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シュワ&スタローンも真っ青? 世界一幸せな国フィンランドで不死身のヒーロー映画が爆誕! 笑っちゃうほどの不死身ぶりを解説

集英社オンライン / 2023年10月27日 11時1分

10月27日公開のフィンランド映画『SISU /シス 不死身の男』の主人公が強すぎると話題沸騰! そこで、映画の中でしか存在し得ない、不死身のヒーローが活躍する名作映画の数々とともに、その魅力を解説する。(トップ画像『SISU /シス 不死身の男』© 2022 FREEZING POINT OY AND IMMORTAL SISU UK LTD. ALL RIGHTS RESERVED.)

予備知識のないフィンランド映画の面白さに驚愕

フィンランドという国に、筆者は特に何か具体的なイメージを持っていない。経済協力開発機構(OECD)の評価だと「世界で最も競争力が高く、かつ市民が生活に満足している国のひとつ」だそうで、昨年、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてNATOへの加盟に踏みきったのを知っているくらいだ。



映画産業というのも、隣国スウェーデンが巨匠イングマール・ベイルマンや、大女優グレタ・ガルボ、イングリッド・バーグマンを生み出しているのと比べると、ほとんど知られていない。だが、そのフィンランドで「5か月連続トップ10入りの大ヒット作」だという触れ込みで公開される『SUSU /シス 不死身の男』を見たら、その面白さにきっと誰もが驚愕し、アドレナリン全開になること請け合いだ。

ツルハシ一本で戦う『SISUシス/不死身の男』の衝撃

© 2022 FREEZING POINT OY AND IMMORTAL SISU UK LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

タイトルのSISUとはフィンランド語で「不屈の闘志」とでもいうべき意味の言葉で、主人公のアアタミという老兵はまさにSISUを体現する不死身の男。舞台は第二次大戦末期で、ナチス・ドイツに侵攻されて国土が焦土と化した母国で、相棒の愛犬ウッコと共に、たったひとりでナチスの戦車隊と戦う。持っている武器はなんと、ツルハシ一本のみ!

だが、老兵と侮ってはいけない。アアタミは殺された家族の復讐のため対ソ戦に参加。ひとりで300名のソビエト兵を倒し、制御不能のスーパーソルジャーとして自由に行動する、例えて言えば“ワンマン・ワグネル”のような存在なのだ。

どのくらい不死身なのかは、映画を見て自分の目で確かめてもらうしかないのだが、過去多くの映画で描かれてきた不死身のヒーローたちの系譜に連ねても遜色ない。それどころかお釣がくるくらいの、あまりに不死身すぎて笑っちゃうくらいのヒーローなのだ。そのすごさを、過去の不死身のヒーローたちのポイントと比べてみよう。

スタローンの代表作『ランボー』シリーズ

REX/アフロ

ランボーは1982年から2019年まで5作品、実に37年もの長きにわたってシルヴェスター・スタローンによって演じられてきた。当然ながら、36歳だった第1作と73歳の第5作とではスタローン自身の身体の状態も違うから、ここでは、間を取って第3作『ランボー3/怒りのアフガン』(1988)の不死身シーンを見てみよう。

ソ連軍の捕虜となったかつての上司で唯一の友人でもあるトラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)を救出するべく、アフガニスタンに乗り込んだランボー。首尾よく大佐を見つけるものの、ソ連軍に脇腹をボウガンで射られて重傷を負ってしまう。いったん退いたランボーは、なんと自ら脇腹の矢を抜くと、燃える木を傷口に突き刺して消毒する。何としても大佐を救い出したいという「不屈の闘志」ゆえに、自らの荒療治で傷が化膿しないように処置したのだ。

『SISU /シス 不死身の男』のアアタミにも、自ら肩口の傷を荒療治で処置するシーンがあるのだが、スタローンが『ランボー3/怒りのアフガン』のときに42歳だったのに対してアアタミを演じたヨルマ・トンミラは撮影時に63歳だから、シーンの迫力はなおスゴイ。

シュワルツェネッガーが体を張る『コマンドー』

Moviestore Collection/AFLO

スタローンの永遠のライバルであるアーノルド・シュワルツェネッガーもまた、不死身のヒーローを演じている。彼の場合、『ターミネーター』シリーズが不死身度でいえば最高だが、そちらは人間ではなくサイボーグなので、ここでは『コマンドー』(1985)で彼が演じたジョン・メイトリックスを見てみよう。

元コマンド部隊長のメイトリックスは愛娘と2人で平穏に暮らしていたものの、武装集団に娘を拉致されてしまう。南米某国の大統領暗殺を強要され無理やり南米行き飛行機に乗せられるが、娘を救出することを優先したい彼は、何とか監視役を倒し、飛行機からの脱出を目論む。

飛行機に乗せられたメイトリックスは、隣に座る監視役の男の一瞬のスキをつき、首を折って殺害。「連れは疲れて寝ているから起こさないで」とCAに伝えて席を立つと、貨物室から滑走する後部車輪の軸にしがみつき、時速100キロを超える離陸中の飛行機から池に飛び込んで脱出するのだ。

愛する娘(子役時代のメリッサ・ミラノ!)を取り戻すために体を張るメイトリックス=シュワルツェネッガーは、怒りや憎しみがモチベーションのアアタミとはまた違ったカッコよさがあるのだ。

メル・ギブソンの代表作『マッド・マックス』

Moviestore Collection/AFLO

次に、筆者が紹介したい不死身のヒーローは、メル・ギブソンを一躍スターに押し上げた『マッド・マックス』シリーズの主人公マックス・ロカタンスキーだ。同シリーズでは、2作目以降は核戦争後の荒廃した世界を背景に、マックスが生き残ったコミューンの人々や、原始的な生活を送る子供たちを救うべく凶暴な暴走族たちと戦う様子が描かれる。

マックスは卓越した運転テクニックと生き残る術に長けており、どんなに派手にクラッシュし、傷だらけになっても生き残る。もちろん常に満身創痍の状態なのだが、回復力も尋常ではなく、相棒の犬が心の支えとなってくれている点もアアタミと同じだ。

妻子を襲撃され、最後に残った家族ともいえる愛犬へのある想いが、傍観者の立場だったマックスに悪党どもを全滅させる決意をもたらす。身体は不死身だが、その心はウェットなのだ。

頭脳で戦う不死身の英国紳士ジェームズ・ボンド

PictureLux/アフロ

ジェームズ・ボンド役はこれまで何人もの俳優によって演じられてきたが、ショーン・コネリーとともに最多タイ7作品で演じたロジャー・ムーア版のボンドは、不死身シーンの宝庫。『007/ムーンレイカー』(1979)のプレ・タイトル・シークエンスを見てみよう。

チャーターした小型機の機長を含め、みなが敵だとわかったボンドは、パラシュートを背負った機長を機外へ放り出すものの、自身も空中に放り出される(パラシュートなしで!)。それでも慌てないのがボンドたるゆえんで、彼は時速200キロで降下しながら先に放り出した機長に追いつくと、空中での格闘の末にそのパラシュートを奪って見事に生還する。

この手に汗握るシーンは、007シリーズのファン一押しの不死身シーンだが、続くシーンでは涼しい顔で「飛行機からパラシュートなしで突き落とされちゃったよ」と上司Mの秘書ミス・マネーペニーに言うボンドは、同じ不死身キャラでも常に傷だらけのアアナミとはちょっと違う。あくまでも英国紳士なのだ。

ちなみにこのシーンにはVFXなどは一切使っておらず、スタントマンが実際にパラシュートなしで飛び出し、空中で機長役のスタントマンからパラシュートを奪うシーンを撮影している。撮影に参加したスタントマンもまた、ボンド並みの不死身のヒーローといえるかもしれない。

“人間味”が魅力のジェイソン・ボーン

『ボーン・スプレマシー』
DVD 1,572円税込
Film ©2004 Motion Picture THETA Produktionsgesellschaft mbH & Co. KG and Universal Studios. All Rights Reserved.

『ボーン・アイデンティティー』(2002)に始まるシリーズの主人公ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、米国CIAが3000万ドルかけて作り上げた人間兵器のような究極の諜報員で、要人暗殺ミッションをしくじって撃たれ、記憶喪失になったという設定だ。
格闘技や武器の扱い、車の運転テクニックはもちろん、語学力も危機察知能力も最高の達人で、身体的ダメージへの耐性も強い、まさに不死身の男。

第2作『ボーン・スプレマシー』(2004)は特に不死身シーンが満載だ。ベルリンの地下鉄高架駅で追い詰められた際には、線路を横切って川に浮かぶ曳舟に決死のジャンプ。足を捻挫するが、そのままモスクワへ移動するタフさを見せる。そして今度はスナイパーに肩を撃ち抜かれるもウォッカを吹きかけてワイルドに消毒し、壮絶なカー・チェイスの末にスナイパーを仕留めている。

このあたりはランボーやアアタミと同じような不死身ぶりだ。ただし、ボーンの場合、ターゲットの家族を目にして非情に徹しきれず暗殺を躊躇するような人間味こそが魅力となっている。

『SISU/シス 不死身の男』
© 2022 FREEZING POINT OY AND IMMORTAL SISU UK LTD. ALL RIGHTS
RESERVED.

こうしていろいろな作品の不死身ヒーローを比較してみると、頭脳・知識・武器の扱い方への習熟によってどんな困難にも対応するボンドやボーン、体力勝負のランボーやメイトリックスのようなマッチョ系、そして満身創痍ながら驚異の回復力で生き残るマックス、といろいろなタイプがいる。

それら歴代の不死身キャラのいいとこ取りをしたキャラクターが『SUSU /シス 不死身の男』のアアタミだといえそうだ。

フィンランドのアクション映画、恐るべし!

文/谷川建司

『SISU/シス 不死身の男』(2022)SISU 上映時間:1時間31分/フィンランド

1944年 第二次世界大戦末期、ソ連に侵攻され、ナチス・ドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。凍てつく荒野を旅する老兵アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)は、愛犬ウッコを連れ、掘り当てた金塊を運ぶ途中でブルーノ・ヘルドルフ中尉(アクセル・ヘニー)率いるナチスの戦車隊に遭遇、金塊も命も狙われるハメに。アアタミが手にしているのはツルハシ1本と折れない心=SISUだけ。それでも戦場に落ちている武器と知恵をフル活用し、ナチス戦車隊相手に、機銃掃射を浴びても、地雷原に追い込まれても、縛り首にあっても、挙句の果てに戦闘機にツルハシ1本で食らいついても、絶対に死なない! 多勢の敵を相手に、アアタミはいかにして戦い、そして生き抜くのか――。そしてアアタミの目的地とは?

10月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2022 FREEZING POINT OY AND IMMORTAL SISU UK LTD. ALL RIGHTS
RESERVED.

twitter:https://twitter.com/sisu_japan @SISU_japan #シス不死身の男
公式サイト:https://happinet-phantom.com/sisu/

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