フィンランドという国に、筆者は特に何か具体的なイメージを持っていない。経済協力開発機構(OECD)の評価だと「世界で最も競争力が高く、かつ市民が生活に満足している国のひとつ」だそうで、昨年、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてNATOへの加盟に踏みきったのを知っているくらいだ。
映画産業というのも、隣国スウェーデンが巨匠イングマール・ベイルマンや、大女優グレタ・ガルボ、イングリッド・バーグマンを生み出しているのと比べると、ほとんど知られていない。だが、そのフィンランドで「5か月連続トップ10入りの大ヒット作」だという触れ込みで公開される『SUSU /シス 不死身の男』を見たら、その面白さにきっと誰もが驚愕し、アドレナリン全開になること請け合いだ。