筋肉女子にビンタされ、ケツキックされて吹っ飛んで「ありがとう！」。訪日外国人が「アメイジング！」と喜ぶ新観光名所・エンタメバー＜筋肉女子 マッスルガールズ＞とは

日本人のみならず、海外からのお客が殺到する「筋肉女子 マッスルガールズ」というお店をご存じだろうか。読んで字のごとく、男に負けない筋肉を誇り、そのパワーを持ってして、お客さんにおもてなしをしてくれる女性エンターテインメント集団の店だ。その人気の秘密をオーナーのX氏と、スタッフとして働く2名のマッチョ女子に聞いてみた。

ガンガンにボディビルをやっています！

──本日は取材、よろしくお願いします！ 早速、筋肉女子のお出迎えですね。

ハリ 店長のハリです！
maru （売れっ子キャストの）maruです！

店長のハリさん（左）＆売れっ子のmaruさん（右）

──うわっ、その太い腕、ガチですね！

ハリ ガンガンにボディビルをやっています！

──それにしても店内が派手！しかも冷房がガンガン効いてて冷え冷えですね……。寒くないですか？

ハリ 全然寒くないです。
maru むしろ暑いくらいだよね！

──タンクトップだけど、暑いんだ（笑） 。筋肉のおかげかな!? ここはどういったコンセプトのお店なんですか？

X 筋肉のパフォーマンスを見せて、お客さんに喜んでいただくお店です。ハリのように本格的にボディビルをやっている子だったり、他には格闘技をやっている子、そしてmaruのように自分の理想の体型を目指して日々筋トレに励む子が接客をしています。

──ちなみにお店の女の子は何人いるんですか？

ハリ 40名ほどいます。

──巷のガールズバーだと、1時間飲み放題でいくら、みたいな感じですが、ここはどういったシステムなんですか？

X 日本人は30分1500円（＋消費税10%+サービス料10%)で、外国人はTAXの仕組みが理解しにくいので、30分2000円（税込み）で飲み放題となっています。自動延長システムで、お店だけで使えるお金・10マッスルを1000円で購入していただくと、ビンタをはじめ、いろんなアクティビティを楽しめます。

ハリ 開店は17時で、13席しかありませんが、常に満席状態です。今はだいたい1時間ごとに予約をされたお客さんが入れ替わっています。例えば、まず乾杯して、筋トレマシンに挑戦してもらいます（目標回数を達成すると店内通貨がもらえる）。それから、ビンタなどのアクティビティを楽しんでもらって、最後に私たちのダンスショーを見てもらってちょうど1時間って感じです。

ダンスショーの１コマ

キャスト全員からビンタを欲するお客さんがいる！

──アクティビティって、どんなのがあるんですか？

ハリ ビンタにはじまり、ケツキック、お姫さま抱っこ、おんぶスクワット、女性のお客さま限定でハグしたり……キャストの肉体を駆使したアクティビティになっています。

マッスルメニューにはさまざまなマッスルアクティビティが…

──なるほど…この「ビンタ盛り合わせ」って何ですか？

maru マッスルガールズ全員からのビンタです！ 12人いれば、12発！

──30マッスル＝3000円も払って12発もビンタを受ける人っているんですか？

maru いますよー（笑） 。特に海外の方はビンタが大好きなんです。お金をいただいているので、私たちも思いっきりいきます。お客さんは、叩かれた後は「harder, harder」と言って、もっと強いビンタを要求してきます。12発くらって、フゥーっていい表情になってますね。

ハリ ちなみにビンタではわたし“ラスボス”と呼ばれています（笑）。 学生時代バレーボール部でアタッカーだったので、ビンタをすると相手が舞台から落ちて飛んでいきます。それでも顔はうれしそうなんですよねぇ。笑顔でハイタッチを求めてきますしね。

──完全にM気質の方ですね（笑）。 聞くところによると、外国人のお客さんが多いそうですが。

X 今は9割が外国人観光客ですね。浅草に行ってから、ここに寄るみたいな。日本の新しい観光名所になっています（笑）。

店内に貼られた世界地図にマーキングがしてあり、世界各国からお客さんが訪れていることがわかる。取材当日は、デンマーク、ベルギー、メキシコ、ドイツ、ブルガリアの方々が来ていた

蹴られるために仕事を頑張るお客さんも！

──なぜ外国人がたくさん訪れるようになったんですか？

ハリ お店に遊びに来たお客さんに、在日米軍のアメリカ人がいたんです。彼らがお店の様子をSNSでアップしたところ、たちまち拡散されて、それを機に外国人観光客が来るようになりました。

規定回数をこなすと店内通貨がもらえるルール

──SNSの宣伝効果、スゴいですね！ ビンタ以外に、外国人に人気のアクティビティは何ですか？

ｍaru 「お姫さま抱っこ」です。私の体重は50kg台ですが、130㎏までの男性なら持ち上げられます。

ハリ わたしも130㎏までなら大丈夫です。抱っこしたままスクワット3回できます。100㎏未満のお客さんなら振り回しちゃいますね（笑）。

余裕をもって観光客をお姫さま抱っこするmaruさん

──130㎏ですか!? 米俵が1つ30㎏ですから4つと少し。成人男性でも持ち上がらない重さですよ。ちなみにお客さんに人気のドリンクは何ですか？

ｍaru グレープフルーツサワーですね。私たちがグレープフルーツを握り潰して作ります。中には上半身裸になって頭の上でガーって搾られるのを喜ぶ外国人もいます（笑）。

素手でフルーツを握り潰すマッスルガールたち

──どんだけヘンタイなんですか（笑）。 もっと変わったお客さんはいますか？

ハリ 「どうしてもマッスルガールズに踏まれたい」とお願いしてきた外国人の方がいます。舞台の上で横になってもらって、マッスルガールズ12人で踏みました。ひとりずつじっくり（笑）。 踏まれた後、めっちゃいい顔をしていましたね。
日本人では、全員にお尻を蹴られに来るお客さんもいます。蹴られるために仕事を頑張っているそうです。

彼氏に太りを指摘され……

──なんでマッスルガールズで働くようになったんですか？

ハリ フィットネスクラブの店長をしていたんですが、コロナでお店が休業になってしまって、それでトレーニングの様子をライブ配信していたんです。そうしたら、マッスルガールズの常連さんが配信を見てくれていて、「あなたにピッタリのお店がある」と教えられ、しかもマネージャーに推薦までしてくれたんです。それがきっかけです。

店長のハリさん

──常連さんの推薦なら間違いないですね（笑）。ｍaruさんは？

ｍaru コミュニティサイトの掲示板を通じて、ごはんを一緒に行った方からマッスルガールズで働いているYoutuberのちゃんよたさんを紹介してもらい、会いに行ったら「お店で働きたいんだよね？」って、わたしが働くことが前提になっていました（笑）。 勝手に話が進んでいたんですね。

※ちゃんよた/元警察官。現在、筋肉Youtuber、プロレスラー、セクシー女優として活躍中。

maruさん

──そもそも筋トレにハマったきっかけは？

ハリ ダイエットですね。元彼に「最近、太ってきたな」と言われて。その頃は、吉野家で商品開発をしていたので、食べるのが仕事でした。だからめちゃくちゃ太っていました。それでマラソンを始めて痩せたんですが、その体型が思っていたのと全く違ったんです。寸胴でメリハリのない体でした。

そんなときに、友だちがボディコンテスト「サマー・スタイル・アワード」に出場するということで応援に行ったら、筋肉があるガッチリ系の女の子が舞台で輝いていたんです。衝撃でしたね。「わたしがなりたい体はコレかも！」って思って、即ボディビルジムに入会しました。

※「サマー・スタイル・アワード」は、夏が似合う美ボディナンバー1男女を決めるフィットネスのコンテスト。代表は俳優の金子賢。

ｍaru 筋肉女子あるあるなんですかね。私も太ってて、当時の彼氏に誘われて始めるようになりました。最初はイヤイヤでした。でも筋トレを始めたら、ジムのインストラクターに周りの人より素質があるって、めちゃめちゃ褒められたんですよ。扱える重量もどんどん上がっていって、自分の成長が可視化できて「楽しい！」ってなりました。

出勤からオープンまでは何かしらを食べている

──筋トレを始めて食生活は変わりましたか？

ハリ 以前は働いていたお店のまかないだったり、コンビニ弁当を食べていました。ボディビルを始めてからは、プロテイン、鶏のムネ肉、ブロッコリー、白米を食べるようになりましたね。お米を食べないとパワーが出ないんです。力が出ないと、トレーニングの質を上げることができませんからね。

──店内でも遠慮なく食べていましたね？

ハリ はい。お店の女の子は出勤してから、オープンまで何かしら食べています。わたしはオフの日なら、お米を1日3～4合は食べますね。ハンバーガーも食べるし、牛丼なら特盛りです。筋量を増やすために、意図的に炭水化物を多めに摂ることがあるんです。

ハリさんの増量期（左）とコンテスト時の姿

──maruさんは食に対して変化ありましたか？

ｍaru そもそも食べることがめちゃくちゃ好きだったんですけど、太っていたので、例えば甘いモノを口にすると、すごく罪悪感がありました。

でも筋トレをはじめからは、食べることへの罪悪感がなくなりました。というのも、トレーニング後は、糖分を補給することで筋肉の成長が促されるので、摂取する必要があるんです。だから、甘いモノを食べても問題ないんだって、前向きに捉えられるようになりましたね。今は洋菓子でなく和菓子を食べることが増えました。

かつてはブヨブヨだったmaruさん

福利厚生はプロテイン、月15㎏を消費…

──キャバクラやガールズバーといえば、「飲んでもいいですか？」と女の子から一杯催促されますが、お酒は飲むんですか？

ｍaru 筋肉にお酒はよくないので、わたしたちマッスルガールズは飲みません。代わりにプロテインを飲んでいます。

ハリ お客さんからいただくのとは別に、プロテインはお店の福利厚生として飲み放題なんです！

X いやー、ほんとみんなよく飲むんですよ。お客さんも含めてですが、月15㎏は消費していますね。もしかしたら、大手のジムなんかより多いかもしれないですね（笑）。

──やはり好きなタイプはマッチョですか？

ｍaru ごはんをたくさん食べる人です。お店には付き合う条件として、腕の太さが40㎝以上ないと「無理！」ってキャストもいますよ（笑）。

ハリ 私は断然マッチョがいいです。脚が太い人がいいですね。太くするのってすごく大変なんですよ。だからそこまでする努力にリスペクトですね。

筋肉を鍛える前と後ではタイプが変わりました。「太ってきたな」って言われた彼と結婚したんですが、ボディビルの大会にのめり込み過ぎて、家にいなかったり、食事も完全に別でした。わたしはお酒も飲まないし、質のいい睡眠を取りたいので寝室も別で、さんざん文句を言われ、結局離婚しました。

でも離婚したおかげで、フルタイムで働けて、店長にまでなれて。ひとり暮らしってボディビルにめちゃくちゃ集中できて最高です！

──今後の目標はありますか？

ｍaru 筋トレに興味はあるけど、ちょっとハードルが高いと思っている人に、わたしたちがその垣根を取り払えたらいいなって思っています。

ハリ まずは8月にボディビルのコンテストがあるので、それまでに体重を12～13㎏減らすのが目標ですね。最終的には、日本屈指の女性ボディビルダーになりたい。それからお店でショーをやっているので、メンバーと日本や海外を回ってショーをやってみたいですね。

現在、ハリさんはボディビルのコンテスト（JBBF主催）に参戦中

取材・文／集英社オンライン編集部

『筋肉女子 マッスルガールズ』
JR池袋駅から徒歩2分。東京都豊島区池袋2-41-2ハヤマビル6F。店内通貨を購入して、ビンタをはじめ色々なアクティビティが楽しめる。
HPはこちら！＜https://musclegirls.jimdofree.com/＞