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それって下肢静脈瘤かも!? 足がつる、だるい、かゆい…専門医が唱える9つのセルフチェック&簡単だけど効果絶大の対策

集英社オンライン / 2023年11月20日 11時1分

足がだるくて、足の血管がボコボコと浮き出ていたら、下肢静脈瘤かも……ほうっておいても自然に治ることはないので、医師への相談が必要だが、病院に行く前に自分でできる症状のチェックや対策があるという。下肢静脈瘤専門クリニック目黒外科・院長の齋藤陽先生に解説いただいた。

下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤は足の血管の病気です。

足の血管がボコボコと浮き出てきて、くねくねと曲がりくねっている状態をいいます。足の静脈には足に溜まったゴミを血液と一緒に心臓に運ぶ機能があります。

その際、血液が逆流しないように静脈弁というストッパーがついているので、血液は心臓まで運ばれるのですが、そのストッパーが緩んでしまうことで逆流してしまうことがあります。そうするといつまでたっても、汚れた血液が心臓まで運ばれず足に溜まりっぱなしになるため、静脈がこぶのように膨れてしまうのです。


代表的な症状として、足のだるさ、むくみ、こむら返りなどがありますが、ほかに、足にかゆみを感じることもあり、それをかきむしってしまうことで引っかき傷がひどくなり、皮膚がえぐれた状態の潰瘍になることもあります。

下肢静脈瘤は、すぐに治療しないと命に危険が及ぶということはありませんが、自然に治ることはなく、足の血管のボコボコが気になったり、足のだるさ、こむら返りなどが日常的に起こったりするので、生活のクオリティが下がるなどの懸念があります。

圧倒的に女性に多い下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は加齢とともに、静脈の壁が徐々にもろくなり、静脈弁も壊れるため、高齢者に多くみられますが、圧倒的に男性より女性に発症します。

理由として、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、血流をサポートするポンプ作用となる役割のふくらはぎの筋力が弱い傾向にあるということが挙げられます。

また、妊娠、出産も大きな原因の一つです。

妊娠中は、赤ちゃんや胎盤の成長とともに、体内の血液量が増え、血管に負担がかかるため、静脈瘤ができやすくなります。また、女性ホルモンも関係しています。妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌量が増加しますが、これらのホルモンは血管を拡張させるため、静脈弁が伸びやすくなり、下肢静脈瘤になりやすくなるのです。

ほかにも、立ち仕事で一定の場所からあまり動かない職業の人にも発生しやすく、1日10時間以上、立って仕事をする人は要注意。
立ち続けることで、ふくらはぎの筋肉のポンプ作用が十分働かなくなるからです。

また、運動習慣がない人も筋肉量が少ないため、下肢静脈瘤になりやすい傾向にあります。

足がだるい、かゆみがある…よくある症状に下肢静脈瘤が隠れている

下肢静脈瘤は、大きな病気ではありませんが、誰にでも発症する可能性のある病気でもあります。

下記に紹介する9つの症状に思い当たる人は、足の血管の状態を病院で相談してみましょう。

1 睡眠時にこむら返りになる
こむら返りは下肢静脈瘤の初期の段階でよく起こります。寝ているときや明け方にふくらはぎがつるのが下肢静脈瘤の症状の特徴です。ただし、足の使い過ぎや水分不足などによって足がつることもあるので、気になる人は足の血管の状態をチェックしましょう。

2 足を上げて座りたくなるほど足がだるい
朝よりも夕方や夜のほうが、足のだるさを感じるのも下肢静脈瘤の特徴です。
足を上げて座りたくなるほど足がだるい人は一度、エコー検査を受けてみましょう。

3 足のむくみ
足の静脈に血液が停滞していると、血液中の水分が血管の外側に染み出して皮下脂肪に溜まり、足がむくみます。下肢静脈瘤の代表的な症状の一つですが、肝臓、腎臓、甲状腺などの病気でも足はむくみますし、健康な人でもむくみが出ることもあるので、ほかの症状と合わせてチェックするようにしましょう。

4 足の静脈が目立つ
すね、ふくらはぎ、太もも、太ももの裏側にくねくねと曲がりくねった血管が見られる場合は要注意です。ただし、1mm以下の赤い蜘蛛の巣状の静脈溜や、1~2mmの青い網目状の静脈瘤は、基本的に自覚症状はなく、外見的な問題だけですので、外見が気になる人以外は治療を考えなくて大丈夫です。

5 足のくるぶしの上の色素沈着
長時間にわたって足の静脈に血液が停滞していると足の皮膚を流れる毛細血管もパンパンになります。その結果毛細血管が切れやすくなり、内出血を起きることが。内出血が何度も続くと、ヘモジデリンという血液のヘモグロビンに由来する鉄を含んだ色素が皮下に溜まり、赤黒く見えるのが色素沈着です。

色素沈着は下肢静脈瘤の手術をしても、完全に治る可能性は低いです。
足のくるぶしの上の部分に色素沈着が現れることが多いので、気になり始めたら、一度、下肢静脈瘤を疑ってみましょう。

足のかゆみが半年以上治らない、足の痛みも…下肢静脈瘤かも?

6 足の湿疹・かゆみが半年治らない
半年間、皮膚科に通っても治らない足の湿疹やかゆみがある人は、一度血管外科を受診してみましょう。ただし、上半身にも同じような湿疹、かゆみがある場合は、下肢静脈瘤とは関係ありません。

また、冬になると足がかゆくなるという人もいますが、ほとんどは乾燥が原因で、下肢静脈瘤によるものではないでしょう。

7 潰瘍ができている
足がかゆくて、引っかき傷によって、潰瘍ができていると下肢静脈瘤である可能性が高いです。潰瘍ができても足が腐って切断するということはないので、まずは血管外科を受診してみてください。

8 足が熱を持っている
足の静脈に血液が溜まるので、足にほてりを感じる場合もあります。

9 足の痛み
足の痛みには3つほどパターンがあり、明け方に足がつって痛いという場合と足の静脈瘤に血栓ができて血栓性静脈炎によって赤く腫れて痛いという人、または足がだるすぎて痛いというパターンもあります。
下肢静脈瘤かどうかの判断は足を上に上げて座ると楽になるかチェックしてみましょう。
この姿勢で楽になるということは足に血液が溜まっているということで、下肢静脈瘤であることが多いです。

下肢静脈瘤の予防対策としては、長時間同じ姿勢でいないように、適度に足を動かすことです。スクワットができればいいのですが、難しい場合はかかとの上げ下げや、座ったまま足をぶらぶらさせるなどしてみましょう。

また、有効なのが弾性ストッキング(着圧ソックス)の着用です。
ストッキングの圧迫により、筋肉のポンプ作用と逆流防止弁の両方を強化してくれて、軽度から重度まで、あらゆる下肢静脈瘤に悩む人におすすめの対策です。

今回紹介した症状で、気になることがあったら、血管外科や下肢静脈瘤専門クリニックに早めに相談するようにしましょう。


取材・文/百田なつき

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