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俺たちのファミレスが激減、存続の危機に! ズブの素人が本気で提案するファミレス復興のための4つの秘策

集英社オンライン / 2023年8月30日 19時1分

長らく憩いの場であり、家族全員が満足できる貴重な空間だったファミリーレストランが衰退の危機にあるらしい。これまでお世話になった“ファミレス”に元気に存続してもらうためにできることはないのだろうか。

長い減少傾向にコロナ禍が追い打ちをかけ、オワコン化寸前のファミレス

ファミリーレストランというビジネスモデルはもう古く、おのずと衰退していく運命にあると言われて久しい。
業界全体の店舗数は、だいぶ前からなだらかな下降線をたどっていた。
そのうえ飲食業界を直撃したコロナ禍が追い打ちとなり、ファミレスはいよいよオワコン化の瀬戸際を迎えているようなのだ。

特に、和・洋・中華・エスニック等のメニューを満遍なく総合的に取り揃える、“ザ・ファミレス”的な店には厳しいところが多いらしい。


その一方で、ロイヤルホストのように、“ザ・ファミレス”でありながら店舗数をキープしているチェーンもあり、一概にファミレスという業態の構造自体に問題があるとは言いにくいようだ。

だけどまあそのへんの小難しい話や個別チェーンの分析は、外食業界の専門家やマーケティングマンたちに任せ、僕は減少の一途にあるファミレス界について、門外漢として感覚優先のゆる〜い論を展開したいと思っている。
この先は、それでもいいやと思える人にだけ読んでいただきたい。

ちなみにファミリーレストランという言葉は、広義では回転寿司や焼肉店、ステーキ&ハンバーグ店、中華専門店、イタリアンなども含めた、カジュアル系の大手チェーンレストランすべてを指すようだが、僕が思いを馳せているファミレスとは、老若男女向きでオールジャンルのメニューを取り揃え、4〜5人単位のボックス席が並ぶ典型的な“ザ・ファミレス”のことなので、そこんとこもよろしくお願いします。

illust AC

1969年生まれの僕がそんなファミレスに対して感傷に近い思いを持つのは当然で、ファミレスが隆盛だった1980〜90年代前半、僕はちょうど10代から20代という人生でもっとも多感な時期を迎えていた。
家族の食事の場から“若者の居場所”へと発展した、ファミレスの機能をフル活用してきたのは、僕のような現在50代を迎えている世代が中心なのではないかと思う。
東京のあちこちのファミレスのボックス席には、家族や友人たちとの記憶から、甘酸っぱかったりほろ苦かったりする青春時代の思い出まで、たくさん落っこちているのだ。

『デートではファミレスを使うな』というホットドッグプレス的マニュアルを遵守し、やや遠ざかり気味だった時期を経て、家族を持った今世紀以降、再びファミレスのヘビーユーザーに戻った。
俺はステーキ、ママは坦々麺、娘はオムライス。
そうしたてんでバラバラな一家の要望に応え、しかもそれぞれの料理がきちんと美味しいファミレスはやはりとても便利で優しく、これからもどうぞよろしくと思っていたというのに、このままオワコンとなってしまうのはいかにも残念なのである。

我が青春期と家族形成期に激しくお世話になったのがファミレス

ここからはちょっと蘊蓄。
1970年代前半に相次いでオープンした「スカイラーク」(のちの「すかいらーく」)、「ロイヤルホスト」、「デニーズ」(アメリカのレストランのライセンシー)が日本のファミレスカルチャーを作った3大チェーン。
そのうち、1970年にいち早くオープンしたスカイラークは、当初「コーヒーショップ・スカイラーク」という名称だった。

コーヒーショップというのは、アメリカではコーヒーと軽食を提供する、どちらかというとビジネスパーソン向きのチェーン系レストランの総称である。
のちにスカイラークは、ターゲットとする本来の客層に合わせて和製英語の“ファミリーレストラン”に冠を改め、それが徐々にカジュアル系レストラン全体を表す呼び名になっていった。

1970年代半ば当時、団塊世代が家庭を作り、これまでの日本の伝統とは違う核家族が増え“ニューファミリー”と呼ばれるようになっていた。
そんな若い家族をメイン客層と見込んだレストランだったので、ファミリーレストラン=ファミレスとは、まさに相応しい呼び名だったのだ。

その後、首都圏や地方都市に特色あるファミレスが続々とオープンするが、業界最大手のすかいらーくが1980年にオープンさせた「ジョナサン」と、1992年にオープンさせた「ガスト」が特筆に値する。

特にバブル崩壊期に実験店として始まった、低価格路線のガストは大成功を収め、本家のすかいらーくを食うような形で全国に拡大していった。

家族それぞれに好きなものを食べられるのがファミレスの魅力。photo AC

そんなファミレスだが、特に今世紀に入ってからはっきりと衰退に向かったのは、消費者の嗜好やトレンド、行動様式の変化、競合の増加、コスト高など複合的な要因によるもので、簡単に断言できるわけではないようだ。

それはわかっちゃいるのだが、僕はここで門外漢の無責任さから、我が青春のファミレスが復活できるような施作を考えてみたいと思う。

明日のファミレスのために、素人がマジで考えた4つのアイデア

1 ポピュリズム的メニューからの脱却

ファミレスのメニューは一般的に、ユーザーの好みや意見を強く反映させた、最大公約数的なもので構成されている。
もちろん、そうした安心感のあるメニューがファミレスの大きな売りであることは間違いないが、衰退傾向にある今となってはもっとチャレンジングなメニューを扱ってみてもいいのではないだろうか。
全メニューのうち半分くらいは、日本人のほとんどが聞いたことも食べたこともない料理を用意したら、これまでファミレスに足を向けなかった層の開拓につながるだろう。
僕だったらそうですな、イヌイットが食べる動物性たんぱくのみの“ユピック料理”なんて、ぜひ一度食べてみたいなと思っちゃう。

2 完全個室メインの店舗をつくる

一部のファミレスではおひとりさま需要を喚起するため、一人席の拡充を行なっているようだが、その逆の発想で、ファミレス本来のグループ客にとって本当に快適な空間をつくることだ。
子供の泣き声や大声、また若者のおしゃべりによる喧騒もファミレスらしさではあるが、やはり隣の席の声は騒音にしかならない。
よって、少なくても四方を囲う背丈以上のパーテーション、できれば完全個室でグループ客のみのためのプライベート空間を確保する。
完全個室は3名以上のグループ優先だが、追加料金を支払えば2人連れや個人客も部屋を使うことができるようにすればいい。

3 全メニューで量の指定ができるようにする

もともとは中年男性客がメインターゲットだった牛丼店や立ち食いそばに、最近は女性客も多いのは、分量の指定を細かくできるからだと聞いたことがある。
自分が食べられる、あるいは食べたい量によって、あらかじめ並盛、大盛、特盛とメニューが分けられているから、残してしまう心配がなく入りやすいのだそうだ。

そういえば、大きくファミレスにくくられることもあるチェーン展開の回転寿司や焼肉は、もともと少量の料理を自分の食べたい分だけ追加していく方式なので、子供から少食の大人、たっぷり食べたい僕のようなデブちんまで、一緒にテーブルを囲むことができる。
ファミレスも全メニューに、「並、大、特」と分量指定をできるシステムにしよう。
そうすればフードロス対策にもなるし、何よりこれからの時代に増加する、シニア個食にも対応できるはずなのだ。

4 インバウンド狙いのメニューをしっかり

あらゆるメニューを取り揃えているように見えるファミレスだが、意外に弱いのは寿司、天ぷら、そば、そしてラーメンなどの外国人観光客にわかりやすいベタな日本食メニューである(ラーメンも日本食)。
くら寿司のような回転寿司チェーンは逆に、寿司以外のメニューを拡充し、言うなればファミレス化することによって支持を拡大しているのだから、ファミレス側も遠慮することはない。
インバウンド狙いのメニューを拡充し、目立つようにアピールしてもいいのではないだろうか。

‥‥‥‥

なじみのネオンサインが消える日が来ないように。photo:Daisuke Matsumura/Flickr

本当はキリよく5つのアイデアを出そうと思ったのだが、もうネタ切れだ。
まさに素人考えで、飲食業界の人から見たら笑止千万なアイデアかもしれないし、とっくの昔に検討したけど却下した考えだったりするのかもしれないけど、我ながら悪くないんじゃないかと思う。

笑わずに、もし可能性があるなら誰か検討してみてください。
だって、“俺たちのファミレス”の火が消えちゃうなんて、そんな寂しいことはないのだから。

文/佐藤誠二朗

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