ちばあきおは1943年、満州生まれ。4人兄弟の三男。長男は『のたり松太郎』『あしたのジョー』を描いた、ちばてつや。次男はちばてつやプロダクションを差配した、千葉研作。弟の四男が『Dreams』『風光る』など原作者として活躍する、七三太朗。
こうした「マンガ兄弟」に生まれ、あきお自身もまた、読者の心に残り、長く愛される名作を描いている。ただその生涯は長いとはいえず、1984年に41歳で他界した。
ちばあきおの生涯と創作について息子・千葉一郎が書いた『ちばあきおを憶えていますか 昭和と漫画と千葉家の物語』。家族をはじめ、漫画家・高橋広、原作者・武論尊、担当編集者・谷口忠男ら親しかった人々に取材し、ちばあきお作品の持つ繊細で美しい魅力のルーツを伝えている。そのほんの一部として、ちばあきおのデビューとなる話を抜粋した。