「最初は僕もみなさんと同じように、自分の弁当だけどおかずを2品3品、栄養バランスを考えて野菜も入れていたんですよ。でもそれがだんだんと面倒になってきて、野菜を外しておかずも単純にしてと、1年ぐらいかけて手間を減らしていきました」
ホイップ坊やさんは、ハードコア弁当誕生の経緯をそう語る。
そして2017年1月、お正月にもかかわらずバイトをしていたホイップ坊やさんは、「今日の僕のハードコア弁当」と称して、初めてその写真をツイッターにアップした。
集英社オンライン / 2022年5月23日 11時1分
新年度が始まり、あなたはこういう決意をしたかもしれない。「これからは毎日、弁当を手作りして持っていこう」。最初はお弁当用のおかずを買ったり、盛り合わせに凝ったりして楽しかっただろう。しかしそれも1か月を過ぎて、あなたは今、こう感じているはずだ。「面倒くさい……」。そんな人にお勧めしたいのが、ハードコア弁当である。タッパーウェアに白米をドーン ! その上におかずをまたドーン ! キャラ弁なんかぶっ飛ばす、実用一点張りの弁当である。考案者であるお笑いタレントのホイップ坊やさんに聞いた。
「最初は僕もみなさんと同じように、自分の弁当だけどおかずを2品3品、栄養バランスを考えて野菜も入れていたんですよ。でもそれがだんだんと面倒になってきて、野菜を外しておかずも単純にしてと、1年ぐらいかけて手間を減らしていきました」
「ハードコア」と名付けたのは、「見た目が原始的で野性的だから」。見た人からは「すごい!」「美味しそう」「これでいいじゃん」という好意的な反応がほとんどだったという。
「思いのほかウケたのは、そのころからキャラ弁とかデコ弁とか流行っていて、みんな実はお弁当作りに疲れていたからだと思います」
「ただこの勘違いは今もあるんですが、僕は自虐でハードコア弁当を作っていません。たしかにカネがなくてお弁当を作り始めたんですが、ハードコア弁当は自分にとって不要なものを順番にそぎ落としていった、『合理のカタマリ』なんです」
ああ、誇り高きハードコア弁当!
ハードコア弁当、その揺るぎなき自己肯定こそが、最高のおかずだ。
ホイップ坊やさんは毎日、ハードコア弁当の写真をネットにアップしている。過去の傑作をご紹介しよう。ハードコア弁当の基本形は、白米に味が濃いおかず(それもスーパーで安売りになっていたもの)をひとつだけ乗せること。たとえば「コンビーフ」などは、ひと切れだけでもおかず戦闘力は高い。
「ハムステーキ」も定番だ。これを見たホイップ坊やさんのバイト仲間が「令和の日の丸弁当だ」と感動したという。
一方で不評だったのが、「生ハム」を乗せたとき。生ハムの塩気で米が進むというのだが……。
「生ハムというオシャレな語感にカチンときたのか、友だちから『変わっちまったな、お前も』『セレブかよ』とか散々でした」
ハム2枚でこの言われよう。なかなか厳しい世界である。
他にも「マカロニサラダ」「チヂミ」で彩りの変化を楽しむこともできる。
「マカロニの代わりにポテトサラダでも意外に米が進みます。でもチヂミの代わりにお好み焼きはまだ試したことはありません。なんか違う気がして」
あんまりチヂミと変わらない気もするが……。
失敗もある。スーパーで袋入りの「なめこ」を買ってきて、そのまま白米の上にオン。バイト先の電子レンジで温めると、なんともいえない臭気が漂ったのだとか。「恐らくなめこを下処理してから載せるべきだったんでしょう」(ホイップ坊やさん)
このハードコア弁当はどのように作られるのか。ホイップ坊やさんから「3ステップ作成術」を教えていただいた。
1・まずご飯5合を一度に炊く
2・そのあと1合ずつ、5つのタッパーに小分けして、それぞれおかずを載せていく
3・最後にまとめて冷凍庫へ
「あとは冷凍したものを職場に持っていって、電子レンジで温めるだけです。これだと週末に5日分のお弁当を一気に作れます」
と、ここで、気付いた人がいるだろうか。ひとつのタッパーにご飯1合も入るのか……。そう、比較対象となるものが写真に写っていないが、実はハードコア弁当で使用されているタッパーは巨大なものだ
「いろいろ有名メーカーのものとか試してみて、大きさや強度からイオンで売っている850ミリリットルのものに辿り着きました。僕はこれを15個くらいもっていますよ」
サイズは縦203ミリ×横138ミリ×高さ(深さ)63ミリというもの。人の顔ぐらいある。とはいえは最新型のMacBookProより二回りぐらい小さいので、これからは、デキるビジネスマンの鞄の中はMacの隣にハードコア弁当、という時代も来るかも知れない(厚みは4倍くらい違うが)。
ここまで読んだあなたにも、ぜひハードコア弁当作りにチャレンジしてほしい。そこでホイップ坊やさんに、初心者に向けてオススメのデビュー作を考えてもらった。それがこれ、「焼き鳥2色弁当」だ。
「焼き鳥はイナバさんの缶詰で、塩味とたれ味を使っています。別にホテイさんのものでも構いません。いきなりおかず1品だと職場の人に与える衝撃が大きくて、『あいつよっぽどカネに困っているな』とか思われてしまうので、最初は2品から。これだと『ダイエット中なんで』とか言い訳もできます」
ハードコア弁当は海外にも注目されている。ホイップ坊やさんが作品をインスタグラムで紹介すると、シカゴに住むフォロワー数100万人というインフルエンサーのシェフから「いいね」が一度に100個もついて、「Perfect !」というDMが送られてきた。
「たぶん登りルートは違っても、お互い料理の頂は極めた、ということなんでしょうねえ」
……揺るぎない自己肯定こそが、最高のおかずである。
ホイップ坊やさん。ピン芸人/インフルエンサー。究極のシンプル弁当「ハードコア弁当」がネット上で反響を呼び、主婦と生活社から料理本を出版。同年、影響力のあるインスタグラマーを表彰する「インフルエンサーアワードジャパン」で最優秀賞。他、自身のYouTube番組「ライスオンミー」でパーソナリティを務めている
(写真は全てホイップ坊やさんから提供)
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