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「ゴッドタン」佐久間宣行と「水曜日のダウンタウン」藤井健太郎の”ずるく”て”悪”い仕事術 『佐久間宣行のずるい仕事術』&『悪企のすゝめ 大人を煙に巻く仕事術』

集英社オンライン / 2022年5月26日 7時31分

「ゴッドタン」「あちこちオードリー」の佐久間宣行と「水曜日のダウンタウン」の藤井健太郎が相次いで「仕事術」をテーマに本を出版! 現代のお笑い・バラエティ界を代表するスタープロデューサー2名に学ぶ、「ずるく」て「悪」い仕事術とは

お笑い界を牽引するスタープロデューサー

『ゴッドタン』(テレビ東京)などの佐久間宣行と『水曜日のダウンタウン』(TBS)などの藤井健太郎の2人が、お笑い番組の作り手としてトップを走っていることに、もはや異論を挟む者はいないだろう。

そんな2人が奇しくもほぼ同時期にそれぞれ「仕事術」と冠した書籍を上梓した。佐久間宣行による『佐久間宣行のずるい仕事術』(ダイヤモンド社)と、藤井健太郎とWACK代表の渡辺淳之介の対談本『悪企のすゝめ 大人を煙に巻く仕事術』(KADOKAWA)である。



偶然にも「ずるい」「悪企(わるだくみ)」と似通った形容詞をつけているのも興味深いが、この2冊を読むと、2人がその考え方や組織内での在り方に至るまで驚くほど似ていることがわかる。

悪企のすゝめ 大人を煙に巻く仕事術(KADOKAWA)

たとえば、藤井は「自称では"常識人"」「『常識を持つ』って大事」と述べ、「サラリーマンとしてちゃんとする」ことの重要性を語っている。佐久間も同様に、サラリーマンとしての基本ともいえる心得を説く。

佐久間の記述はより実践的。たとえば周囲の信用を得るためには、会議の直後に要点を整理して、忘れないうちに解決策やアイデアをアウトプットすれば良いといったノウハウが明快に記されている。藤井が対話を通して、ユーモアを交えて面白おかしく語っていることを、佐久間が方法論として解説するような補完性がこの2冊にはある。

それぞれがテレビ東京、TBSに入社した2人。局のイメージは大きく違うが、こと「お笑い番組」というジャンルにおいては共通点も少なくない。

入社当時のテレビ東京にお笑い番組がほとんどなかったことは、佐久間が様々な場面で語っている通り。一方でTBSも、「芸人さんがメインのバラエティ番組がほとんどなかったんですよ。吉本との距離も近くなかったし、『ガチンコ!』とか『学校へ行こう!』みたいなジャニーズバラエティがTBS内ではメインになっていて」と藤井が言うように、「お笑いと向き合う」バラエティの歴史が途絶えていた。

そんな中で藤井は入社2年目、佐久間は入社3年目という異例の速さで、自分の番組を持つことになる。その秘訣はなんだったのか。

チャレンジは早いほどいい

「もう少し力をつけてから……」。そうやって憧れの仕事を先送りしてしまう人がいる。それはとてももったいないと佐久間は綴っている。

「どれだけキャリアを積んだところで『よし、十分、力がついた』とはなかなかならない。それにどんなチャレンジも、早いときほど失うものは少ないし、むしろ得ることのほうが多い」「ダメ元で無謀なオファーや挙手をして断られたとしても、そこには『相手の記憶に残る』というメリットが残る」と。

実際、藤井も最初に手掛けた『限度ヲ知レ』で大御所放送作家の高須光聖に声をかけ、一緒に仕事をしている。のちに「まったく面識がなかったADから話が来たときはうれしかった」と言われたことを明かしている。

佐久間宣行のずるい仕事術 僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた(ダイヤモンド社)

自分の「ブランド」を作るには

そうした実践の中で2人は「自分」を知り、それを周囲に伝えることの大切さを説いている。そして、何よりも2人に共通しているのは、「ダサいことはしたくない」という強い思いだ。藤井はディレクター時代、自分なりに正解の編集をしていたにもかかわらず、上司に直せと言われ「嫌だ」と拒否。周囲の作家も藤井の意見に乗ったが、結局、勝手に直されてしまったという。

その時、藤井は珍しく感情的になり、スタジオ収録に行かなかった。「そういう、ダサく見られたくない、つまらなく見られたくないって感覚は昔からずっとある」と。だから現在は、映像のチョイス、テロップ、ナレーションに至るまで、ギリギリまで自分自身でこだわり続ける。

佐久間も同様だ。「少なくとも世に出る部分は、すべて自分でクオリティコントロールしたい」と、通常なら番組演出は出席しない宣伝や販促の会議にまで参加しているという。そんなこだわりが「ブランド」となっていく。

お互い「天才」ではないという2人の考え抜かれた「ずるさ」は、僕のような凡人にも参考になるものばかりだ。だからこそ、そこから生まれる唯一無二の「悪企(わるだくみ)」の凄さをより実感することができるのだ。

佐久間宣行のずるい仕事術 僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた(ダイヤモンド社)

佐久間宣行

2022年4月7日発売

1650円(税込)

四六判/232ページ

ISBN:

978-4-478-11479-7

悪企のすゝめ 大人を煙に巻く仕事術(KADOKAWA)

藤井健太郎, 渡辺淳之介

2022年4月4日発売

1540円(税込)

四六判/256ページ

ISBN:

978-4-04-605422-7

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