凡人が天才に勝つために必要な「ライバル」の存在。つんく♂が「圧倒的な力の差を見せつけられた」とする大物アーティストとは?
集英社オンライン / 2023年11月24日 11時1分
自分の才能をさらに伸ばしたいとき、「ライバル」の存在は原動力となってくれる。シャ乱Qとしての活動や歌手・グループのプロデュースで輝かしい実績を残すつんく♂にも、「嫉妬する天才」が存在していたという。『凡人が天才に勝つ方法』(東洋経済新報社)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
「絶対に勝てない相手」に勝手にライバル心をもつ
デビュー前、大阪のアマチュアバンド時代の僕らは、ジェラシーの塊(笑) でした。
大阪のアマチュア界ではある程度有名になっていましたが、「東京」への嫉妬と敵対心で満ちあふれていたんです。
「俺らよりも下手やのに」
「たいしたルックスでもないのに」
そんなふうに思っていたバンドが、人気雑誌に載っているのを見ると悔しい。
「たいしたことない」と思っていたバンドなのに、深夜のテレビ番組などで特集が組まれると、日本青年館ホールや渋谷公会堂でのライブがすぐ決まっていきます。
「東京にいたら、俺らもさっさとスターになっているはずなのに」などと、言い訳めいたジェラシーの塊で生きていました。
嫉妬や愚痴ばかりの僕らでしたが、時には「圧倒的な才能」を目の当たりにすることもありました。
「いまの自分では絶対に敵わない相手」 を前にすれば、それまで愚痴っていた「東京だからええよな」「俺らだって、もっとやれるのに」という感情が吹き飛びます。
そして 「もっと頑張らな!」 と思えました。
ここからは、僕が「敵わない」と思った存在について、少しだけ語らせてください。
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/11/07035758737852/800/1.jpg)
「圧倒的な力の差」を見せつけられたMr.Children
以前、『日曜日の初耳学』(MBS毎日放送)という林修先生がMCの番組に出演させていただきました。
その番組で「僕が嫉妬する天才」として名前をあげたのが、Mr.Childrenです。
1992年、同じ年にデビューしたMr.Childrenとシャ乱Q。
同期デビューですが、Mr.Childrenはあっという間に売れて、約1年後にはシングル100万枚を記録し、ドラマの主題歌やCMソングも決まりました。
「悔しい!」
桜井(和寿)くんの認めざるを得ない声質と、作曲力への才能に、大いに嫉妬しました。
でも、僕もまだまだ若かったし、負けを認めたくありませんでした。
そのうち、Mr.Childrenは桑田佳祐さんとデュエットしたり、シングルだけでなく、アルバムもミリオンヒットになったり。はぁ〜、ミスチル、すごかったです。
……と言いながら、僕らシャ乱Qも『シングルベッド』のヒットを皮切りにミリオンを連発。続いてアルバムもミリオンヒット。
当時の僕らも、相当な結果を出しました。
ただ、それでも、Mr.Childrenとの差が縮まったような実感はありませんでした。
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/11/07035832331145/800/2.jpg)
プロデューサーとして大成功、寝る間も惜しんで働いた
2000年ごろ、それまでツアーをガンガンやってきたミスチルに、そこそこ長期間、ライブやリリースのない期間があったんです。
そのころの僕は、モーニング娘。などのプロデュースで、バンドとは違うところでノリまくっている時期でした。
毎週オリコンに僕のプロデュースする数々のグループや歌手の曲をランクインさせて、「やった!1位だ」「3週連続!」「ミリオンいったぞ!」などと、ワーワー盛り上がっていました。
そのころに出したモーニング娘。のアルバムが100万枚に到達して、自分の中でも「よし! よく頑張った!」「こんなこと、そう簡単にまねできないでしょ!」なんて思っていたんです。
毎週曲をつくってレコーディングして、自分たちのライブもやって、ハロー!プロジェクト(モーニング娘。やJuice=Juiceなど、アップフロントグループ系列の芸能事務所に所属するアイドルグループやアーティストの総称)のライブにも立ち会って……。
とにかく忙しく、本当に働き詰めでした。シャ乱Qの曲を含め、年間100曲くらいはリリースしていました。
充実感もあったし、数字的にもかなりの実績を残せていたので、ほかのアーティストと自分を比較する暇がなかったのも事実です。
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/11/07035901200653/800/3.jpg)
あっさり300万枚達成に、「神様、そりゃないぜ~」
そんなあるとき、渋谷のレコーディングスタジオのロビーで偶然、ミスチルと再会したんです。しばらく国内外でのんびりリフレッシュしているという噂は音楽仲間を通じて聞いていたんですが、そんな彼らもそろそろ活動を再開するというころだったと思います。
そのときは「久しぶり! 元気? また飲もうよ!」など、ありきたりな立ち話をして別れたんですが……。
それからしばらくして、ミスチルがベストアルバムを出したんです。それが一瞬で300万枚売れました。
一方の僕は、毎週新作のシングル曲をつくって、僕自身もバラエティを含むテレビ番組にも多数出演し、ハロー!プロジェクトたちのプロデュースに神経をすり減らして、寝る間も惜しんで働いて、やっとの思いで100万枚(その後、結果的に200万枚を超えましたが)。
もちろん、これも十分素晴らしい実績です。
でも、彼らは十分なオフをとってリフレッシュして、ふらっと戻ってきて(きっと事実は違うし、忙しくしていたとは思います。当時の僕の勝手な気持ちなのでお許しください)、出した新作なしのベストアルバムが、一瞬で300万枚!!!
正直、「神様、そりゃないぜ〜」と思いました(笑)。
「やっぱ桜井くんには勝てないな」 と、忘れていた感覚が蘇りました。
これまでずっと感じていた差。忘れかけていたのに、プロデューサーになって、また実感するなんて……。
「こうなれば、もっともっと曲をつくって、数を積み上げていくしかない。じゃないと、彼らには勝てない! 頑張れ俺!」って、心から思ったのです。
忘れかけていた嫉妬心を思い出させてくれて、ありがとう。Mr.Children!
みなさんも、ぜひ、同じ業界、仲間にライバルをつくってください。
できれば、自分よりも常に上にいるような存在がベストです。
ライバルの存在は、時に凹むこともありますが、
・「負けるな俺」「頑張れ俺」と自分を鼓舞してくれる
・成功しても天狗にならない(「上には上がいる」と思える)
と、何かと原動力になってくれるものです。
<Point>
ライバル(自分が嫉妬するような人物)の存在を見つけて、パワーの源にする
凡人が天才に勝つ方法:自分の中の「眠れる才能」を見つけ、劇的に伸ばす45の黄金ルール
つんく♂
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/11/07034752925638/400/book.jpg)
2023年9月20日
1540円(税込)
四六判/326ページ
発行:東洋経済新報社
978-4-492-04729-3
【ついに出た!稀代のヒットメーカー・つんく♂さんの“頭の中”が全部わかる!超画期的なビジネス書!】
【自分の中の「眠れる才能」を見つけ、とことん大きく伸ばす方法、「時代を超えて愛されるヒット」の作り方、全ビジネスパーソンに今最も必要な「プロデュース力」の磨き方……全部この1冊でわかる!】
【「僕も含め、99%の人は凡人。だからこそ「大逆転」できる」そう断言するつんく♂さんが見つけた「普通の人が”小さな才能”を見つけ劇的に伸ばす45のルール」とは?】
【本書で紹介する「黄金ルール」の内容の一部】
■僕も凡人、君も凡人。では、僕ら凡人が輝くためには?
★まず、自分が「天才じゃない」ことを認めよう
★凡人の勝機は「好き」をとことん追求すること、その「大事なポイント」がある!
★何が「好き」がわからない……大丈夫!「好きを見つけるコツ」もある!
★生まれもった素質や「親ガチャ論」を乗り越えられる!
★人間、じつは誰しも「元・天才」だった、その理由は?
★結局、僕ら凡人は、では「何を」「どう」すればいい?
■凡人が「小さな才能」を伸ばし、天才に勝つためには?
★天才に勝つには「行動」あるのみ!「根拠のない自信」を“行動力”につなげるコツは?
★「当たって砕ける」精神で、とにかく「数」をこなそう!
★とにかく打席に立って、どんどんアウトプットすれば、「凡人集団の先頭」には立てる!
★「実践」と「分析」を繰り返す!「自分の好きをデータ化」し、「好き」の要素・要因を徹底的に分析しよう!
★「理不尽を味方につける」くらいのメンタルが最強!「折れない心」を作る超簡単なコツは?
★「天才」「プロ」「アマチュア」。結局、最強なのは誰?「目指すべき道」がわかる!
■「モーニング娘。」を世に生み出したプロデューサー、つんく♂が考える「プロ論」とは?
★これから求められるつんく♂流「令和の10大能力」はこれだ!
★発想が無限に湧いてくる「アイデア出し3つの法則」がある!
★9人の「まあ、ええんちゃう?」より、1人の「めっちゃ、ええやん!」をつくるのが大事
★どんぐりの背比べからの「勝ち方」は、「アイドルオーディション」に学ぼう!
普通の人が「自分の長所を極限まで伸ばし」「自分らしく輝く」ための最高の1冊!
誰でも自分に自信がつき、一歩踏み出す勇気をもらえる!
この1冊で、これまで見えなかった本当のチャンスがつかめる!
着実に、人生を好転させよう!
外部リンク
- ディズニー+との動画配信サブスク競争で沈みかけた王者Netflixが奇跡の復活を遂げた2つの理由
- 大切なのは「自分は天才じゃない」と認めること。稀代のヒットメーカー・つんく♂が考える「凡人が天才に勝つ方法」とは?
- 「chocoZAP」誕生秘話。「RIZAP」の屋号を隠した覆面店舗だった!? 無人ジム運営のノウハウゼロから辿り着いた「No! 幽霊会員」への美学
- 会員数100万人突破・月100店舗ペースで出店の「chocoZAP」の秘策とは? 男性の4人に1人が利用するセルフ美容…「コンビニ&エンタメ」を追求する新しいフィットネスの形
- 原材料高に「花王」と「ライオン」が苦慮する中、なぜ「ユニ・チャーム」は圧倒的収益力で抜きん出て好調なのか?
この記事に関連するニュース
-
長谷部誠氏、サッカーキャリアは「Mr.Childrenと共にあった」親友中丸雄一に語る
日刊スポーツ / 2024年7月21日 11時15分
-
狩野舞子さん、36歳の誕生日を迎え各スポーツ界から祝福受ける 杉山愛さん、宮里藍さんら
日刊スポーツ / 2024年7月17日 6時0分
-
長谷部誠が思わぬ遭遇 日本でバンドツアー参戦、黒サングラス&帽子で報告「嬉しかったぞ!笑」
FOOTBALL ZONE / 2024年7月15日 7時50分
-
長谷部誠氏 大ファンのミスチルライブで自身のユニ着たファン発見「嬉しかったぞ!笑 ありがとう」
スポニチアネックス / 2024年7月14日 16時18分
-
『ONE PIECE』ミスチルと15年ぶりコラボ くまの人生が名曲「HERO」合致!6分映像公開
ORICON NEWS / 2024年7月4日 17時0分
ランキング
-
1昨年度の郵便事業896億円の営業赤字、前年度の4倍超…封書やはがき減収・集配や運送委託費増
読売新聞 / 2024年7月25日 18時13分
-
2日経平均は7日続落し1200円超安、今年最大の下げ 米株安・円高進行で
ロイター / 2024年7月25日 15時38分
-
3RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 19時30分
-
4だからファミリー客が次々と来店している…快進撃を続ける「丸源ラーメン」と競合チェーンの決定的違い
プレジデントオンライン / 2024年7月25日 10時15分
-
5自動車や鉄鋼、中国事業を縮小 日本企業、販売低迷で転換へ
共同通信 / 2024年7月25日 19時4分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)