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やっぱり石はロマンだ…石の種類や素性を判別できるスマホアプリ「Rock Identifier」があれば河原で半日過ごせそう

集英社オンライン / 2023年7月29日 10時1分

パワーストーン店や雑貨屋で買ったオブジェの石も、河原でふと目を奪われ、拾った石も。なぜ、人は「石」というものにこうも惹かれるのだろうか‥石の種類を判別できるアプリを駆使すれば愛着もひとしおだ。

人が皆(?)“石”好きなのは、太古から受け継いだDNAが疼くからなのか?

幼い頃から、僕は石が好きだった。
まあ小さな子供はたいてい石ころが好きなものだけど、僕は成長して大人になってからもずっと好きなままである。
そして、これまた特に珍しい話ではない。

経済的に高い価値のある宝石や、スピリチュアルな意味づけをされているパワーストーン、優雅な建材として重宝される御影石や大理石、それに城郭の石垣やピラミッドなどまで。


そんなあれやこれやを引き合いに出すまでもなく、人間はそもそも石が大好きなのだ。
きっと石を使って道具をつくったり、珍しい石や鉱物を貨幣と見なしたりしてきた、太古人類から受け継ぐDNAが疼くのだと思うけど、そんな話をはじめるときりがなくて、いつまでも本題に入れないからやめておこう。

家の中には購入したり拾ったりした石がたくさんある

僕は宝石やパワーストーンばかりではなく、そこらに転がっている路傍の石に強い魅力を感じ、身辺に置いておきたくなって拾うこともよくある。

だから“石屋”になってしまった男の惨めな日々を描いた、つげ義春『無能の人』を初めて読んだときは、「なんだか少し自分に似ているな」と思い、身につまされるような気分になったものだ。

僕の場合は水石(すいせき)などという高尚な趣味にまで到達することなく、持ち帰っただけで満足してその辺にうっちゃっておいた挙句、しばらく経ってから「なんでこんな石が家にあるんだっけ?」と首を傾げたりするんだけれども。

「無能の人」 つげ義春 著

そんなしがない中年男のささやかな楽しみを支援してくれるアプリを見つけたので紹介したいと思う。
「Rock Identifier」というものだ。
使い方は簡単。スマホのカメラレンズを使って鉱物をスキャンすると、アプリがアルゴリズムとAIの力を駆使し、瞬時にその石の名前や特性を教えてくれる。
僕のような生半可な知識しか持たない文系の石好きにとっては、なかなか素晴らしいお役立ちアプリなのである。

名のある宝石やパワーストーンでもない普通の石は、その形や色にビビッと来て拾い上げても、素人だとそれ以上のことは何もわからない。
図鑑で調べても、ありふれた石ころは表面の色も質感も似通っていて、種の同定まではなかなかできなかったりする。
でもこのアプリさえ使えば、そんな問題があっさり解消するのだ。

「Rock Identifier」で石をスキャンしているところ

“多摩川の黒曜石”をはじめ、手持ちの石をどんどん調べていく悦び

アプリを入手して最初に試したのは、何ヶ月か前に多摩川のほとりで発見し、「これは!」と思って持ち帰っていた小さな石だった。
スキャンしてみると、ちゃんと『黒曜石』と出た。

やっぱり!
君は黒曜石だと思っていたよ!

社会科の授業でもおなじみの黒曜石

黒曜石という火山岩は、ガラス様の特質を持っているため割ると鋭い断面ができやすく、石器時代には様々な道具を作る材料として用いられていた。
だけど産地が限定的であり、火山のある島嶼部以外の東京に、自然な形では存在しないはずなのに、なんで多摩川の河原に転がっていたんだろう?

日本では後期旧石器時代以降、交易が盛んになり、黒曜石も全国各地で幅広く流通していたと言われるから、もしかしたら僕が見つけた“多摩川の黒曜石”も、大昔に人の手で持ち込まれたものが、ものすごく壮大なドラマの果て、そこに転がっていたのかも……などと考えてしまう。

“多摩川の黒曜石”

やっぱり石はロマンだ。

このアプリをスマホにインストールして以来、パワーストーン屋やサイエンスショップで購入し、家の棚に飾っていたきれいな石から、河原で拾ってきた何の変哲もない小汚い石まで、色々と調べてみた。

ルビーインフックサイト、蘭硝石、クォーツァイト、玄武岩、ブレシエイテッドジャスパー、砂岩、白水晶、石灰岩、赤壁玉、結晶片岩、方解石……。
すべての石の素性がわかった。
ありふれたものから少し希少なものまで、色々ある。
ああ、本当に楽しい。

河原で拾った石も、いろいろな種類があることがわかった。
「雑草」という名の植物がないのと同じで、「普通の石ころ」にもみんなちゃんと名前があるんだなあ、などと当たり前のことを今さらしみじみと思ったりして。

どんどんスキャンして調べまくっている

同定の正確性だが、かなり高いのではないかと思う。
というのも、ルビーインフックサイトや蘭硝石などの購入したパワーストーンは、もともと名前が分かっていながら改めてスキャンしてみたんだけど、今のところ100%の確率で正しい名前を言い当てているからだ。

スキャンして同定した石たちは、写真とともにアプリ内で「コレクション」できるのも楽しい。
これからどんどん石をスキャンして、珍しいコレクションを増やしていかなければと気持ちがたかぶってくる。

アプリ内でコレクションできるのが楽しい

石だけではなく植物、昆虫、哺乳類も。
AIパワーの同定アプリはみんな楽しい

河原のような石がゴロゴロと転がっているところでは、これまでも良い石を探しながら楽しく時間を過ごすことができていたけれど、このアプリさえあればさらに拍車がかかることは間違いない。
断言してもいいけど、河原に1人で放たれても、半日はこのアプリで楽しく過ごすことができると思う。

なんだか嬉しそうな顔でブツクサ独り言を言いながら、スマホのカメラで石を撮り続ける50代のおっさんって、はたから見るとけっこう危ないのかもしれないけど。

こんなところに来たら無限に遊んでいられる

ところで、僕はAIパワーを駆使して自然界のものを同定してくれるこの手のアプリが好きで、今回ご紹介した「Rock Identifier」以外にも、植物用の「PictureThis」、昆虫用の「Picture Insect」、そして動物全般用の「LINNÉ LENS」といったアプリを使い、日々いろいろなものをスキャンして調べては「ほほー」と唸ったりしている。

大昔は紙の本の図鑑、一昔前は検索ソフトを使って苦労しながら調べていた植物や昆虫、鳥などの種類が、こうしたAIアプリを使えばたちどころに判別できることに、驚異と喜びを感じているのだ。

左から「PictureThis」、「Picture Insect」、「LINNÉ LENS」

いずれのアプリも同好の趣味の人が多いのか、学習を重ねることにより初期の頃よりもずっと正確になっていることも素晴らしい。
いずれのアプリも無料で使えると思うが、僕はヘビーユーザーなので、サブスク方式の代金を払い、プレミアムメンバーになって使用している。
各アプリに月々数百円かかるものの、この大いなる楽しみに比べたら屁のような出費だと思う。

アプリはユーザーが多いほど進化するので、今回これを読んで初めてこの類のアプリの存在を知った人も、ぜひダウンロードしてじゃんじゃん使ってみてほしい。


写真・文/佐藤誠二朗

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