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KIRINが免疫ケアの習慣化を狙う。濃くも薄くもないおいしさ、ブルーと白のパッケージ変更…「おいしい免疫ケア」の戦略とは

集英社オンライン / 2023年9月8日 11時1分

近年の環境変化などを機に「免疫」への関心がいっそう高まる中、キリンが販売する「おいしい免疫ケア」が好調だ。なぜキリンは免疫機能の機能性表示食品としての届出受理できたのか? 「おいしい免疫ケア」の戦略について、キリンホールディングス株式会社ヘルスサイエンス事業部マーケティンググループ主務 鈴木侑磨さん、キリンビバレッジ株式会社マーケティング部ブランド担当 主務 山中 進さん に訊いた。

キリンはなぜ免疫機能を訴求する機能性表示食品を届出受理されたのか?

日本で初めて(※1)免疫機能を訴求する機能性表示食品として、消費者庁に届出受理されたプラズマ乳酸菌が配合されたキリンの「iMUSE」商品。
なぜ消費者庁に届出受理されたのだろうか?



キリンは35年間におよぶ免疫研究から一般的な乳酸菌は一部の免疫細胞のみ活性化させるが、「プラズマ乳酸菌」が「免疫の司令塔」である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を直接活性化することができることがわかった。
活性化された司令塔の指示・命令により、免疫細胞全体が活性化され、外敵に対する防御システムが機能するというわけだ。

「免疫機能の機能性表示食品として取得できた理由は大きく2つあると考えています。
一つ目は対象となったプラズマ乳酸菌がしっかりしたエビデンスがある存在だったことです。プラズマ乳酸菌が『pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)』に直接働きかける乳酸菌として世界で初めて(※2)2012年に論文で報告されました。それまでそういったものはないと言われていましたが、『プラズマ乳酸菌』があるというのが論文で発表されたのが大きかったと思っています。
また二つ目は、取得したのが2020年だったのですが、それまでの8年間、弊社では常に研究成果を消費者庁に報告してきたということです。
エビデンスと長年の研究成果の報告によって、プラズマ乳酸菌が免疫の司令塔である(pDC)を活性化させるものだと説得できたからだと考えています。また機能性表示食品化以前からプラズマ乳酸菌の商品は販売していましたが、特に問題もなく、販売していたので、そういった安全性も担保できていたのではと思っています」(鈴木さん)

こうして2020年11月より、免疫機能の機能性表示食品として新発売した「iMUSE」シリーズは飛躍的に売り上げを伸ばすことになる。
折しもコロナ禍だったこともあり、消費者も免疫ケアに関心が高まっていたことも理由だと考えられる。

※1 2020年9月 機能性表示食品の届出情報検索を用いたキリンホールディングス調べ
※2 ヒトでpDCに働きかけることが世界で初めて論文報告された乳酸菌(PubMed及び医中誌WEBの掲載情報に基づく)

KIRIN 「iMUSE」飲料シリーズ

プラズマ乳酸菌による免疫ケアを習慣化させたい

同社は、2023年3月28日、プラズマ乳酸菌を1000億個配合した機能性表示食品「おいしい免疫ケア」を新発売した。
同商品は、前身商品の「iMUSE 朝の免疫ケア」の中味とパッケージをブラッシュアップしたものとなる。

「『おいしい免疫ケア』は体だけの健康ではなく、気持ちも含めて元気に前向きな生活のために貢献したいという思いが出発点になっています。
そうなると単純にプラズマ乳酸菌の機能だけをアピールしても、伝わりません。飲料メーカーとしてはやはり、おいしさにこだわりたいと考えました。そこでおいしくケアできる商品があれば、心身ともに健康的な生活に貢献できるんじゃないかと考えたのがはじまりでした。免疫ケアは日々の習慣化が大切です。免疫ケアを習慣化してもらうフラッグシップアイテムとなるような商品にしていくことを目標にしました」(山中さん)

容量は100mlで飲みやすい量にし、味も試行錯誤を繰り返した。
「習慣化するためには、味が濃くても薄くてもいけません。またおいしくないと続けられないと思うので、おいしさとすっきり飲めるという両立を目指しました」(山中さん)

また、パッケージも赤と白が中心だったものから、爽やかなブルーと白を基調としたものへと転換した。
「前のパッケージがなんとなく薬っぽい感じでしたし、『免疫』という文字もそういったイメージもあったので、毎日の生活で取り入れやすいブルーと白の色合いでヨーグルトテイストの爽やかなおいしさをアピールできるパッケージに変更しました」(山中さん)

爽やかなパッケージが特徴 「キリン おいしい免疫ケア 100ml」

さらにキリンのシンボルである「聖獣麒麟」を「おいしい免疫ケア」では採用していない。
「『聖獣麒麟』のマークはブランドの信頼感として機能しますが、ビールのイメージが強い部分もあり、どうしても年代が高い方向けのものと思われることも。幅広い層に習慣化してもらうため、あえてマークを外してKIRINのみにしました」(山中さん)

6月末にはカロリーを50%オフした「キリン おいしい免疫ケアカロリーオフ 100ml」の販売がスタートし、より免疫ケアを気軽に取り入れられるようになっている。

さまざまな取り組みによりおいしい免疫ケアシリーズは、おいしい免疫ケア本体の販売好調・カロリーオフ商品の品追により、朝の免疫ケアと比較して7月単月の販売数量は、前年同月比較で約3.3倍となり好調に推移した。

「特に6本パックの販売が好調で、スーパーなどの量販店でご家庭のストックとして購入いただいています」(山中さん)

習慣化しやすい6本パックセット

「キリン おいしい免疫ケア カロリーオフ 100ml」

免疫ケアをもっと広めたい

キリングループでは、プラズマ乳酸菌を使った商品は、飲料のほかにヨーグルト、サプリメントなどに展開し、免疫ケアの定着を目指しているが、自社のみのだと限界があるため、キャンディやシリアルといった、ほかの業界にも同社のプラズマ乳酸菌を提供している。

「健康課題というのがトレンドで非常に重要に感じている企業さんが多いと感じています。
そういった理念を同じくする企業さんと一緒にプラズマ乳酸菌を広めることで、免疫ケアをもっと習慣化していきたいと思っています。キリングリープだけでは訴求できない分野やターゲットにも免疫ケアを届けることができるので、今後もそういった企業さんと協力して広めていきたいですね」(鈴木さん)

「今後もライフスタイルに合わせて、取り入れやすいようにラインナップ拡充していきます。免疫ケアが心身ともに前向きな生活に貢献できることを願っています」(山中さん)

キリン おいしい免疫ケア
https://www.imuse-p.jp/plasma/oishii-meneki/

取材・文/百田なつき

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