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電動歯ブラシは歯並びのいい人向け、歯と体の健康を保ちたいなら歯ブラシに1アイテムをプラスして…歯みがきマニア推奨の正しい磨き方とは

集英社オンライン / 2023年10月31日 11時21分

毎日の習慣となっている歯みがき。虫歯や歯周病にならないようしっかり正しく行いたいもの。歯ブラシ、電動歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどデンタル商品はいろいろあるけど、何をどう使うのが正解なのか? ドイツ発祥のデンタルグッズ専門店「メガデント」銀座店を経営し、歯みがきマニアでもある酒向淳さんに取材した。

歯ブラシ1本ではきれいに磨けない

歯ブラシといってもさまざまな種類がある。ヘッドが小さいもの、山切りのブラシになっているもの、ラバー素材のものなど、種類を挙げるとキリがないほど。
いったいどの歯ブラシを選べば、きれいに磨けるのだろうか?

「ご来店されるほとんどの人は、皆さんそう尋ねられますが、そんな魔法みたいな歯ブラシはないです! だいたい、皆さん、歯みがきには歯ブラシと歯磨剤の2つのみを使う人が多いですよね。たまにデンタルフロスを使っている人もいますが…。せいぜい2~3種類くらいですよね。」と酒向さん。



確かに記者も歯ブラシ、歯磨剤、デンタルフロスの3種類だ。
「さまざまな歯ブラシはありますが、1種類の歯ブラシでは奥歯や歯と歯の間など、しっかり磨くのは難しいです。なので、私はいつも1つアイテムを増やしませんか?と提案しています。実は私…だいたい12種類のグッズを使って磨いています。」

なんと12種類! 酒向さんが使用している12種類はこちら。
歯ブラシ 歯磨剤、ワンタクトブラシ、舌ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ、フッ素ジェル、オーラルリンス、ホワイトニングジェル、カルシウム、歯茎マッサージャー、ウォーターピック、オーラルケア食品(乳酸菌やキシリトールガムなど)。

「毎回ではないですが、しっかりケアするためにこの12種類を使っています。でも、ふだんでも4~6種類は使って歯磨きしています。
なので、できれば、歯ブラシ、歯磨剤、デンタルフロス、ワンタクトブラシの4種類は使っていただくのがおすすめです。」

歯磨きマニアの酒向さん。お店には常時1000種類以上のアイテムが並ぶ

「この中でワンタクトブラシが馴染みないと思いますが、オーラルケアの先進国のドイツやスウェーデンではメインで使われている歯ブラシです。ペン型で小さく、奥歯の磨きにくいところにも届きます。」

奥歯は、歯周病や虫歯にもっともなりやすい部位だが、普通の歯ブラシだとなかなか磨きにくく、汚れが溜まりやすいのでワンタクトブラシはかなり重宝しそうだ。

「歯並びが悪いところ、かぶせものの根元なども磨きやすいです。歯ブラシで磨いた後に
使うと効率的に磨けますよ。」

記者も取材中に購入した、ワンタクトブラシ。日本製の他、オランダ製もある

とにかく続けることが大切

もう1つ、プラスしたいアイテムのデンタルフロスには、糸状のタイプのもの、スポンジタイプのもの、テープ状タイプと主に3種類ある。
それぞれ、幅の違いやフッ素を染み込ませたものなどあり、自分の歯の隙間に合わせて選ぶのがおすすめとのことだ。

「フロスに関しては、皆さん、歯医者さんで指導を受けてその直後はやるのですが、だんだんやらなくなるというのが傾向です。日本人はだいたい15%ほどしか日常的にフロスを使っていません。普通の歯ブラシでは取り切れない汚れが取れるので、ぜひ使っていただきたいのですが……。

日本人の口や歯並びの傾向からだと、テープ状がおすすめなのですが、一番売れているのが、ファイバークロスタイプのフロスです。細くて毛量があるので、汚れがとれやすいと思っている人が多いからでしょうね。いろいろ種類を使ってみて、自分に合うフロスでお手入れし続けてほしいです。」

電動歯ブラシでしっかり磨けるのは富裕層のみ!?

最近、電動歯ブラシを使う人も多くなってきているが、手磨きとどちらがきちんと磨けるのだろうか?

「電動歯ブラシでも、もちろん汚れを落としてきれいに磨けます。ただし、条件があります。一つは富裕層であることです。
電動歯ブラシはある程度、価格が高額です。
また、最近だと電動歯ブラシにもいろいろあって、充電式の電池で動くものもあれば、乾電池で動くものなど多種ありますが、当然、電池がいいほうが歯ブラシの動きがいいわけです。
そうなるとやはり価格の高い上位モデルの方が電池もよくしっかり磨けます。なので、富裕層という条件を挙げたのです。高価な上位モデルを継続して購入使用できるということですね。
電池を入れ替えて動かす電動歯ブラシタイプはやはり動きがあまりよくないので、しっかり汚れを落とすには不十分なこともあるでしょう。
ただし、ランチの後など短時間で口腔衛生したいというときに使うのは問題ないと思うので、シーンに合わせて使い分けしていただきたいですね。

もう一つの条件は歯並びがきれいであることです。
お掃除ロボットを想像してみてください。何も障害物がなく平らな床だとスイスイ汚れが絡みとっていくのと同じで、電動歯ブラシも凸凹がなく、きれいな歯並びなら、動きやすく、汚れが落ちやすい。
この二つの条件が揃っているなら、電動歯ブラシでもしっかり磨けると思います。」

電動歯ブラシは歯に当たる部分が大きく、細かい作業が苦手のため、歯並びが悪いのであれば、手磨きしたほうがいいようだ。

虫歯や歯周病はしっかり歯磨きすれば、予防できるのに、日本では、歯磨きについての意識はまだまだ低いと酒向さんは嘆く。

「スウェーデンでは学校の授業の中に組み込まれて、子どものころから歯を大切にする意識が高いです。ドイツも同様で、大人が虫歯で歯科にかかった場合、ほとんど保険は適用されず、高額な自己負担治療となります。よく海外で歯の治療をしたら5000~7000ドルもかかって高額だったと聞いた人もいるでしょう。それくらい、海外では歯の治療費にお金がかかるので、みんな徹底して、オーラルケアをするのです。
日本では普通に虫歯を治療するなら1~3割負担のみなので、他の国より治療費がとても安いです。
これが、なかなか日本でオーラルケアが浸透しない理由の一つだと思っています。」

歯周病や虫歯などで口内衛生が悪化すれば歯を失うだけでなく、細菌によって糖尿病の症状を悪化させたり、心筋梗塞、認知症といった疾患の原因になったりするケースもあり、歯の健康と身体疾患が密接な関係にあることは一般的に認知されるようになってきている。
そのため、国は医療費削減と国民の健康寿命を伸ばすため「国民皆歯科健診制度」の導入を推進している。
近い将来、大人が虫歯にかかると高額な自己負担治療になることも十分考えられるとのことだ。

「歯磨きは、就寝前にしっかり行えば汚れは落ち、口腔衛生がよくなります。だから、今使っている歯磨き習慣に1つでもいいので、アイテムをプラスして、続けてケアしていただきたいです。」

取材・文/百田なつき

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