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〈今からできるエアコンの節電ポイント3〉30分程度の外出なら「つけっぱなし」に、就寝時の室温の目安は28度、急冷したいときに下げるのは設定温度ではなく…

集英社オンライン / 2023年8月31日 8時1分

もう8月も終わりだというのにまだまだ残暑が厳しく、夜も25℃以上と熱帯夜が続き、もうしばらくエアコンのお世話になりそうだ。とはいえ、電気代の高騰でなるべく節電したい気持ちもやまやま。エアコンの使用法についてはこれまでにも多々言われてきたが、結局のところ、正解とは? 今からできるエアコンの効率よい使い方をダイキン工業株式会社コーポレートコミュニケーション室 広報グループ重政周之さんに解説いただいた。

熱帯夜はエアコンをつけっぱなしに

ダイキン工業株式会社は、熱帯夜の日数が増加する8月を前に、全国の20歳~59歳の男女524名を対象に「夏の睡眠時のエアコン使用に関する意識調査」を実施した。

その調査の中で、夏の睡眠時のエアコン使用について不満や困りごとがあると回答した人を対象に、その具体的な内容について、複数回答形式で尋ねたところ「身体が冷えたり、だるくなったりする」が52.8%、「自分に適した設定温度が分からない」が39.1%、「タイマーが切れた後に暑くて起きてしまう」と「エアコンをつけたままにすると寒くて目が覚めてしまう」が33.0%という結果になった。


夏の睡眠時のエアコンは、結局のところ、どのように使用するのがいいのだろうか。

「こういった猛暑日や熱帯夜が続くなかでは、熱中症を予防するための暑さ対策として睡眠時は冷房をつけっぱなしにしておくことをおすすめします。
よく冷房運転と除湿運転のどちらがいいのか、と聞かれますが、エアコンの除湿機能とは基本、湿度を下げることを主目的としています。いっぽう、冷房は温度を下げていくもので、それに合わせて湿度も下がっていきます。
熱中症予防のための暑さ対策として、湿度を抑えることは重要ですが、まずは部屋の温度を下げて涼しい環境を作ることが優先されると思うので、冷房運転をしていただきたいですね」(重政さん)

つけっぱなしにしたほうがいいのは、なぜだろうか?
同社では、マンションの寝室に設置されたルームエアコンを用いて、睡眠時にエアコンを「つけっぱなし」にした場合と「3時間の切タイマー」を設定した場合の「室温」と「暑さ指数(WBGT)」の変化を計測する比較実験を行った。
その結果、切タイマーを設定すると、エアコンが切れた後にはWBGT値が時間の経過とともに上昇し、明け方には熱中症への警戒が必要とされるWBGT値である25℃ほどに。
外気温度の上昇や住環境によっては、WBGT値が25℃以上になることも考えられるという。
これはやはり熱中症リスクの下げるためにもつけっぱなしのほうがよさそうだ。

室温は28℃に調整、風向は水平がおすすめ

暑い夜は冷房をつけっぱなしにするほうがいいのはわかったが、問題は温度である。
どれくらいに設定すべきなのだろうか?

「住環境やその日の気温などによりますが、室温が28℃程度になるような設定温度にすることをおすすめします。また湿度を下げることも大切です。湿度が20%変われば、体感温度は4℃変わると言われているので、ご自宅のエアコンに目標湿度を設定できる機能があれば目標温度の設定とあわせて、目標湿度を50%~60%に設定すると快適な環境づくりに効果的です。その機能がない場合は、除湿器などを併用し、湿度を調整するのも工夫のひとつです」(重政さん)

また風向も、部屋の温度のムラや一定の室温を保つために大切なポイントだそうだ。

「エアコンの風が直接体にあたるのがイヤという場合は、風向を水平にして、エアコンの吹出口から直接体に当たりづらいようにしてください。
また、節電の面でも水平にするのがおすすめです。
暖かい空気は上昇する性質があり、冷房中は天井付近と床付近の温度に差が出る『温度ムラ』が起こりやすくなります。『温度ムラ』が発生すると、エアコンの無駄な運転につながりやすくなります。少しでも『温度ムラ』を抑えるには風向は『下向き』ではなく『水平』にするのがおすすめです」(重政さん)

30分程度の外出なら「つけっぱなし」のほうが節電になる

ほかにもエアコンの節電につながることはあるのだろうか?
2週間に1度の室内機のフィルター掃除は節電のポイントとして知られているが、室外機の周辺を片付けることも節電につながる。

「エアコンは、室内機で取り込んだ空気から熱を集めて、熱が減って冷たくなった空気を室内に戻すことで部屋を涼しくしています。室内の空気から集めた熱は室外機まで運ばれ、室外機から屋外へ追い出されます。室外機周辺に段ボール箱や鉢植えなどの障害物を置いて吸込口や吹出口をふさいでしまうと、効率的に排熱できなくなり、無駄な電力消費につながってしまいます。周辺には余計なものは置かないようにしましょう」(重政さん)

さらに節電のポイントとして大きいのが、エアコンの心臓部分ともいえる圧縮機への負荷だ。

「エアコンは室内機で集めた部屋の中の熱を、冷媒というガスにのせて室外機から外に逃がして部屋を涼しくしています。この冷媒を循環させているのが、『エアコンの心臓』ともいえる『圧縮機』です。圧縮機は、冷媒を吸い込んで圧力をかけ送り出す動作を繰り返す部品です。実はこの圧縮機がエアコンの消費電力の80%を使っているんです。
この圧縮機への負荷を抑えることが節電のポイントです」(重政さん)

圧縮機への負荷を抑える工夫はさまざまだが、例えば次の3つのようなポイントがある。

節電ポイント1:スイッチオン・オフは控えめにする

記者はエアコンをつけていて、30分ほど近所に買い物に行くときなどは、エアコンを消したり、こまめにエアコンをスイッチオン・オフしたりしているが、これだと逆に圧縮機に負担をかけ、電気代が余計にかかってしまうそうだ。

エアコンはスイッチを入れた直後、勢いよく運転して部屋をすばやく冷やそうとする。そのとき圧縮機は、より多くの熱を運ぶために運転の力を強める。室温が設定温度に達すると、圧縮機はその状態を維持できる程度に力を落として安定運転を続けるようになる。
そしてまた部屋が暑くなると圧縮機はまた動きを強めるため、スイッチのオン・オフを繰り返すと、圧縮機への負荷が高まる頻度が増え、その分、より多くの電気が必要になるのだ。

「ダイキンの実験では、日中30分程度の外出なら、一度オフにするよりつけっぱなしのほうが電気代の節約につながる結果となりました。温度調節のための頻繁なオン・オフはなるべく控えるようにしましょう」(重政さん)

節電ポイント2:設定温度を下げる代わりに風量を上げる

早く部屋を冷やしたいとき、エアコンの設定温度をいつもより低くすることがあるが、そうなるとより多くの熱を運ぶことになり、その分圧縮機に負担がかかり、電力を使うことに。
そんなときにおすすめなのが風量を上げて、体感温度を下げることだ。

「風量を上げると、ファンの音が大きくなり、電気をたくさん使っているように感じてしまうかもしれませんが、実はファンが使う電力は圧縮機が使う電力と比べてとても少ないので、はるかに省エネで電気代の節約につながります。冷房運転中に少し暑いと感じたときは、設定温度を下げる前に風量を強めてみてください」(重政さん)


節電ポイント3:「風量自動」で効率的に運転する

また、節電しようと常に風量を弱めにしてしまう人もいるが、これも圧縮機に負担をかけ、電気代がかかることになるようだ。

「風量を弱めにすると熱交換器を通る空気の量が減り、熱を集めるのに時間がかかります。その分圧縮機に負荷がかかり、やはり余計な電気を使ってしまいます。風量を自動にしておくと、エアコンはスイッチを入れたあと、どんどん熱を運び出しすばやく部屋を涼しくします。必要な分だけ室内の熱を減らせたら、あとはお部屋の温度を維持できるように安定運転を続けます」(重政さん)

風量弱めだとファンが静かなので、節電になるかと思われがちだが、「風量自動」のほうが
より効率的な運転になり、電気代の節約につながるようだ。


「その他、部屋の空気がムラにならないように風向は水平にする、サーキュレーターなどを活用すると節電につながります。
まだまだ残暑が厳しい日々が続くので、エアコンを上手に使って熱中症を予防しながら、暑さを乗り越えていただきたいですね」(重政さん)

ダイキン工業株式会社
https://www.ac.daikin.co.jp/roomaircon

取材・文/百田なつき

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