女優、エリザベス・テイラー。戸田奈津子が語る見るべき彼女の一本とは〉へ続く

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください