ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、世界中の文化人、著名人らが反戦を訴えている。そんな中、音楽界でいち早く大きな動きを見せたのが、英国の伝説的ロックバンド、ピンク・フロイドだ。
ピンク・フロイドといえば、代表作の『狂気(The Dark Side Of The Moon)』が米ビルボードのアルバム・チャートに15年間(741週連続)ランクインしていたことでも知られる。
このアルバムで「タイム」や「マネー」といったメッセージソングを投げかけたのを皮切りに、人間を動物に喩えて痛烈な社会批判を行なった『アニマルズ』(77年)や、社会の分断をテーマにした『ザ・ウォール』(79年)などで世界的人気を得てきた。
近年はライヴツアーやカタログ作品のアーカイヴ、メンバーのソロ活動などが中心だったが、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、ウクライナ国民の勇気ある行動に心打たれたメンバーが、「自分たちの地位や名声を大義のために活用したい」と立ち上がり、28年ぶりとなる新曲「Hey, Hey, Rise Up」を完成させたのだ。