〈世界最高齢セクシー俳優＆女優対談〉「恥ずかしながらまだたちます」「若い子の性の乱れは生活の乱れ」ともに90歳手前で「最後は“この人”という人としたい」

前編では世界最高齢現役セクシー俳優の徳田重男さん（88歳）に単独インタビューを行った。だが、実は集英社オンラインでは、以前、世界最高齢セクシー女優の小笠原祐子さん（87歳）にもインタビューしている（#1）。ということで、今回は世界最高齢セクシー男優＆女優の夢（？）の対談が実現。

前編はこちら

「撮影では“替えチン”がいました」

――おふたりは現場で一緒になったことは？

小笠原祐子さん（以降、小笠原） ありませんよ。私はだってほら、若いイケメン（俳優）としかからまないよって最初から言ってるから。

徳田重男さん（以降、徳田） この業界では女優さんに男優の要望があれば、可能な限りスタッフがそれに応えるのが通例ですからね。

小笠原 そうね。若いイケメンって指定したのに、徳田さんが初めての現場に来てたら女優デビューはしなかったよ、アハハ！

徳田 若いイケメンさんと言いましても、どんな男性が好みなんでしょうか？

ともに世界最高齢セクシー男優と女優の徳田重男さんと小笠原祐子さん

小笠原 それはもう、パパ（死別した夫）のような京大卒のラガーマンで、心身ともに健康、明朗な男性よ。やっぱりスポーツマンでなくちゃね。
徳田さんはぶっちゃけ、今でも勃つの？

徳田 恥ずかしながら勃ちますよ。
ただ、発射のタイミングを調整できなかったりするから、数年前の撮影現場では“替えチン”と言って、もうひとり、射精用の男優を用意してもらってました。

日常でナニ（※編集部注＝自慰行為）をすることもありますが、したいときにするというよりも「そろそろ出るかな？」という日にいたすので、日記帳にいつナニをしたのか記録をつけてるんですな。
小笠原さんにはそういった体のうずきなんてものはまだあるんでしょうか？

小笠原 そういうのはまったくない。
パパが亡くなったあとになんとなくそんな気持ちになって、オモチャで一度くらいはしたことあるけど、惨めというかシラケちゃって、これは違うなってすぐやめちゃった。

徳田 そういうものですか。撮影ではどうなんですか？ 私がお相手した女優さんは本当にその気になってるような方もいれば、お仕事として割り切ってる方もいましたが。

小笠原 私は完全に後者ね。“小笠原祐子”というのは、素の私とは別人格で、演じてるってことよね。
セックスはパパとするものって刷り込まれちゃってるから、パパ以外でそれは埋まることがない。何しろ結婚してから35年間、1日も欠かさずやってきたわけだから。

徳田 そりゃご苦労さまです（笑）。

「夫以外の人としちゃいけないのは無理があるかも」

小笠原 徳田さんだって、結婚して童貞喪失したって言ってたけど、それ以降は外で遊びまくってたんじゃないの？

徳田 遊びまくるって……。
まあ、私の記憶が正しければ、平成になってから細君とはいたしてませんからね。男優になる前は、同じ会社の誰がしとか、同窓会で会った誰それとか、そういう方とやらかしたことはあります。

若かりしころの徳田さん（写真左）

小笠原 風俗なんてのは行かなかったの？

徳田 それはないんです。やはりこう、そういう店に行くのは後ろめたいですから。

小笠原 同僚や同窓生に手をつけといてよく言うわよね（笑）。そんなのは、どうやって誘うわけ？

徳田 誘うというか、女性のほうから誘ってくれるような展開に持っていったりして。

小笠原 なによ、それ。

徳田 それはえっと、褒めるんですけども、ただ「きれいね、かわいいね」と適当に褒めるんじゃあ、軽薄に思われてかえって不機嫌にさせたりしますでしょ。
だから「なにか上品な雰囲気だね」とか「落ち着いてるね」「知的な感じがする」とか容姿から滲み出る部分を褒めたりする。
そうすると、なんとなく女性もノってきてくれるような。

小笠原 そんなもんかね？
さっき、平成になってから奥さんとしてないって言ってたけど、奥さんから欲してくることはなかったの？

小笠原さんは中学時代、書道部に所属。右の写真は卒業式後に書道部の先生と友達とともに撮った

徳田 なかったですね。しかしまあ、夫からしてみたら気ままなタイミングで妻を抱きたいわけで、細君から迫られたらもうドン引いしてしまうというか……さすがにそれは困っちゃうわけでね。

小笠原 ずいぶん、勝手な言い分だわね。そりゃ世の中のセックスレス夫婦がなくならないわけだよ。

徳田 そうですね。夫から抱かれなくなった妻が火照った体をどうしたらいいのかとか、その処理に困るという気持ちはわからなくもありません。でもやはり男たるもの、気ままなタイミングなんですね。

小笠原 芸能人の不倫問題にしたって、女性もものすごく活発ですからね。
夫婦になったからって、それ以降、その人以外としちゃいけないだなんてのは、無理があるのかもしれないね。

「この人だ！という人と最後にやらかしたい」

小笠原 それとさ、徳田さん。最近の世の中の出来事について話してほしいらしいんだけど、なんかパパ活やら婚外セックスやらで、若い子から年寄りまで、梅毒がすごく増えて大変だって話だよ。

徳田 いやあ、想像を絶しますね。とにかく我々の時代は、そんな性的な話なんぞを表立って言うこともないし、梅毒なんてのは戦後に一時的に流行ったとはいえ、周囲でそんなの聞いたことなかったですから。

小笠原 パパ活だかなんだか、若い子の性が乱れてるっていったって、要は“生き方の乱れ”なんじゃないかと思うね。
学生なら学生の、社会人なら社会人の、それぞれの務めをきちんとした上で楽しむには大いに結構だけど、その本分を忘れてまでしちゃったら、いけないことね。

徳田 何事も節操を持ってというかね。
私もまあ、スケベ心を起こして男優なんてやらかしましたけど、家人に迷惑をかけるだとか、家の経済面を脅かしてまでとか、それだけは避けなければいけないと心してきました。

小笠原 そうね。
あと今後の夢の話をしてほしいんだって。徳田さん、なにかある？

徳田 そうですね。私はB型で割と自分本位でやってきちゃいましてね。そうして貪欲に進んできた結果が今につながっていると思いながら……。
突き進むことで後悔もあるかもしれないけど短い人生ですから、やらないよりはやったほうがいいかなぁというね。

小笠原 だから、なにかやりたいことはあるのかって聞いてるの！

徳田 そう遠くない未来に最期を迎えるのでしょうから、まあ、口頭では申し上げにくいですが……なんかこうね、やはり最後に、この人だという人と、あと1回はやらかして死にたいなあというのはあります。

小笠原 死ぬ前にもう一回セックスだってさ。男性はやっぱそういう思いがあるのかねぇ。
私はまあ、素で生きてきた私と、小笠原祐子としての人生をこれからも楽しんでいきたいということですね。

今年の冬前に、私のデビュー作を撮ってくれたルビーさんで、ドキュメンタリーを撮ってくれるみたいだからね！

徳田 それは楽しみですなぁ。

取材・文／河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班
撮影／Soichiro Koriyama

前編はこちら