戦国屈指の勇将として名を馳せながら、その気の短さや嫉妬深さでも知られる細川忠興。生涯、忠興からの愛や時代の波に翻弄され続けたその妻・ガラシャ。ガラシャの壮絶な死は、関ヶ原の戦いの戦況にも影響を及ぼしたとされています。彼らはなぜそのように生き、死ななければならなかったのか―― 独自の視点でその真相に迫り、みずみずしい筆致で描ききった『花散るまえに』は、2019年に第32回小説すばる新人賞でデビューした、佐藤雫さんの最新作です。刊行にあたり、お話を伺いました。
聞き手・構成=小元佳津江/写真=露木聡子