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最高に怖くて、震えるほどの戦慄! スティーヴン・キング原作の傑作ホラー映画5選&レア珍作

集英社オンライン / 2023年8月18日 19時1分

その著作が数えきれないほど映像化されてきたスティーヴン・キング作品の中から、夏に見るべきホラー映画を紹介する。

新作『ブギーマン』が公開!

『ブギーマン』
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
8月18日(金)全国劇場にて公開
© 2023 20th Century Studios.

初めてその存在が注目されたのは、『キャリー』が出版された1974年。以来、ホラー小説界の帝王として今もトップを走り続けているスティーヴン・キング。今年の夏には、彼の初の短編集『深夜勤務』に収録されている「子取り鬼」の映画化『ブギーマン』(2023)がスクリーンに登場。子どもばかりを襲う謎のモンスター“ブギーマン”に魅入られてしまった姉妹が味わう恐怖を描いた話題作だ。



そこで今回は、これまで山のように作られてきたキング原作小説の映画のなかから、抜群に怖くておもしろい作品を5作、さらに珍作も2作ピックアップ。

やっぱり夏の暑さにはキングのホラーが効く⁉

原作者キング本人がカメオ出演!
『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』シリーズ

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』
U-NEXTで配信中
© 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC. All Rights Reserved.

長いことで知られるキング小説のなかでも最恐の長編『IT』を初めて映画化。子どもたちが邪悪なモンスター、“IT”ことペニーワイズに立ち向かう第1章『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)、そして成人した子どもたちが故郷に集結し、再びペニーワイズと対峙する第2章『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019)の2部構成で製作し、どちらも大ヒットを記録した。

© 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC. All Rights Reserved.

さまざまな問題を抱える子供たちの友情を描きつつ、ペニーワイズの恐怖を突きつけてくる、ドラマとホラーのバランスが絶妙。さらにはイマイチだったと評判の原作のラストのエピソードをよりエモーショナルに変更し、原作ファンが拍手を送りたくなる見事な結末を創造してくれた。

モンスター好きのキングが「吸血鬼からフランケンシュタイン、あらゆるモンスターを登場させた」と豪語する原作のエッセンスをちゃんと捉えつつ、時代設定を現代に移し、モンスターを映画オリジナルにチェンジ。このアップデートもすばらしい。キング自身も大変気に入り、カメオ出演を果たしているのでお見逃しなく!

キングが賛辞を送った立ち直れない衝撃ラスト
『ミスト』(2007)

Everett Collection/アフロ

キングの中編『霧』の映画化。深く垂れこめる“霧”のなかから正体不明のモンスターが出現。人々はスーパーマーケットに逃げ込み、救援を待つことになる。

コンテンポラリー・ゾンビの生みの親、ジョージ・A・ロメロ監督をこよなく愛するキングは、彼の『ゾンビ』(1978)へのオマージュから、物語の舞台をスーパーマーケットに限定。極限状態に置かれた人々の心理と恐怖を克明に描き出した。

本作もまたキングが賛辞を送ったのはそのラスト。原作とは正反対の、見る側が立ち直れないような衝撃的な結末が待っているのだ。
ちなみにキング小説の映画化は、結末を原作と変えているもののほうが良質な場合が多いのも特徴だったりする。

監督&脚本はキング原作の感動ドラマ『ショーシャンクの空に』(1994)や『グリーンマイル』(1999)を手掛けたフランク・ダラボン。

キングが悪口雑言を浴びせた大ヒット作
『シャイニング』(1980)

U-NEXTで配信中
© Warner Bros. Inc.

「美しい大型車だが、エンジンがついてない」などとキングが悪口雑言を浴びせたことでも知られている、あのスタンリー・キューブリック監督による『シャイニング』。

雪に閉ざされた山頂のホテルで冬の間だけ管理をすることになった3人家族だったが、小説家を目指す父親は徐々に常軌を逸していく。

© Warner Bros. Inc.

原作は“シャイニング”と呼んでいる超能力を持った幼い息子の話であり、恐怖が立ち込めるホテルを描いたお化け屋敷ものでもあるのだが、キューブリック版はジャック・ニコルソン扮する狂っていく父親に焦点を当てたサイコドラマに。

つまり、ジャンルが変わってしまったわけなのだが、これはこれでめっぽう怖いのも事実。スーパーナチュラルな恐怖と人間が生む恐怖という、恐怖のWパンチをソリッドに描いたところはさすがキューブリック。

伝説となった驚愕のラスト
『キャリー』(1976)

U-NEXTで配信中
© 1976 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved

キングの小説の初の映画化はこちらのブライアン・デ・パルマ監督作品。狂信的な母親に育てられ、学校ではいじめられっ子の女子高生キャリーが、秘めていた超能力を発揮し、学園を恐怖のどん底に叩き落とす。

キングが「私の小説より洒落ている」というのは、映像的に見どころが多いから。冒頭の女子シャワー室の美しさとエロチシズム、そこで初潮を迎えたキャリーがその血におののく姿は、これから始まる血みどろの惨劇を予感させるに十分。

© 1976 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved

クライマックスではデ・パルマ得意のスプリットスクリーン(画面分割)を駆使して緊張感をマックスまでに高めてくれる。そして、いまや伝説ともなったあの驚愕のラスト! 本作の成功がなければ、キングホラーはここまで映画界で愛されなかったかもしれない。

キャリーを演じたシシー・スペイセクはこのときすでに27歳だったが、高校生役に違和感はまったくなかった。

原作とは異なる解釈がせつなすぎる
『デッドゾーン』(1983)

Album/アフロ

タイトルは主人公の超能力のこと。交通事故に遭い長い昏睡状態から目覚めると、触った人間にまつわる死の瞬間“デッドゾーン”を見られる能力を手に入れてしまったのだ。

原作では、その能力によって世界の未来を垣間見てしまった主人公が、人類の悲劇を阻止しようとする大きな物語になっているが、デビッド・クローネンバーグ監督による映画版では、もっと主人公の心情にフォーカスし、彼のせつなすぎる想いを丹念に描き出した。

他者とは異なる能力を持ってしまった人間の悲劇という意味では、むしろ映画版のほうがよりエモーショナルかもしれない。本作も原作とは異なる解釈を施し、胸が痛くなるほどのせつなさを生み出した。主人公を演じたクリストファー・ウォーケンがこれまたすばらしい。

キューブリック版への不満から自ら製作するも…
ドラマ『シャイニング』(1997)

スティーブン・キング シャイニング 特別版(2枚組) 1,572円(税込)
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

キューブリックの『シャイニング』を許せなかったキングは、その怒り(?)を収めるためにTVのミニシリーズを作ることに。キングが共同製作、脚本、さらにはカメオ出演までするという入魂っぷり。監督を務めたのはキング御用達の監督、TVシリーズ『ザ・スタンド』(1994)や『スリープウォーカーズ』(1992)等を手掛けたミック・ギャリスなのだから徹底している。

キングは自分の原作通りに作ったのだが、残念ながら怖くない上におもしろくもない。明らかにキューブリック版のほうが怖いしおもしろいのだ。

結果として、小説と映像のフォーマットの違い、それを意識して撮るべきだということを見せつけるような作品になってしまったが、見比べてみるのも一興だ。ただし、キング自身は本作に大変満足しているという。

自らメガホンを取りながらも惨敗
『地獄のデビル・トラック』(1986)

Album/アフロ

「私の小説が映画になると、ファンはこう言って見ないんだ。『またキングのクソみたいな映画化だろ』って」
自作の映画化に満足するものが少ないせいなのか、こう毒づいていたキング。

そんな彼が脚本のみならずメガホンまで取り、図らずもその言葉を証明してしまったのが短編「トラック」の映画化『地獄のデビル・トラック』だ。

原作は、突然トラックが勝手に暴れだし、人々がドライブインから出られなくなるというだけの話だが、映画版ではそれを地球に接近した彗星のせいでマシンが異常をきたし、人間を襲い始めるという展開に。

キング自身が大好きなB級俗悪映画を目指して作り、実際そうなってはいるのだが、評論家の評判はさておき、興行的にも惨敗をきしてしまった。

ちなみに同時期にロブ・ライナー監督の『スタンド・バイ・ミー』(1986)が公開され、こちらはキング原作映画の最高峰とすべての面で賞賛を受け大ヒット。キング自身も大絶賛している。

文/渡辺麻紀

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