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約25万円の高級スマートフォン「Google Pixel Fold」レビュー。Google初の大型折りたたみディスプレイには、どんなメリットがあるのか? 3週間使ってわかったこと

集英社オンライン / 2023年8月2日 17時1分

Google初の“折りたたみスマートフォン”「Google Pixel Fold」が、いよいよ7月27日から国内の3大通信キャリアとGoogleストアで発売開始となった。約25万円という高級な折りたたみスマホを手に入れると、どんなメリットが得られるのだろうか? Google Pixel Foldを約3週間試してきた筆者が解説する。

Android OSの最新機能が楽しめるGoogle純正スマホ

「Google Pixel Fold」(以下、Pixel Fold)は、Google純正の折りたたみスマートフォンです。

Googleにとって初の折りたたみスタイルを採用する5Gスマートフォン「Google Pixel Fold」


Pixel Foldは、発売時は「Android 13」を搭載していますが、今年後半に正式リリース予定の「Android 14」が公開された折には、いち早くOSをアップデートしてAndroidの最新機能に触れることができます。これがGoogle純正スマホであるPixelシリーズユーザーに与えられたひとつの“特権”であり、最先端のガジェットやテクノロジーを愛する方々に、筆者がPixelシリーズをおすすめする理由です。

とはいえ、Pixel Foldは25万3000円(Googleストア価格)と非常に高価。誰もが気軽に買って試せるわけではありません。しかし、Pixel FoldにはほかのPixelシリーズのスマホにはない、折り畳めることによるメリットや、価格に相当する斬新な体験価値があります。

ショップの展示機などを試す際に、次ページからのポイントをチェックすれば、Pixel Foldの特徴を手早く品定めできて、自分に必要なデバイスなのかどうかが見えてくると思います。

広い画面・5G・防水対応。仕事の効率アップも間違いなし!

Pixel Foldは折りたたむ本体の内側に7.6インチの有機ELディスプレイを搭載しています。6対5という正方形に近いアスペクト比は、筆者は初めて開いたとき、「大きい」というよりも「広々としている」と感じました。

ワイドな画面はYouTubeやNetflixなどの動画コンテンツ、あるいは本体のカメラで撮影した動画や写真をゆったりと見るエンタメ用途に最適です。でも、実際の魅力はそれだけでなく、実は仕事にも便利な使い方ができます。

内側7.6インチのディスプレイに写真を表示。アスペクト比6対5の画面は広々としていてインパクトがある

ホーム画面の下側を指でつかみながら、上に向かってスワイプすると画面を「分割」表示にするためのアイコンが現れます。これをタップすると、たとえば「Googleマップ」と「Gmail」のように画面を2つに分割して同時に動かす「マルチタスク」を行えます。

ホーム画面を上にスワイプすると表示される「分割」アイコンをタップ。その後、同時に使いたい2つのアプリを選択する

「マップで調べた待ち合わせ場所の住所を、メールで同僚に送る」といった作業はもちろん、カメラで撮影した周辺の写真を、画面を分割した状態で「フォト」アプリからGmailにドラッグ&ドロップで貼り付けて送る、といった操作も簡単に行えます。

Pixel FoldはGoogle純正の高性能な「Tensor G2」チップを内蔵しているので、2画面分割モードでのマルチタスク処理がとてもスムーズです。

またPixel FoldにはBluetooth対応のキーボードやマウス、トラックパッドなども接続可能です。7.6インチのディスプレイはメールを書いたり、ビデオ通話をしたりするにも快適な広さです。

そしてPixel Foldは5G通信でインターネットに「常時接続」しているデバイスなので、出張や普段のリモートワークにも大きな戦力になります。店頭ではなかなかBluetooth機器の接続までは試せないと思いますが、ぜひWebブラウザやメール、ドキュメントエディタ系のアプリを起ち上げて、文字の読みやすさなどを確かめてみてください。

Bluetoothに対応するワイヤレスキーボードをペアリング。Pixel Foldがリモートワークなどにもより快適に使えるようになる

今年Googleが発売した純正デバイスとして、Tensor G2チップ内蔵の11インチのAndroidタブレット「Google Pixel Tablet」があります。

Bluetooth機器をつないで、さらに画面を分割表示にしながらモバイルPCに変わるようなマルチタスクをサクサクとこなせる部分は一緒ですが、Pixel Tabletにはセルラー通信機能がないため、いつでもどこでもインターネットに接続できるPixel Foldに機動力の面でやや劣ります。

極めつけは、Pixel FoldはIPX8に相当する高い防水機能を備えているので、防水対応のキーボードやスタンドを見つけることができれば、バスルームでも仕事ができてしまいます(お風呂の時間ぐらい、仕事を忘れてゆっくり過ごしたい方には関係のない話ですが……)。一般的なモバイルPCとはひと味違う使い方ができそうなPixel Foldのこうした「可能性」には、要注目です。

ビデオ通話や外国語翻訳にも役立つ機能を搭載

Pixel Foldは、本体を90度前後まで開くと内側のディスプレイが起動します。横向きのまま開くと、ノートPCのような「テーブルトップモード」に変わります。本体の角度調整は、さらに90度から180度まで自由に行えます。

外側の5.8インチの有機ELディスプレイもまた、画面を起動したままフレキシブルに角度を調整できます。たとえば動画を見たり、ビデオ通話に利用したりと、使い勝手がとてもよいです。

画面を開いた状態で「テーブルトップモード」に。動画視聴やビデオ通話に最適

Pixel Foldは本体の外側背面に高精細なトリプルレンズカメラを搭載しています。「リアカメラ・セルフィ」という、Pixel Foldのカメラアプリでより高精細なセルフポートレートを撮るための機能を使うと、望遠カメラや超広角カメラに切り換えて高精細なセルフィや動画が撮れます。

この機能を応用したところ、メインカメラ側で自身の姿をより高精細にキャプチャしながら「Zoom」アプリでビデオ通話もできました。ただ、Zoomではカメラを横位置に構えると映像の上下が反転してしまったり、そもそもこの機能が使えないビデオ通話アプリがあったりと、サービス側が最適化されるまで少し待つ必要がありそうです。

高機能なメインカメラを自分の側に向けて動画や写真を撮影する「リアカメラ・セルフィ」

Googleは次期Android 14で、「デュアルスクリーン通訳モード」という機能をPixel Foldに追加する予定です。

デュアルスクリーン通訳モードでは、本体を開いた状態で、内外側のディスプレイに2つの言語による同時通訳のテキストを表示してくれます。対面でのビジネスシーンや旅行など、外国語会話を必要とするコミュニケーションをサポートする、Pixel Foldならではの便利な機能です。翻訳の正確さやスピードなど、どれほど即戦力として使える機能なのか、筆者も試せる機会を心待ちにしています。

Android 14のリリース後に「デュアルスクリーン通訳モード」の機能が追加される予定。表と裏側に同時通訳のテキストを表示してくれる

本体の重さは要チェック。
ペン入力が欲しいなら、ほかの折りたたみスマホも候補に

Pixel Foldの外側ディスプレイは、片手で心地よく操作できる5.8インチです。手によく馴染むサイズですが、本体の質量は283gあります。「スマホ2台分」とまではいいませんが、従来機種の「Google Pixel 7」が197g、iPhone 14が172gであることに比べると、今どきにしては少し重めなスマホです。

筆者は電車の中などでコンテンツを視聴するときには、Pixel Foldを両手で持ったほうが疲れにくく、安定する実感があります。Pixel Foldが「毎日使いこなせる重さ」なのか、店舗で体験する際には、数分持ち続けながら確かめてみることをおすすめします。

片手による操作も快適な5.8インチの外側ディスプレイ。自分に使いこなせる質量なのか、購入の際は実機で確認しておこう

ひとつPixel Foldに注文があるとすれば、「なぜ手書きのメモやドローイングを楽しむためのスタイラスペンに対応しなかったのか」という点です。

筆者は日ごろ立ったまま取材のメモを取る機会もよくあるので、そんなときにもPixel Foldを活用したい……。それを考慮すると、同じ折りたたみスマホの中では「Galaxy Z Fold 4」が専用スタイラスペンによる手書き入力にも対応しており、より魅力的です。Googleには何らかの対応策を講じて、Pixel Foldにペン入力機能を追加対応してもらいたいところです。

しかしながら、フラグシップモデルの「Pixel 7 Pro」とほぼ同等の性能を誇るトリプルレンズカメラを搭載するなど、その性能は見事のひと言。機能はプレミアム級に「すごい」スマホに、使用スタイルの「革新性」を加えたPixel Foldは、ぜひ試してみてほしいスマートフォンだと感じました。


文・写真/山本敦

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