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かき氷を食べたら頭がキーンってなぜなるの? どれくらい続くの? 体への影響は?〈医師が解説〉

集英社オンライン / 2023年8月15日 11時1分

夏の風物詩の一つ、かき氷。ふわふわ系、フルーツいっぱい乗せ系などいろいろあるが、急いで食べると頭が急にキーンと痛くなった体験は誰でもあるはずだ。なぜ頭が痛くなるのか? 健康に問題ないのか? 目黒外科院長齋藤陽先生に解説いただいた。

急激な冷たさを痛みとして感じる

暑い日が続くと、かき氷やアイスクリームなど冷たいものが欲しくなりますよね。けれど、かき氷など冷たいものを食べたときに頭がキーンと痛くなったことはありませんか?
これは冷たいものが喉を通過するときに前頭部や中頭部に痛みが起きているのです。
別名、アイスクリーム頭痛と呼ばれていて、英語でも「ice cream headache」という言葉があるようです。


だいたい30秒~60秒くらいで治まるので、薬を飲んだり病院に行ったりする必要はありません。

ではなぜ冷たいものを食べると頭が痛くなってしまうのか? 原因には主に2つの説があります。

一つは三叉(さんさ)神経の影響によるもの。三叉神経は、顔の感覚を脳に伝える末梢神経で、眼神経、上顎神経、下顎神経の3つに分かれていて、皮膚に分布されています。

その中の下顎神経は下唇から下顎、下の歯茎、舌の半分の感覚をつかさどっています。
冷たいものを急に口の中に入れると、この下顎神経が刺激を受け、冷たさが脳に伝わります。
その際、あまりに冷たいものだと刺激が強すぎて冷たさを痛みとして感じることで、頭痛が引き起こされているという説です。強い刺激によって脳の伝達に混乱が起きてしまっていることによります。

もう一つは血流によって頭痛が起こるという説です。
冷たいものを食べると急激に口の中や喉が冷やされます。そうなると、体は反射的に温めようとして、血流を増やそうと頭の血管を拡張します。その血管の動きによって、一時的に炎症を起こし頭痛が起こるというのが原因です。食べてから数秒経ってから頭が痛くなる場合はこのことが原因である場合が多いようです。

このどちらかが体の中で起こっているか、あるいは同時に起こっていることもあり、要するに急激な冷たさに体が反射的に起こす頭痛なのです。

対処法はゆっくり食べること

頭痛は、30秒~60秒、長くても5分くらいで治まります。
対処法は冷たいものはゆっくり食べるようにすることです。
暑いからと、どんどんかき氷を食べてしまうと、口や喉が急激に冷えてしまい、頭痛が激しくなってしまうかもしれません。なるべくゆっくり時間をかけて食べるようにしましょう。
お店によってはかき氷と一緒に温かいお湯やお茶を一緒に出してくれるところもあるので、かき氷を楽しみながら温かいお茶を飲んで、冷えた口の中の温度を戻すようにするのも効果的です。

またゆっくり凍らせた天然の氷を使ったかき氷は頭がキーンとなりにくいようなので、そういったお店を利用するのも手です。

ただし、もし頭痛が5分以上続く、痛みが強い場合や、片頭痛が続くなどした場合は、かかりつけ医や頭痛外来を受診してください。

頭痛だけでなく、夏の時期の冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎには注意が必要です。
冷たいものの摂りすぎは口の中や喉だけでなく、内臓も急激に冷やしてしまいます。

そのため消化機能が低下したり、お腹の血管が収縮して血流が悪くなったりして消化不調の原因に。お腹が冷えると下痢やむくみ、夏バデの症状にもなりやすくなります。

かき氷が好きな人には何軒もはしごして楽しむ方もいますが、やはり食べすぎは禁物です。

1日のうちで、冷たいものを食べるときは温かいものや常温のものと組み合わせて摂るようにしましょう。


取材・文/百田なつき

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