2020年に起きたコロナショックは、はからずも日本人の死生観を浮き彫りにしました。恐らく第二次世界大戦後、日本人が今回のコロナ騒動以上に死に直面して動揺した事態はなかったと思います。
資料から読みとる限り、日本人は第二次世界大戦までは、死を身近に感じている民族でした。前述のように、かつては医療水準が低く、天然痘やコレラなどの疫病で多くの死者が出たこともありましたし、飢餓や飢饉も頻繁に起きていました。
あるいは、モンゴル人が中国を征服して鎌倉時代の日本を攻め込んだ「元寇」のように、外敵に脅かされる事態もあれば、内乱に巻き込まれて命を落とす可能性も多分にありました。
そんな中で、日本人は死を冷静に受け止めながらも必死で生き抜こうと頑張っていたわけです。
日本人の死生観が大きく変わったのは、第二次世界大戦後です。