あなたは、親の介護費用を払えるだろうか。
高齢者の中には、「老後の備え」として資産を蓄えている人もいる。介護が必要になったときには、自分の蓄えで賄おうと考えている人も多いはずだ。ところが、本人が認知症になってしまった場合、せっかく貯めていた老後資金が引き出せなくなる事態が起こり得る。
認知症になってしまうと、銀行や証券口座が凍結されてしまうことがある。判断能力が低下した高齢者が騙されて、不正にお金を引き出されるのを防ぐためだ。
しかし、一度口座が凍結されてしまえば、高齢者本人も家族も、お金を引き出せなくなってしまう。せっかく蓄えがあるのにそれを使うことができず、親の介護費用を子どもたちが工面しなければならなくなる。
不動産も同様だ。認知症により「意思決定能力がない」と判断されれば、不動産を売却できなくなる。たとえば、親が老人ホームや介護施設に入居することになっても、空き家になってしまった家を売ることができないというわけだ。