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空前のデジタル人材不足…リスキリング後に新しい仕事に就くために必要な「3P」とは? 経験のない若者が成長分野で働くための戦い方

集英社オンライン / 2023年11月13日 11時1分

新たにスキルを習得し、職種転換や転職をめざす「リスキリング」。実際に新しい仕事に就くためには、どう行動すればよいのだろうか。『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング【実践編】』(後藤宗明/著、日本能率協会マネジメントセンター)より、一部編集してお伝えする。

#1

スキルベース雇用の時代の職務経歴書の書き方

リスキリングに取り組んで、これからのキャリアを考える際に必要な実践方法について紹介したいと思います。特に社内での配置転換や転職においては、いかに自分のスキルをアピールしてチャンスをもらうかが重要です。

空前のデジタル人材不足により、米国やシンガポールでは従来の学歴重視の採用方法から、ポジションに必要なスキルを保有している人を雇う、スキルベース雇用が急速に広まっています。そのため、従来型の職務経歴のみならず、Skills Description(スキル記述)にフォーカスする書き方の重要性が高まっています。


リスキリング経験者がチャンスをもらう「3P」

リスキリングをして社内で新たなポジションに応募したり、転職を前提として職務経歴書を作ったりする際、心がけていただきたいことがあります。それは現在の立ち位置を冷静に理解した上で応募をするということです。

リスキリングを実施したレベルや内容にもよりますが、よほど恵まれた環境でない限り、即戦力レベルに短期間で到達することは難しく、リスキリング直後の新しく身につけたスキルレベルは初歩レベルである場合が多いと思います。場合によっては、オンライン講座を修了したのみ、ということもあるかもしれません。

配置転換のための志望書や転職のための職務経歴書を書く際に心がけていただきたい、大切な「3P」についてご説明します。

Passion(パッション:情熱)

まず当然のことながら、なぜこのポジションに応募したのかということを、読み手である人事部や採用マネージャーがパッションを感じられるように書くことです。職務経歴書内では表現することは難しいので、時間はかかりますが、別途、カバーレターを1枚添えて、志望理由を伝えることをおすすめします。

日本では職務経歴書と履歴書による応募が一般的ですが、海外ではカバーレターと呼ばれる志望動機をまとめたものを添付します。そのレターでそのポジションに就くためにリスキリングをして準備をしてきたことをアピールしましょう。

Potential(ポテンシャル:将来性)

そのポジションに必要なすべてのスキルを持っていない場合でも、リスキリングによって初歩的なスキルを身につけたのであれば、新しいポジションで活躍できるポテンシャルがあることをアピールしましょう。具体的には、そのポジションに必要となるスキルを優先列挙する書き方によって採用担当者に自分の保有スキルを理解してもらいます。

よく「リスキリングをしても、転職は即戦力の人しか採用しないから無駄」といった意見を聞きますが、それは現時点で一定の人数が確保されている旧来のポジションにおいての話だと感じます。

例えば、AIやブロックチェーン、メタバースといった新しく生まれているデジタル分野などでは、そもそも新しく誕生したばかりで該当するスキルを持ち合わせている人が少ないので、ポテンシャルに期待をして採用するのが一般的です。

僕自身、AI、ブロックチェーン、メタバース分野のスタートアップで仕事をしましたが、基本的な知識は事前に学び準備をしたものの、実践経験はないという状態でチャンスをもらって働き始めました。

そのため、新しく生まれた分野、もしくは成長分野においては、業務を通じてスキルを高めていけるポテンシャルや将来性をアピールすることがとても重要です。

Personality(パーソナリティ:人柄、個性)

最後に、チャンスをもらうためにはやはりパーソナリティ、つまり人柄や個性をアピールすることも大切です。人間的魅力と考えても良いかもしれません。志望理由書や職務経歴書の書き方や内容から会ってみたいと感じさせる工夫が必要です。

また実際の面接の際には当然、パーソナリティやカルチャーフィットのチェックがあります。中高年がスタートアップに応募するような場合には、上から目線や横柄な態度、年齢の上下に細かい等の面が出ていると、カルチャーフィットの観点から採用されるのが難しくなります。

以上、リスキリングをした方がチャンスをもらうための3Pについてご紹介しました。繰り返しになりますが、成長分野の募集では、必要なスキルが全部揃った候補者は少なく、諦めずに最初のチャンスをもらうための、パッション(情熱)、ポテンシャル(将来性)、パーソナリティ(人柄)のアピールを心がけてください。

取材・文/園田遼弥 写真/shutterstock

『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング 【実践編】』(日本能率協会マネジメントセンター)

後藤 宗明 (著)

2023/9/1

¥2,035

320ページ

ISBN:

978-4800591401

【内容紹介】
リスキリングとは「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」であり、重要性が叫ばれつつあったが、岸田総理の所信表明演説以降、国や自治体、企業などで具体的なリスキリングの流れや取り組みが始まっている。
こうした背景のなかで注目されているのが「個人のリスキリング」だ。リスキリングは、本来は企業などが従業員(個人)に対して提供するものであるが、現実的にこれに対応できる企業は少ない一方で、労働移動はまったなしの状況になっている。
本書は、現在注目されている「リスキリング」が実践できるようになる一冊。これからリスキリングを実践しようとしている人だけでなく、リスキリングの意味やこれからのビジネストレンドを知りたい人にも役立つ一冊です。

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