前述したように、僕は「天才」ではありません。
それでも数多くのヒットを飛ばし、プロデューサーとしても結果を残すことができました。
それはなぜか。
自分が「天才」じゃないことに気づけたからです。
大切なのは「自分は天才じゃない」と認めること。稀代のヒットメーカー・つんく♂が考える「凡人が天才に勝つ方法」とは?
集英社オンライン / 2023年11月23日 11時1分
「残念ながら、僕は“天才”じゃなかった」。稀代のヒットメーカー・つんく♂による「note」の人気連載が、約3年を経て書籍化された。自分のなかに眠る才能を劇的に伸ばすためには、一体何が必要なのか。『凡人が天才に勝つ方法』(東洋経済新報社)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
凡人が天才に勝つためのステップ①|
「自分は天才じゃない」ことを認める
自分を「天才」だと思い込もうとしていた、売れない時代の僕
多くの人は、自分に対して「期待過剰」 なんだと思います。
「自分ならもっとやれるのに」
「自分にはもっと才能があるのに」
そう考えがちです。
僕もそうだったから、すごくよくわかるのです。
ここで、僕が調子に乗って自分の能力を過信していたころのことを紹介します。
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アマチュア時代〜デビュー直後のエピソード
①アマチュア時代
大阪でバンドを始めたアマチュア時代。
まだ学生で、チラシづくりから集客、宣伝まですべて自分たちでやっていました。 そのうえ学業にアルバイトにライブにライブの稽古と、忙しさにかまけて、思えば年間3〜4曲しかつくっていませんでした。
そのくせ、雑誌に出ている新人バンドやテレビで見かける新人アイドルの曲を聴いては、悔しい気持ちを抱えていました。
「俺もこれくらいの曲、真剣にやったら、いつでも書けるわ!」と愚痴ってみたり、世間を批判したりしていました。
②名ばかりのプロ時代
大阪で人気バンドになり、なんとかプロデビューできましたが、売れない時期が続きました。
それでも、曲がりなりにもプロですから、レコーディングでは録音のプロがいて、コンサートではプロの舞台監督がいて、完成したCDをプロモーションするプロがいて……全部、誰かがやってくれました。
宣伝から集客まですべて自分たちでやっていたアマチュア時代と違い、自分の時間を100%使って「売れる曲をつくればいい」という恵まれた状況にもかかわらず、それに気づきませんでした。
そうやってつくれた曲は、ボツを含めてたかだか年間20〜30曲。採用されるのは4、5曲程度だったように思います。
ディレクターやプロデューサーに「これじゃあ、シングルにできないね」「やっぱり才能ないんじゃないか」なんて言われて、「あの程度のスタッフに俺の才能をあやつる能力はないね」 などと愚痴ったり、塞ぎ込んだりするだけ。
そして「お金が足りない〜」「楽器や機材が揃わない〜」「ちゃんとしたスタジオで曲つくらせてくれ〜」「宣伝が下手だから売れない!」「暇や〜」「腹減った〜」「無理〜」「こんなんじゃ、ひらめかない〜」と、人や環境のせいにしていました。
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他人や環境のせいにするのは、できない人の言い訳
でも、振り返って思います。
音楽をつくるのに、環境なんて何でもいいんです。
高価な楽器ならいい曲ができるわけではないし、立派なスタジオだから急にテクニックが上がるわけでもありません。
大切なのは「時間」と「やる気」 です。
思えば、アマチュア時代の年間作曲数3〜4曲とか、デビュー後の売れない時代の年間作曲数20〜30曲なんて、単純に甘かった! 頑張っているうちに入りません。
逆にいえば、たったこれだけの作曲数で、自分に才能があるとかないとか、悩まなくてもよかったんです。
「他人や環境のせいにするのは、できない人の言い訳」 だったと、いまだからわかります。
でも、そういうことに気がつくのに、ずいぶん時間がかかりました。
当時は、「自分はものすごい才能のある、選ばれた人間」だと思いたかったからです。
「俺には、神様から与えられた才能があるはず」
「曲は降ってくる。整った環境の中で曲をつくっていたら、神様がチャンスを与えてくれる」
こんなふざけたことを考えていました。
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夢を見ることと「自分が天才だ」と思い込むこととは、まったく違う
これが売れない時代の僕の話です。
「自分は天才なんかじゃなく、凡人である」と認めること。
このころの僕に足りなかったものは、まさにそれでした。
夢を見るのも、大きな目標をもつのも素晴らしいことです。その夢を誰かに笑われてもいいんです。
でも、夢を見ることと「自分が天才だ」と思い込むこととは、まったく違うと思うのです。
僕が何をお伝えしたいかというと、「自分は天才でも何でもなく、平均的な能力しかないんだということを、まず知る(認める) こと。そして、それをわかったうえで、自分の能力を高めていくことが大事」 ということです。
当たり前かもしれませんが、それが 「努力」 なんです。
「努力」という言葉を使うと、忍耐や我慢、嫌なことでも続けるというようなニュアンスを感じますが、実際はただ好きなことをやり続けるだけ。だから、本来は難しいことではないはずなんです。ただ、ここでは誰もが理解しやすいように「努力」という言葉をあえて使っておくことにしましょう。あとに詳しく説明したいと思います。
<Point>
・まずは「自分は凡人だ」ということを認める
・そのうえで、自分の能力を高めていくのが「努力」である
凡人が天才に勝つ方法:自分の中の「眠れる才能」を見つけ、劇的に伸ばす45の黄金ルール
つんく♂
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/11/07034752925638/400/book.jpg)
2023年9月20日
1540円(税込)
四六判/326ページ
発行:東洋経済新報社
978-4-492-04729-3
【ついに出た!稀代のヒットメーカー・つんく♂さんの“頭の中”が全部わかる!超画期的なビジネス書!】
【自分の中の「眠れる才能」を見つけ、とことん大きく伸ばす方法、「時代を超えて愛されるヒット」の作り方、全ビジネスパーソンに今最も必要な「プロデュース力」の磨き方……全部この1冊でわかる!】
【「僕も含め、99%の人は凡人。だからこそ「大逆転」できる」そう断言するつんく♂さんが見つけた「普通の人が”小さな才能”を見つけ劇的に伸ばす45のルール」とは?】
【本書で紹介する「黄金ルール」の内容の一部】
■僕も凡人、君も凡人。では、僕ら凡人が輝くためには?
★まず、自分が「天才じゃない」ことを認めよう
★凡人の勝機は「好き」をとことん追求すること、その「大事なポイント」がある!
★何が「好き」がわからない……大丈夫!「好きを見つけるコツ」もある!
★生まれもった素質や「親ガチャ論」を乗り越えられる!
★人間、じつは誰しも「元・天才」だった、その理由は?
★結局、僕ら凡人は、では「何を」「どう」すればいい?
■凡人が「小さな才能」を伸ばし、天才に勝つためには?
★天才に勝つには「行動」あるのみ!「根拠のない自信」を“行動力”につなげるコツは?
★「当たって砕ける」精神で、とにかく「数」をこなそう!
★とにかく打席に立って、どんどんアウトプットすれば、「凡人集団の先頭」には立てる!
★「実践」と「分析」を繰り返す!「自分の好きをデータ化」し、「好き」の要素・要因を徹底的に分析しよう!
★「理不尽を味方につける」くらいのメンタルが最強!「折れない心」を作る超簡単なコツは?
★「天才」「プロ」「アマチュア」。結局、最強なのは誰?「目指すべき道」がわかる!
■「モーニング娘。」を世に生み出したプロデューサー、つんく♂が考える「プロ論」とは?
★これから求められるつんく♂流「令和の10大能力」はこれだ!
★発想が無限に湧いてくる「アイデア出し3つの法則」がある!
★9人の「まあ、ええんちゃう?」より、1人の「めっちゃ、ええやん!」をつくるのが大事
★どんぐりの背比べからの「勝ち方」は、「アイドルオーディション」に学ぼう!
普通の人が「自分の長所を極限まで伸ばし」「自分らしく輝く」ための最高の1冊!
誰でも自分に自信がつき、一歩踏み出す勇気をもらえる!
この1冊で、これまで見えなかった本当のチャンスがつかめる!
着実に、人生を好転させよう!
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