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後藤真希がすごかったのは、「できない」「やりたくない」がなかったから。プロデューサー・つんく♂が語る「伸びしろのある人」の条件とは?

集英社オンライン / 2023年11月25日 11時1分

稀代のヒットメーカー・つんく♂の新刊『凡人が天才に勝つ方法』(東洋経済新報社)では、プロデューサー視点で見た「伸びる人」「伸びない人」の決定的な差が紹介されている。今回はアイドルグループ・モーニング娘。の歴史が長く続いた理由を、『凡人が天才に勝つ方法』より一部抜粋・再構成してお届けする。

最初から「NO」が多い人は、本当に伸びない。
決して「NO」と言わず、まずはやってみて、自分の糧とする

モーニング娘。がいまもなお人気を維持しながら続いているのはなぜか。

僕がいま、彼女たちを振り返って思うのは、初期メンバーがプロデューサーつんく♂のプロデュース方針に対して「NO(できません、やりたくないです)」を言わなかったことがいちばん大きな要因だったんじゃないかということです。



これはいわゆるパワハラとか「言いたいことが言えない」という圧ではなく、誰でも現状が変わっていくことに不安はあるけど、それ以上に未来に対していい意味の期待感をもっていてくれたんじゃないかと思うんです。「つんく♂なら何かやってくれるんじゃないか!」みたいな。ドキドキハラハラしながらも、みんなが楽しみながら立ち向かってくれた結果です。

その中でもいまにつながる大きな突破口は、「追加メンバーを募集する」と発表したときです。安倍なつみや飯田圭織など、すでに人気のあったメンバーは、さらにライバルが増えることに対して、内心では「嫌だ」「許せない」という気持ちがあったと思うんです。

それでも、モーニング娘。にとってのいい結果につながるのではないかという、エンタメ的なハラハラドキドキにうまく乗っかってくれたから、あれから25年も続くレジェンドグループになれたのだと思います。

叱り役になってくれた中澤裕子や、いい感じに叱られ役となってファン心理を勝ち取った2期メンバーも、番組にとっても、音楽をつくる僕にとっても貴重な存在でした。そんな中で、番組でも何かと注目されていた安倍なつみのプレッシャーも相当あったことでしょう。

後藤真希の加入で、より切磋琢磨したメンバーたち

そして、第3期メンバー募集のオーディションに応募してきたのが後藤真希でした。

当初は2名合格させるつもりでしたが、後藤に対するもうひとりを選ぶことができず、合格者は彼女のみとしました。

その後の『LOVEマシーン』の大ヒット、同時に後藤の人気っぷりは、記憶している人も多いと思います。

後藤のすごさは、最初に感じた才能だけではありませんでした。

加入したばかりのころは、彼女もできないことがたくさんありました。当然ですが、ダンスや歌、コンサートの立ち位置のことなど、何もわかりませんでした。

それでもほかのメンバーと同じように、決して 「NO(できません、やりたくないです)」とは言いませんでした。

顔には出しませんが、「なにくそ! やってやる」という姿勢と、「やってみてから考えよう」というポジティブさを感じました(本人的には、もっと無邪気な気持ちだったかもしれませんが)。

彼女はメンバーになってから驚異的なスピードで成長し、場に対応する能力を身につけていきました。

失敗を恐れず、成功体験を上手に生かし、また次のステップへと成長していきました。

そして後藤が成長すればするほど、初期メンバー、2期メンバーもそれに負けじと切磋琢磨し、どんどん成長していきました。

僕がアマチュアバンド時代から何年もかけて身につけたようなスキルを、彼女たちはあっという間に身につけていったのです。

当時のものすごいハードスケジュールの中、誰ひとり「NO!」や「ギブアップ!」を言ったメンバーはいなかった。僕はそう記憶しています。

「NO」と言い出しそうな子は、オーディションの段階でそういう匂いをプンプン出してきます。

もしひとりでもあのメンバーの中に、ネガティブ要素のある子が入っていたら、悪い負の連鎖も始まり、いまも続くモーニング娘。の歴史は早々と幕を閉じていたかもしれません。

みなさんも彼女たちのように 「NOの前に、まずはやってみる」 という精神を大切に
してみてくださいね!

松浦亜弥、藤本美貴の「潔さ」と「適応力」

モーニング娘。のメンバーは、ほとんど10代の女の子ですから、髪型やファッションには自分なりのこだわりがあります。

でも、仕事では、気に入らない衣装や髪型になることもあるわけです。

「全員黄色い服で!」「プールから上がってきたような表情を撮りたい」といったこちらのリクエストに対して潔く対応してくれたメンバーは、現在も堂々と活躍しているように思います。結婚して母になった姿を見ても、しっかり自分の道を歩んでいるんです。

たとえば、藤本美貴はもともとロングヘアで前髪で顔が隠れるような髪型でしたが、ソロデビューのジャケット写真を撮るとき「すっきりさせて、前髪も眉毛が出るくらいにしたほうがいいんじゃない?」と提案したら、すぐさま「それでいきましょう!」と、本当に潔く納得してくれました。

そして松浦亜弥。僕も彼女のすべてをわかっていたわけではないですが、印象としてはキャピキャピ明るいタイプではなく、14歳にしては落ち着いているというか、肝が据わっていたように思います。

もともとモーニング娘。の妹分的な存在でデビューしましたが、僕は彼女の歌唱力やカリスマ性のようなものに引っ張られて、アイドルよりもアーティスティックな方向に仕上げたくなっていました。

でも、あるとき「あ、このままじゃ彼女は破るべき壁が破れない」とハッとして、一気に方向転換。デビュー曲は衣装や曲調含めて、原色感のある明るい方向にもっていきました。

そのときの、彼女の方向変換への適応力がすごかった!

「はいはいっ、がってん承知しました〜!」という具合に、逐一対応してくれました。

「NO」という拒絶反応ではなく、すべてを受け入れてから自分なりに処理できる子のほうが、小さなこだわりをもつ子より、断然、波に乗ったときの爆発力がありました

凡人が天才に勝つ方法:自分の中の「眠れる才能」を見つけ、劇的に伸ばす45の黄金ルール

つんく♂

2023年9月20日

1540円(税込)

四六判/326ページ
発行:東洋経済新報社

ISBN:

978-4-492-04729-3

【ついに出た!稀代のヒットメーカー・つんく♂さんの“頭の中”が全部わかる!超画期的なビジネス書!】
【自分の中の「眠れる才能」を見つけ、とことん大きく伸ばす方法、「時代を超えて愛されるヒット」の作り方、全ビジネスパーソンに今最も必要な「プロデュース力」の磨き方……全部この1冊でわかる!】
【「僕も含め、99%の人は凡人。だからこそ「大逆転」できる」そう断言するつんく♂さんが見つけた「普通の人が”小さな才能”を見つけ劇的に伸ばす45のルール」とは?】

【本書で紹介する「黄金ルール」の内容の一部】
■僕も凡人、君も凡人。では、僕ら凡人が輝くためには?
★まず、自分が「天才じゃない」ことを認めよう
★凡人の勝機は「好き」をとことん追求すること、その「大事なポイント」がある!
★何が「好き」がわからない……大丈夫!「好きを見つけるコツ」もある!
★生まれもった素質や「親ガチャ論」を乗り越えられる!
★人間、じつは誰しも「元・天才」だった、その理由は?
★結局、僕ら凡人は、では「何を」「どう」すればいい?

■凡人が「小さな才能」を伸ばし、天才に勝つためには?
★天才に勝つには「行動」あるのみ!「根拠のない自信」を“行動力”につなげるコツは?
★「当たって砕ける」精神で、とにかく「数」をこなそう!
★とにかく打席に立って、どんどんアウトプットすれば、「凡人集団の先頭」には立てる!
★「実践」と「分析」を繰り返す!「自分の好きをデータ化」し、「好き」の要素・要因を徹底的に分析しよう!
★「理不尽を味方につける」くらいのメンタルが最強!「折れない心」を作る超簡単なコツは?
★「天才」「プロ」「アマチュア」。結局、最強なのは誰?「目指すべき道」がわかる!

■「モーニング娘。」を世に生み出したプロデューサー、つんく♂が考える「プロ論」とは?
★これから求められるつんく♂流「令和の10大能力」はこれだ!
★発想が無限に湧いてくる「アイデア出し3つの法則」がある!
★9人の「まあ、ええんちゃう?」より、1人の「めっちゃ、ええやん!」をつくるのが大事
★どんぐりの背比べからの「勝ち方」は、「アイドルオーディション」に学ぼう!

普通の人が「自分の長所を極限まで伸ばし」「自分らしく輝く」ための最高の1冊!
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