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【ブーマー幻の巨人トレードの真相】「君はジャイアンツのためにプレーしたいのか?」移籍を思いとどまらせた、たったひとつの理由とは。「ブーマーは世界に一人しかいないからね」

集英社オンライン / 2023年8月4日 19時1分

プロ野球界のレジェンド外国人、ブーマー・ウェルズさん。日本でプレーしていた1980~90年代はいわゆる「セ・パ格差」がまだ色濃く、人気・知名度においてパ・リーグはセ・リーグに後れを取っていた。それでも10年間、パ・リーグ一筋を貫き通したブーマーさんに当時の移籍にまつわる真相を聞いた。

#1

門田博光と村田兆治。今は亡き友とライバルへの思い

――日本球界で長くプレーする中で、多くのチームメイトやライバルも生まれたと思います。日本での10年間を振り返ったとき、特に印象深い選手はどなたですか?

バッターで言えばカドタ(門田博光/元南海ほか)です。南海ホークスでプレーしていた時は対戦相手でしたが、彼が打席に立つときは強い打球が飛んでくるので守備位置を(西宮球場の)芝生まで下げて守っていました。ケガするのが怖いですからね(笑)。



ピッチャーで言えばムラタ(村田兆治/元ロッテ)が印象深い。ちょうど私が日本に来たころにトミー・ジョン手術を受けて、年齢も私より上なのにすごいボールを投げていました。パ・リーグでもっともタフな投手だったと思います。

――村田さんは昨年、門田さんは今年、お二人とも残念ながらお亡くなりになりました。

とても悲しいです。ムラタとは日本を去ってからもいい関係を続けていたし、カドタとは同じチームでプレーしたこともある仲間で、友人でした。カドタの体調があまりよくないことは聞いていましたが、まさかそこまで悪いとは知りませんでした。

――生前の門田さんにお話を伺ったとき、「ブーマーさんに負けたくないという思いでプレーしていた」と語っていらっしゃいました。

私も彼が南海でプレーしていたときはそのバッティングをよく見ていました。そこで仲よくなって、南海が福岡に移転するタイミングで彼はブレーブスの一員になったんです。対戦相手として、チームメイトとして一緒にプレーできたことを、私も誇りに思っています。

現役当時、付き合いきれなかった3選手

――ブーマーさんは当時から“超メジャー級”の体格とパワーで日本のファンを楽しませてくれましたが、そのパワーを保つためには相当な努力が必要だったのでは?

たくさん走って、たくさんウェートトレーニングをしました。シーズンが終わってもオフを2週間だけ取ったらあとはすべてトレーニングに費やしていましたね。日本の夏は蒸し暑くて、毎日プレーしていると体に負担がかかってしまいますから。

――食事の量も多かったのでは?

いえ、私は太りやすい体質だったので、シーズン中は逆にあまり食べないように気をつけていました。先ほど話した2週間のオフに好きなものを好きなだけ食べて、シーズン中は220ポンド~235ポンド(約99.8キロ~106.6キロ)くらいが最適な体重だったので、それをキープするよう務めました。だから私はお酒もそこまで飲みません。

ただ、当時はヨシ(佐藤義則/元阪急ほか)やイマイ(今井雄太郎/元阪急ほか)、あとはフクモト(福本豊/元阪急)と仲がよくて、彼らは本当にたくさんお酒を飲むので食事に付き合うのは大変でした。特にヨシはすごいお酒が好きでしたね(笑)。

「君はジャイアンツのためにプレーしたいのか?」

――三冠王をはじめ、毎年大活躍するブーマーさんはパ・リーグ一筋を貫き通しました。メジャーへの復帰や当時より人気のあったセ・リーグの球団でプレーしなかったのはなぜですか?

ウエダサン(上田利治/元阪急監督)の存在があったからです。何年のことだったかは忘れましたが、読売ジャイアンツにトレードで移籍する話がありました。かなり具体的なところまで契約がまとまりかけたのですが、ウエダサンとアメリカのナッシュビルで食事をともにする機会があったんです。私は当然、ウエダサンも(移籍の話を)知っていると思っていたんです。でも、その話をすると「なに? トレード?」と、なにも聞かされていなかったみたいで、私にこう言ったんです。

「君はジャイアンツのためにプレーしたいのか?」

私はこう答えました。「あなたが監督を続けるなら、私はあなたのためにプレーしたい。ただ、もしあなたが監督を辞めるのであれば、私もチームを去ろうと思っている」。

あのころ、ウエダサンも監督を続けるのかどうかはっきりしていなかったんです。でも、私がそう言ったらウエダサンは「俺は監督を辞めない」と約束してくれました。なので、ジャイアンツではなくチームに残留することを決断したんです。

――ブーマーさんにとって、上田監督の存在はそれほどまでに大きい。

ウエダサンは「Perfect Manager=完璧な監督」でした。絶対的な存在でしたし、外国人選手の私にとっては素晴らしい指揮官でもありました。自由にやらせてくれたので自分らしくプレーすることができました。日本で10年間もプレーできたことの要因には間違いなくウエダサンの存在があります。

現役時代のエピソードを楽しそうに語るブーマーさんの姿を見ると、彼がなぜ日本のチームメイトや対戦相手、ファンに愛されたのかがわかる気がする。ただ、来日も11年ぶりで、普段はネットを見ることもほとんどないというブーマーさんは、現在の日本プロ野球の情報はほとんど知らないという。

「誰かいい選手がいたら教えてほしい」

最後に、ブーマー氏からこんな逆質問を受けたので「今、バファローズではセデーニョという選手が『ブーマーの再来』と呼ばれている」と伝えると、不敵な笑みを浮かべながら、こう答えてインタビューを締めてくれた。


「ブーマーに“再来”はない。ブーマーは、世界に一人しかいないからね」

取材・文/花田雪 撮影/村上庄吾
取材協力/一般社団法人日本プロ野球外国人OB選手会(JRFPA)
撮影協力/MINT LAB TOKYO

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