下着メーカーからファッションブランドを始動することになったきっかけとはどんなことだったのだろうか?
「やはりワコールとの接点をなかなか持てていなかったユーザーの方にも、今の時代に合った新しい提案ができないかというところが出発点でした。
『アワワコール』では、ワコールの持つ下着の開発技術や人体計測データを活用しながら、外部のファッションのスペシャリストと協力をすることで新しいファッションアイテムを開発していくことになったんです。
例えば、カップ付きインナーウェアは市場としてもすでにすごく大きくなっている中で、やはりワコールとしてはもっとお洋服をきれいに着こなせて、自分らしく楽しめるようなアイテムでお手伝いができたらという思いがありました」(高橋さん・以下同)
ファッションや洋服に対して、何事にもとらわれない、自分らしく洋服を楽しみたいという今のニーズに、ワコールとして商品提案をし、応えていきたいというのがブランド誕生の経緯だ。
また「アワワコール」の誕生には、ワコール創業時の企業精神が深く関わっている。
「ワコールが戦後の和装から洋装にかわる流れの中で、女性に服をきれいに着こなしてもらうためにブラパットを取り扱い始めて、その後、下着分野をどんどん追及していくようになって、今があります。洋服や価値観が時代と共に変わり、多様化していく中で、自分らしい着こなしを楽しんでもらうために、ワコールが創業時から蓄積してきた、下着のノウハウでお手伝いしたいという思いがあります」
クリエイティブディレクターにはスタイリストとして活躍する一ツ山佳子氏を迎え、デザイナーには坂寄順子氏を起用。ワコールの人体計測データ、下着の開発技術と、ファッションのスペシャリストの知見を掛け合わせ、高い実用性とファッション性を兼ね備えた服の提案を行っている。