──『春に散る』は本格的で迫力あるボクシングシーンも注目されています。横浜さんは極真空手の経験者だそうですが、この映画への出演の決め手は?
最初に脚本を読んだとき、翔吾の“今を生きる”というポリシーに共感したんです。不公平な判定でボクシングから離れ、情熱を失っていた彼が、同じ元ボクサーの広岡仁一(佐藤浩市)のパンチをくらって「これだ!」と気づく。そして仁一にボクシングを教えてほしいと懇願し、断られても「今しかねえんだ」と食い下がるあの熱い気持ち……。翔吾の気持ちや行動には共感する部分が多く、縁を感じました。
あとはボクシングに挑戦できることも魅力でした。僕は役者にならなかったら格闘家を目指していたと思うので、翔吾役で夢が叶うと思ったんです。でもリスペクトがあるからこそ、生半可な気持ちではできないし、かなりの覚悟が必要な役だとも思いました。