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コミックス売上200万部、アニメも放送中の漫画家が借金地獄に…「ロレックスをたまに買うくらいじゃびくともしない」と豪語していたのになぜ?

集英社オンライン / 2023年10月26日 17時1分

2004年に連載デビューし、「週刊少年マガジン」を中心に20年近く漫画家を続けているヒロユキ氏には5000万円の借金がある。しかも、住宅ローンなどではなく、腕時計のショッピングローンだという…いったい彼に何が起こったのか。『アニメ化4作品のマンガ家が腕時計にハマった結果5000万円の借金をつくった話』(ワニブックス【PLUS】新書) より、一部抜粋・再構成してお届けする。

#2

前提

これは『カノジョも彼女』の連載中に行われた時計購入にまつわるあれこれです。『カノジョも彼女』は約3年間連載され、全16巻のコミックスが国内で200万部ほど売れました。テレビアニメも放送され、2023年の10月からはアニメの第2期も放送されます(宣伝)。



そこそこのヒットです。原稿料、コミックスの印税、海外出版の印税、アニメをはじめとした版権収入。それら全てを合わせてかなりの金額をいただきました。

そんな収入を時計に垂れ流し、なんなら連載前より大幅に貯金額を減らし、ローンを抱えるまでの様をどうぞご覧ください。

しかし連載を乗り切れたのは時計を買いたいというモチベーションがあってこそ、というのも実際問題少なからずあり、そこは時計に感謝。

ではどうぞ。

『カノジョも彼女(1)』(原作者/ヒロユキ、講談社コミックス)。アニメ『カノジョも彼女』2期はMBS、TBS、BS TBSの「アニメイズム」枠で放送中。

沼はロレックスなどから始まった…

『カノジョも彼女』の連載開始直前に、ステンレス製のデイトナ(ロレックス)を購入できた。その後は連載が始まって毎日毎日原稿作業に忙殺され、お店に通い詰めるなんてことは全然できず……というわけでもなく、あれこれと理由をつけて、結局週1か少なくとも2週に1回は真面目に通っていた(緊急事態宣言中は除いて)。

お目当てはプラチナ製のデイトナ。ロレックスではプラチナ製のみに許されるアイスブルー文字盤のデイトナ。人気モデルのデイトナの中でもトップランクの風格。キングオブデイトナと言っても過言ではない超絶かっこいいモデル。唯一の欠点はプラチナは比重が重く、ステンレス製のデイトナに比べると倍くらいの重量があることくらい。

当時からかなり頻繁に生産終了が近いという噂があり、まぁまぁ焦りつつも愚直に通い続け、ステンレスのデイトナ購入から1年後、めでたく在庫があり購入。

これは本当に嬉しかった。正直買うのはかなり難しいだろうと言われていたからと、単純にデイトナの中でこれが一番かっこいいと思っていたから。

透き通るようなアイスブルー(水色)文字盤が本当に綺麗で、インデックス(時計の1から12の数字の部分)に配置されたさりげないバケットダイヤがぎらつかない程度にキラッと輝きカッコいい。

お値段はたしか当時で860万。まぁ高いよね、はい。でも最高。

まだ借金には程遠い。僕は本当にこれまでめちゃくちゃ働いて貯金をしてきたので全然余裕ですよ。へへへ。

プラチナデイトナを購入した2カ月後にもう1本

次に買ったのは「デイデイト」というモデルのイエローゴールド仕様。当時イエローゴールド製でグリーンの文字盤のデイトナが大人気だった。

それも良いなと思いつつも似た色合いで、デイデイトにもグリーンの文字盤があり、個人的にデイデイトは一本欲しかったのでそっちを狙うことにした。

ただ、デイデイトには文字盤のバリエーションが非常に多く、入荷があってもどの文字盤が入荷されるかわからないので、特定の色の文字盤のみを狙って買うのはちょっと難易度が高い。

しかし、ロレックスには文字盤交換というシステムがある。

要するに時計の文字盤を、別の色とかに交換できるサービスだ。稀に交換できない人気の文字盤があったりするものの、お目当てのグリーンの文字盤は交換可能だったので、店頭にあったシャンパンカラーの文字盤のデイデイトを購入し、即文字盤交換に出してグリーンに変更。合わせてお値段400万ちょい。ちなみにプラチナデイトナを購入した2カ月後。完全に調子に乗っている。

そこからさらに別の文字盤。天然のターコイズを使った文字盤が気になり、さらに文字盤変更。こちら文字盤料金で130万円ほど。文字盤でこの値段はちょっとびびった。だけど僕の勘ではきっとめちゃくちゃかっこいいはず、と思い飛び込む。なお実物は見たことがなかった。

結果的にこのターコイズ文字盤は非常に気に入った。イエローゴールドのケースに鮮やかなターコイズブルーが非常に華やか。イエローゴールドの気分が上がる感じに、天然石もまた宝石と似たテンション上がる感じがあって、それが合わさりとても良い。

天然のターコイズの水色の鮮やかさは、たぶん塗装とかで出すのはかなり難しそうな非常に彩度の高い水色で引き込まれる。しかもケースやブレスレットまで全部バチバチのイエローゴールド。いやもう文字盤の色と合わさるとめちゃくちゃ派手で、漫画家友達の前とかにつけて行く勇気とかは全然ないんだけど、一人でつけてニヤニヤするには最高。テンションバチクソに上がります。

2年近く通い続けてついに購入できた約500万のGMTマスターⅡメテオライト文字盤

その次に狙うはGMTマスターⅡメテオライト文字盤。時計友達が持っていて一目惚れ。これは買えるまでにすごく時間がかかったけど、諦めずに2年近く通い続けてついに購入。約500万。

メテオライトというのは隕石のことで、実際の隕石をスライスしたものを文字盤に使っているため、ターコイズ等もそうだが、一つ一つ模様の入り方が異なる一点物。

個人的にロレックスはこういう素材使いや色の使い方が非常に好き。機械は精度も高く、ケースやブレスの質も高い。さらに時計としてのデザインは王道中の王道。王道のデザインで売れるのは王者たる歴史と質の高さという強みを感じる。漫画で言うとジャンプみたいな存在だと感じる。クオリティが高く万人ウケしやすくめちゃくちゃ売れる。半面変に尖った作品は少ない、みたいな。

だからロレックスの大枠のデザイン自体はいい意味で特徴は少ない。時計に詳しくない人が見たら「普通の時計」となるのがロレックスの時計だと思っている。

しかしそんな中で文字盤の素材やデザイン、色使いで、時折本当に面白い遊び心を発揮してくる。ケースの色と文字盤の組み合わせで、真面目で質の高い時計にワクワク感を追加してくるロレックスの時計は非常に僕は好きだし、底が知れないと感じる。

僕の中でのそういったモデルで特に欲しかったのが、さっきのイエローゴールドデイデイトのターコイズ文字盤と、GMTマスターⅡのメテオライト文字盤。

とにかく時間はかかったけど、諦めずお店に通って購入できて本当に満足。こいつ本当に週刊連載しているのかという疑問を持たれるくらい時計屋さんに行っている。

ベゼルの赤と青のカラフルでカジュアルな感じで、通常モデルは黒文字盤に対してこのモデルはキラキラと輝く白いメテオライト文字盤。

カジュアルな時計にこの白く輝く文字盤の爽やかさが合わさることでなんとも言えないかっこよさ。角度を変えるたびに煌めき方が変わる。カジュアルだけじゃなく、綺麗なだけでもない。その融合した感じが最高だ。

そんな感じで連載中に3本。なかなかの金額ですね。でも正直、週刊連載でそこそこ売れてるなら、ロレックスをたまに買うくらいではびくともしない。

休日なしで毎日12時間以上のブラック労働で人気がないと速攻で首を切られるけど、人気さえあればこのくらいは余裕。漫画家最高。連載はしんどいけど……。

(あと逐一金額書いてますが、これはまだ「書けるくらいの金額」だから書いている、と思ってください。ここから先は結構桁が変わってくるのでところどころふわっとさせます!一番高いやつは恥を忍んでちゃんと書きます)

文/ヒロユキ 写真/shutterstock

『アニメ化4作品のマンガ家が腕時計にハマった結果5000万円の借金をつくった話』(ワニブックス【PLUS】新書)

ヒロユキ (著)

2023/10/11

¥990

192ページ

ISBN:

978-4847066986

100万円単位が当たり前でありながらも、一度”沼”にハマると
抜け出せなくなると言われている高級時計の世界。
どのブランドも魅力的で、国内外でその人気はどんどん高まっています。

こうした中、実際にその高級時計にハマり過ぎて
5000万円のローンを抱えることになったマンガ家がいた!

・デイトナマラソン?
・レア時計のための「実績」?
・資産価値ってどうなの?

『アホガール』、『カノジョも彼女』などの代表作があり、
2023年現在4作品がアニメ化されているマンガ家・ヒロユキによる、
衝撃のお買い物エッセイ。

オメガ、ロレックス、A.ランゲ&ゾーネ……そしてたどり着いた先は!?

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