ジャニーズ事務所会見における指名NGリスト発覚をきっかけに、記者会見のあり方にかつてないほど注目が集まっている。これに関連して10月5日に松野博一官房長官は「(首相会見では同様のリストは)存在しない」とコメントしたが、同会見にフリー記者の立場で継続的に参加する筆者はこの発言に強い違和感を抱いた。
確かに同会見に指名NGリストは存在しないのかもしれないが、だからといって質問者が公平に指名されているわけでは決してない。正確に言えば、「不都合な質問をする記者を指名回避する仕組みをすでに確立させているため、NGリストを作成する必要はない」のだ。
大前提として、首相会見の指名には大きな偏りがある。現に筆者が約2年間(2020年9月16日~2022年10月28日の36回)の同会見の指名状況(回数、順序)を多角的に調査した際、指名が極めて恣意的に行われている事実が定量的に明らかになった。