――去年(2021年)の12月、そして今年の3月には10年ぶりのライブ「後藤真希 Billboard Live ~Reply~」が開催されました。
今回、セットリストは90%くらいは自分で考えました。このライブ会場で、バンドスタイルで…というのは、スタッフさんが考えてくれました。バンドスタイルで歌うというのは初めてで…ハロー!時代に「Rockですよ!」というライブでバンドをバックにやったことあるけど、あれはどちらかというとパフォーマンスを見せるものだったので、歌を聴かせるというのとは違いましたからね。
――確かに、今回は後藤真希の歌を聴かせるライブでした。
私、歌えるのかなって…そう一番思いました。
――そこですか! 長く見ているファンは、そこは心配していませんでしたが…。
いやあ、なんとかなったので、安心しました。
――本人は、そんな感じなんですね。ファンからするとこれまでの経験上、後藤真希はちゃんと仕上げて来るよねとしか思っていませんでしたが…。
本当にリハーサルをやっている時間が、なかったんですよ! 12月は2.5日くらいしかなかったし、3月の追加公演なんか1日だけですよ! よく言われてますけど完璧主義者というようなタイプだと思うんですけど、自分の中でまだ完璧になっていないところが多かったから、ほんっとに不安で! だから大阪でやった1回目のときは、もう手も足も声も震えてしまって、膝が笑っちゃってましたもん(笑)。
…でも、いざステージに立って数曲歌っていくうちに、ようやく昔やっていたライブの感覚っていうのを、思い出しましたね。
――そういう感覚だったんですね。
だって、本当に約10年ぶりのライブですよ。10年のブランクがあって、いきなりステージを、作らなければならない。相当なプレッシャーでしたね。
――いやいや、ファンからすると、完璧でしたよ。
私、歌に自信がないんですよ。歌に自信がないから、うまくその曲を表現できているか、不安でした。だけど、ライブをやっていくと成長するじゃないですか。だからまあ、ライブを重ねて、表現できるようになっていったのかなと思っています。
――ハロー!のソロになってから、特に「はたち」(2005年9月23日、20歳の誕生日からスタートしたツアー「後藤真希 CONCERT TOUR 2005 AUTUMN ~はたち~」のこと)以降くらいは、ライブツアー中にどんどん変わっていく、進化していくのを感じていました。
そうそうそうそう、何度もやっていくなかで、その場の空気で、自分でやれることをやっていきましたね。
――正直、歌に自信がないというのは、これまで聞いたことがなかったので意外です。それは、ハロー!時代もそんな感じだったんですかね?
ハロー!のときは、もはや歌っていたっていうよりも、全体的なバランスだったのかなって思いますね。
――歌唱力ではなくて、パフォーマンス全体で魅せるいう感じですかね。
当時はダンスとか、パフォーマンスとかがメインだったと思います。それと比べて今回のライブは、歌を聴かせるのがメインなんで、全然違いましたね。