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仕事であなたが評価されない本当の理由…日本のハラスメント問題を深刻化させる、自分の優位性をひけらかしたい“アホ”の正体

集英社オンライン / 2023年10月13日 18時1分

他人はあなたの人生に責任をとってはくれないのに、誰かの目や期待を基準にして生きていないだろうか? 誠実さや従順さがよしとされる日本社会にはびこる“アホ”との上手な向き合い方を紹介する。『頭に来てもアホとは戦うな!賢者の反撃編』(朝日新聞出版)より、一部抜粋、再構成してお届けする。

アホにこき使われないためには?

相手を都合よくこき使ってくる、リスペクトのないアホも少なくない。

「都合がいい」とは「(自分のために)利用しがいがある」ということだ。

日本では、誠実さや従順さが良しとされるが、それはあくまで利用者からみた使い勝手の良さを下々に叩き込むための仕組みである。都合のいい存在から脱却するためには、ここに気がつくことが大切だ。



ただ、敵をつくったりするのは愚かなことなので、あくまで表面上は友好的に、しかし無駄に利用されないことが必要となる。

そのためには「陰で努力しない」ことだ。

手柄は手柄として理解されるように、「表に出す」必要がある。一番大事な評価者にはもちろん、その周りにも「自分が始めて、そしてできたことだ」と手柄になる過程を全て公開してシェアすることだと覚えておこう。

成果が出たあとで手柄として公表したら嫌な奴になりかねないため、最初からさりげなく「自分がやっています」とアピールしておくとよい。自分の貢献状況を皆にシェアするのは、早ければ早いほど自然だ。

具体的な方法としては、「今、こんなことをしているんですよ」「自分なりにこんな工夫を考えています」などと、ニコニコと自然に頑張りを周囲に伝えていくことだ。こうした方法なら、謙虚な人でもしやすいだろう。

せっかく仕事を引き受けたのに、隠れて努力をしたために手柄をとられて、モヤモヤを抱えながらそれでも笑顔でいるなんて、あまりに悔しいことだ。

あなたの努力が理解されれば、評価につながり大きなチャンスが与えられる可能性もあるし、何より最終的に気分が悪くなることはない。

苦しい思いを抱えながらも、ニコニコとできるのは最強の武器だ。それをアピールに活かしていこう。大事なのは、努力を表に見せるということを「格好悪い」などと思わないこと。見せていないとずるい人に利用されてしまうだけなのだから。

お人好しはもうやめよう。あとで後悔する。最終的に利用されて、苦しくなっているのが何よりの証拠だ。

「役に立つ」という考え方ももちろん大事だが、それはあなたの評価を上げるためにやることだ。利用されるためにやるべきことではない。あなたの遠慮がちな姿勢は搾取側から見たら蜜の味だ。

もし、今の自分に自信がないとしても、周りと比べる必要はない。自信はあった方がいいが、あり過ぎても問題だ。

何事も淡々と安定してこなしていくこと、それが大切だ。コツコツと取り組んでいくと、ある日振り返れば意外に大きな実績が積み上がっていて、それが自信の根拠になっていく。だから、自信の有無を考える暇があれば目の前のことに集中する方がいいだろう。

目の前の仕事をアピールしながら懸命に頑張っていたら、「自信がない」などと考える暇もなくなる。取り組んだことは全力でやるしかない。それを続けていけば、それなりに結果が出てくるだろう。「やるしかない」、そういう気持ちでアピールを忘れずに全力で向かう、その姿勢が評価はもちろん、根拠ある自信形成にもつながり、アホを遠ざけられるようになる。

クレーマー体質なアホは徹底的にシカトせよ

しかし、アホの中には、どこに地雷が埋まっているかわからず、ちょっとしたコミュニケーション不足による誤解で怒り出したり、きつくつめてくる輩がいる。

そういった非常にセンシティブなアホはとても扱いにくい。そんなアホの目的とはどんなことなのだろうか。

こういう人物が怒る場合、誰かが地雷を踏んでいるというよりも、何を言っても文句を言う人物と心得ておこう。そこに明確な理由はないはず。

なぜなら、本当にあなたのことを信用できないなら、「黙って会わないようにする」だけだからだ。とにかくあなたをいたぶりたいだけなのだ。

こうした行動をとる背景には、大きなストレスを抱えている、ふだんは自分が低く見られている、などいろんな理由が考えられる。どの理由だとしても、あなたが変わることで、この人があなたに態度を変える可能性は低いだろう。悪化することはあっても、改善の見込みはない。

まずすべきなのは、本当にこの人とビジネス上の付き合いを続けることが必要か、冷静に胸に手を当てて考えることだ。付き合わなくていいなら、徐々にフェイドアウトして関係を切っていった方が精神衛生上いいだろう。

仕方なく付き合うしかないなら、もう割り切って、好き勝手言わせておくことだ。いちいち気にせず、受け流そう。

他人の気持ちはコントロールできないし、しかも他意があってわざと言っているのならなおさらだ。気にしても何もいいことはないどころか、悪いことしか起こらない。何を言われても真に受けない、と心に刻もう。そして、できることならば目の前から徐々に消し去るように事を運んでいこう。そうした方が、目先には色々打撃があっても、長い目で見たらずっといいはずだ。

役に立たないアホにいい顔をするお人好しは卒業しよう。

日本のハラスメント問題はなぜ深刻なのか

アホが取りがちな行動の一つに、ただ自分の優位性をひけらかしたいばかりに、ハラスメントを行うことがある。

海外でもパワハラやセクハラはあるが、日本ほど深刻な問題とはなりにくい。

その最大の理由は「ハラスメントが酷ければ辞めるだけ」だからだ。

居心地の悪い場所に、自分を殺してまで頑張って居座る人はほとんどいないのだ。いい職場でも、次のキャリアアップのステップを目指して3〜4年でいなくなるのが普通だ。

日本の企業社会も昔と比較したらモビリティが出てきたが、まだまだだ。まだ日本では新卒でせっかく入った会社だからと辞めない人が多い。だからアホは安心してあなたたちをいたぶるのだ。

新卒至上主義も時間の問題でなくなるとは思うが、日本社会では中途採用へのリスペクトとフル活用がまだ遅れているのが現状だ。

中途採用は新卒で入った会社の待遇を上回る場所がまだまだ少ない。実は、日本の大企業で新卒者でも、今やアジアの有望企業以下の給与待遇であり、欧米の一流企業に比べると一桁二桁少ないこともある。

しかし、海外の情報が日本語にならないので、新卒至上主義はしぶとく残ってしまっているのだ。

アホと戦わないために、思い通りの転勤や社外でキャリアアップできるモビリティを得るためには、社内でコツコツとした準備が必要だ。

実績を出し続け、訴求効果の高い資格を取り、いいものが見つかるまでの貯えも準備しないといけない。無駄使いせず隙間時間には勉強して、会社では実績づくりに精を出す。

アホ対策のためだと思うとこれらの努力はちょっとむなしく感じるかもしれないが、これらの努力はアホに関係なくあなたの人生を輝くものにしてくれる。

社内に残っても社外に出てもあなたを助けてくれるものばかりだ。大きな意義を感じながらモビリティづくりを頑張ろう。世界では高度人材こそこういうたゆまぬ努力をやっている。その努力こそが、アホを退ける。

「自信オーラ」でアホ避けを

アホは基本的に小さな人間である。自分より立場の弱い相手、自信がなくびくびくしている人間を嗅ぎつけて攻撃するのだ。

彼らは敏感である。攻撃対象を選ぶ場合、「自信オーラ」で判断する。「自信なさそう」な人間ほど安心して攻撃してくるのだ。

「自信があるオーラ」を出している人間は面倒である。「世間知らずの根拠のない自信」も百戦錬磨のアホには、それを打ち砕ける自信はあるので、純粋まっすぐな経験に裏打ちされていない自信家君も狙われる。

アホが怖いのはアホの攻撃を含めて人生の辛酸を嘗め切ってそれを乗り越えてきたようなオーラである。これは静かなオーラである。苦労する人生を送り、アホにもいたぶられたが、経験をコツコツと重ねて、自分を成長させ、困難を乗り越えてきたようなオーラこそアホを震撼させるのだ。

自信オーラを身につけるには、漫然と生きてはいけない。何のために今何をしているのか、その意義は何なのかをしっかりと考え、死ぬときに最高の思い出を持っていけるように逆算して人生を送らなければならない。

この心の持ちようができれば、一見どんなに大変な環境に置かれようが、コツコツとした行動の積み重ねで、水滴が岩を砕くように、たいていのことは乗り越えられる。こうした行為の積み重ねこそが、アホがおそれおののくような自信につながる。

アホを「揺るがない自信オーラ」で撃退するのはあくまでおまけのようなものだ。死ぬときに後悔しないように人生を大事に生きることが、自信につながり、その結果としてアホを撃退できる。その過程でアホなどどうでもよくなっていく。

ふとした瞬間に「ああ、そういえばアホを撃退していたなあ」と思いだす程度のことである。

自分の人生の目的に向かってコツコツと努力を続けてきた自信からくるオーラがアホに対する最大の武器となる。


文/田村耕太郎 写真/shutterstock

『頭に来てもアホとは戦うな!賢者の反撃編』(朝日新聞出版)

田村 耕太郎 (著)

2023/4/24

¥1,540

228ページ

ISBN:

978-4022518958

★★★80万部突破のベストセラー、8年ぶりの新刊!★★★

あなたを振り回す厄介な「アホ」とどう向き合うべきか?
世界で活躍する著者が、実践的な「アホ対策」を伝授。
他人に振り回されず、自分の人生を取り戻すための戦略書。

【CONTENTS】
●アホとの戦いは消耗戦であると心得よ
●アホにムカついても平静を保つための技術
●お人好しをやめることでアホを近寄せない
●アホを躍らせて正面対決を避けろ
●アホを観察すると自分が成長する
●アホに囲まれて自分を見失いそうになったらーー
●アホに振り回されないリーダーになるには?
●有害なアホから身を守る「モビリティ」のススメ
……etc

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