同じ小学校に通う同級生から同調圧力をかけられるという嫌な経験はあったものの、私が通った小学校の先生たちは、今の基準で評価すれば非常にリベラルで、子どもをむやみに統制することもなく、自立心や個性を尊重する方針をとっていました。
けれども、そこから徒歩で五分ほどの場所にある市立中学校へ進学すると、状況は一変しました。中学一年の時に校内である事件が起き、大勢の教師が入れ替わったあと、新しく入ってきた教師たちが、生徒の統制に力を入れるようになったからです。
その「事件」とは、何人かの教師がストライキのような形で授業をボイコットするというもので、当時は新聞やテレビの取材記者がたくさん学校に来て、学生服を着た私も小さく写っている写真が新聞に掲載されたこともありました。
授業をボイコットした教師たちは、一年生として接した限りにおいて、特に悪い印象がなく、生徒との関係も比較的良好だったと私は認識しています。ボイコットした理由についても、私は当時も今もよくわかっておらず、ただ「学校がこんな騒動になって、卒業を控えた三年生はかわいそうだな」と気の毒に思っていました。
その後、授業ボイコットを起こした教師たちは学校を去り、新しい教師が補充されましたが、この教師の入れ替わりのあと、私は校内の空気が以前よりも窮屈になったように感じていました。多くの生徒は、新しい状況にすぐ適応したようでしたが、私は二年生の途中から、学校に通うことをあまり楽しいと思えなくなっていきました。