1982年は、もうひとつ重要な節目となる年でもありました。
1932年8月に設立された東宝株式会社が、創立50周年を迎えたのです。
創立当時の社名は東京宝塚劇場。当時圧倒的優位に立っていた松竹が浅草の劇場を独占的に支配していたのに対抗して、有楽町から日比谷にかけて新たな劇場街を作るために阪急グループの創始者・小林一三が設立した、製作から配給興行まで一貫して担うことを目的とする映画会社でした。
帝国ホテルの隣に東京宝塚劇場と日比谷劇場をオープン。また、日本最大級の4000人という収容観客数で翌年に開業したものの経営難に陥っていた、国鉄ガード下の向かいの日本劇場を傘下に入れ、以後その界隈の劇場の経営を次々に手中へと収めることで日比谷、有楽町界隈の劇場街を独占的に完成させます。