1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

眠れない、疲れがとれない、クーラー冷えがとれない…令和の夏バテの症状と対策とは?

集英社オンライン / 2023年8月11日 9時1分

連日、ここまでの猛暑が続くと、体がだるい、食欲がない、疲れがとれないといった、いわゆる“夏バテ”の症状に。ただ、ここ数年、どんどん厳しさを増す暑さのせいで、また別の症状や気をつけるポイントに変化も生じている。令和の夏バテ予防の傾向、対策についてイシハラクリニック副院長 石原新菜先生に解説いただいた。

自律神経のバランスが崩れて夏バテに

夏バテは、暑さや湿度などの気候条件によって、食欲が落ちる、体がぐったりして疲れやすいなどの症状が出ることです。
ですが、ここ数年は体温以上に高い気温が続き、夜も気温が下がらず、かつての「夏バテ」とは違うさまざまな症状が出て、ぐったりしているケースが多く見られます。

これまでは春から夏にかけて少しずつ暑さを体に慣らしていく「暑熱順化」が体内で自然に起こっていたのですが、最近は5月くらいから気温が高く、暑さに体が慣れないうちに真夏を迎えるため、体温調節が働きにくい状況が続いています。


そのため、体がだるく食欲不振を招き、夏の初めから夏バテのようになっているケースも見られます。

また、夏バテの大きな原因となっているのが自律神経の乱れです。
現代人のライフスタイルに多いパターンとして、オフィスなど1日中、冷房がきいた部屋で過ごし、屋外に出ると体温以上の酷暑です。
温度差の大きい屋外と屋内を行き来することにより、自律神経のバランスが乱れてしまいがちに。
この自律神経の乱れによって、体内の機能にさまざまな不調があらわれます。
夏バテの典型的な症状である、食欲不振、体のだるさに加わって、胃腸の不振、不眠などの不調が多くなったのが最近の夏バテの特徴です。

特に夜間の最低気温が25℃以上の熱帯夜が続くことで、暑くて寝苦しい、寝つきが悪い、眠りが浅いといった寝不足になってしまい、さらに疲れがとれづらく、やる気が出ない、といった夏バテの症状が重くなってしまうことがあります。

食欲がない、頭痛、めまいも夏バテの症状

不眠だけでなく、自律神経の不調は食欲不振をも招きます。
寝不足により交感神経が優位に働いてしまい、胃腸をしっかり休ませることができず、胃腸の機能が低下し、食欲も低下するからです。
暑いので、冷たい麺類などさっぱりした喉越しのいい食べ物が欲しくなるため、栄養が偏ってしまうことも、さらなる体の疲れに繋がります。

さらに冷たい飲み物・食べ物の摂りすぎで、胃腸を冷やし働きを低下させて、お腹が冷えて下痢を起こすこともあり、これは脱水症に繋がることも。

また、頭痛やめまい・立ちくらみなどにも注意が必要です。
これらは、熱中症の症状の一つといわれています。めまい・立ちくらみは多量の汗により脳への血流が減少することで起こります。
冷たいものの摂りすぎには注意しないといけないのですが、逆に水分や塩分不足による脱水状態を引き起こしてしまうので、屋外に出るときはしっかり水分補給することで、熱中症だけでなく、夏バテの防止にもなるのです。

冷房はつけっぱなしでOK! パジャマをしっかり着込む

今どきの夏バテ防止対策は、何よりも睡眠不足を解消するようにしましょう。
就寝時も気温は高いままなので、寝苦しくならないように冷房はつけたままにして、そのかわり、薄着にならず、パジャマを着用し、布団をかけて寝ること。
薄着だと、体が冷えて夏風邪の原因になるので、気をつけてください。
パジャマはできれば長袖、長ズボンで。汗を吸収しやすい綿、麻、シルクなど天然素材のものがおすすめです。

また、夏はシャワーで済ませてしまう人が多いと思いますが、できれば湯船に浸かってください。38℃くらいのぬるめのお湯に10分くらい浸かることで、副交感神経が優位に働き、自律神経のバランスが調整されます。

寝る前は明かりを暗めにして、自然な眠りに誘うメラトニンの分泌を促すようにして、快眠に繋げるようにしましょう。

体の冷やしすぎにも注意が必要です。
1日中冷房の効いた部屋で過ごす人は、体を冷やしすぎないようにしましょう。すぐに羽織れるカーディガンを常備したり、お腹周りが冷えないように、腹巻を着用したりするなど工夫しましょう。

食事面では、夏バテ防止といえば、鰻や肉類が挙げられます。
糖質を体内でエネルギーに変え、疲労回復効果のあるビタミンB1が多く含まれているからです。
ただ、内臓が弱っているときは肉類は胃腸に負担がかかり、逆に不調を招くことがあります。

私が夏バテ防止でおすすめしているのは味噌汁です。
大豆を原料している味噌にはたんぱく質、ビタミンB2、など豊富な栄養素が含まれていて、汗で不足してしまった塩分やミネラルも摂ることができます。
ある100㎞マラソン大会のブースにも味噌汁が用意されていることがあるほど、疲労回復におすすめの食品です。
1日中オフィスで冷房の部屋にいる人なら、ランチに味噌汁を加えることで、体が温まり自律神経のバランスが調整しやすくなります。

その他、甘酒もおすすめです。
甘酒には、ブドウ糖、ビタミンB群、必須アミノ酸などが含まれていて、疲労回復に効果が期待できます。甘酒も味噌と同様に発酵食品なので体を温めてくれます。

また、麵類を食べるときはネギ、ショウガ、山芋など、体を温めてくれる食材をプラスすることで、冷え防止に繋がります。
さらに夏野菜のトマトは、夏バテ防止によいとされているGABAを含みます。食べすぎると体は冷えるので、焼いて食べるなど調理に工夫してみましょう。

夏バテによって疲労が溜まると、免疫機能が下がり夏風邪の原因にもなります。
バランスよい食事と睡眠をしっかりとって、令和の夏バテを予防しましょう。



取材・文/百田なつき

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください