「映画料金が高い」とよく言われる。筆者の周りではよく聞く。
ある世代以上で、「映画は1800円」が常識として頭に染みついている映画好きは多いのではないか。実際、映画の一般料金は1990年代半ばに概ね1800円に統一されて以降、少なくとも四半世紀にわたって1800円だった。だが、2019年6月、TOHOシネマズが1800円から1900円へと値上げした際には、今回と同じように他社が追随。そのたった4年後に2000円となった。「こないだ値上げしたばかりでは!?」と口にしてしまう御仁は多かろう。
とはいえ「映画鑑賞料金が高い」という巷の不満は、今に始まったことではない。映画専門誌「ロードショー」の1991年3月号には「映画入場料金は高いか安いか?」という5ページにわたる問題提起記事が掲載されている。32年前の時点で「鑑賞料金は高い」と感じる人が――映画専門誌を読むような映画ファンの中にすら――それなりにいたということだ。